可笑しくなった親友と距離を置いたら、いろいろすっ飛ばして急展開した後に隣の席の子と急接近した俺の話

本編

(３)可笑しくなった親友②ー親之SIDEー

　
　愛羅が可笑しくなって数日経った。クラスの皆も『え？』となるほど行動が怪しくなった。ただ愛羅の一人称は俺から僕に戻った。

　それは置いといて、どのように行動が怪しくなったかというと、生徒会の周りを 彷徨うろついて、生徒会長に猛アタックをしているが、撃沈しているようだ…

　儚げで守ってやりたくなる愛羅の像が消えてしまった…クラスメイトたちもドン引きしている。だからなのか最近、性的に狙われる事も無くなった。しかも、『関わるとヤバいんじゃ…』という事でクラスメイトだけでなく、他のクラスの人たちや上級生だけでなく下級生たちからも距離を置かれている。

　本人はそんな事知らない…ある意味、幸せなのかもしれない。

　まぁ、俺は相変わらず愛羅と一緒に居るんだけど…周りからの同情の視線が増えた…

　生徒会組の親衛隊たちも愛羅の処遇を決め兼ねているようだ。もし、生徒会の重鎮たちが籠絡してしまっていたなら確実に報復がある。
　が、現実はそうでもないから、大事になっていないだけだ。
　本人は知らないと思うけど…なんて考えながら話を聞いていたのが悪かったのか…愛羅が目をつり上げて怒っている。
　前なら可愛いと思っていた表情かもしれないが…今では面倒な事になってしまったというのが一番しっくりくる感情だ。

　「親之！」
　「愛羅どうかした？」
　「どうして何もしてくれないの！？これじゃ、何も進展しないよ！」
　「は？いや、なんで俺がそんな事する必要があるんだ？」
　「姫になれないじゃん！」
　「ひ、ひめ？何言って…というか愛羅、最近マジでおかしいぞ。どうしちゃったんだよ」

　というと、攻略対象やら姫に対するレクチャーを受けた…初めて聞いたわ。
　そんな物語や制度…呆れ果てて「そんな制度はない」と言えば「有り得ない、そんな訳ない！」と癇癪を起こし、最終的に役に立たないと言われた…解せぬ…

　「親之は僕のお助けキャラなの！だから、早く俺の為に動いてよ！」
　「お助けキャラって…小説やら漫画の読みすぎじゃないのか？」
　「うるさい！」
　「理不尽…」
　「何で何もしてくれないの！お助けキャラのくせに！主人公である僕のお飾りのくせに！」

　頭をぶつけて可笑しくなった親友兼幼馴染に対しての感情が完全に崩壊した瞬間だった…
　『もう、勝手にしてくれ！』である。俺は距離を置く事を決めた。今の愛羅なら強姦とかされる心配はないだろう…良くも悪くも周りから距離を置かれているからな…

　学園中に愛羅のヤバさが広がっているから大丈夫だろという俺の判断だ。
　俺の淡い恋も最近、終わりを告げたしな…サヨナラ俺の恋。

　ヤバくなったらそれなりに助けますからと…心の中で愛羅の両親に謝っておいた。

＊