拳銃スキルで異世界探訪~銃スキルは優秀、ただし使用者も優秀とは限らない~

摂政

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魔物は要らない? テイカはどこに?

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「これが……クエストの報酬、です」

 酒場の机の上に、銀貨を3枚。
 プラトが置いたのは、ビッグいやーロビットを規定数倒した事を証明する報酬。俺が取ってきた報酬も合わせれば、この荒海街ヨーハンナでの目的は半分、達成したと言えるだろう。
 後は【星】を操る兎神サシュミから頼まれた、神々の目を覚まさせるという依頼を達成できればこの街での用事はなくなる。

 とは言えども、手がかりはさっぱりだ。相手は2人の、神の力を手に入れた者であるという情報だけ。
 この街に居ると、兎神サシュミは言っていたのだが、それが本当なのかどうかも怪しくなってきた。
 あの時は確かにこの場所に居たのかも知れないのだけれども、実はもう別の場所に行ったという可能性も低くはない。
 
 ‐‐‐‐というよりも、だ。

「そう言えば、プラト? テイカはどこだ? 一緒じゃなかったのか?」

 俺は机の上に注文して置いてあった、ぶらぁっくコーヒーを口に含む。
 うーん……はぁど・ぼいるぅど。味は正直なところ、すっげぇ苦くて、吐きたいんだけど、ハードボイルドならばこれを飲まないとならない。我慢、だ、我慢。

「……えっと、その、す、すいませんっ!」

 盛大に、頭が床に擦り付けんばかりの勢いで謝罪するプラト。
 それに対して俺は、気にするなとばかりに手を出して、もうしなくて良いという気持ちを見せる。

「いや、俺もテイカにきちんと説明していなかった。報酬を受け取ったら集まるのは当然だと思っていたからこそ、という事を思ってしまっていたからこそのミスだ。きちんと説明しておけば良かったんだ」

 そう、ギルドの連中には頼んでおいた。
 プラトとテイカの2人に報酬を受け取ったらこの酒場まで来るように。そう伝えるように頼んでおいた。
 伝言を頼むのは別料金でそこそこ金がかかるが、仕方ない。そういうモノとして受け入れようではないか。

「そのうち、来るだろう。それまで酒場でゆっくりしていこうじゃないか」

「で、でも……」

「良いか? 分かった、か?」

 仲間を信じる、それもまたハードボイルドってものだろう?

「……はい、分かり、ました」

 こくり、と頷くプラト。
 うむうむ、分かってくれて嬉しい限りだ。

「‐‐‐‐それよりも、だ」

 そう言って、俺はプラトに【生命銃】を見せる。そして、先程捕獲しておいた【召喚弾】を一発、プラトへと見せていた。

「それは、新しい銃弾、ですか?」

「あぁ、ちょっと外に出ようか。今から【生命銃】の試し撃ちをする」



 酒場に早速、頼んでおいた料理の代金を払って、店の外へ出て行った。
 そして道路に向かって、【召喚弾】を装填した【生命銃】の銃身を向ける。

「これは【召喚弾】。弾に魔物などの生物を収納しておいて、それを放てる俺の新たな攻撃手段だ。
 そしてこの中には、新種の魔物を入れている」

「新種の……魔物?」

 そう、【召喚弾】には魔力を収納できる。
 生物を収納するとは言ったのだが、実際はその魔物を構成する魔力を収納している。

 人間の身体は"でぃー・えぬ・えー"という物によって、その身体の構築が決まっている。魔物に"でぃー・えぬ・えー"があるかはどうかは別として。
 例えば、スライムは丸い姿。ゴブリンは小柄な子供のような姿。ハーピーは鳥のような翼を持つ……そう言うように、身体の構造は決まっているみたいである。
 まぁ、という訳でこの場合で言えば、その"でぃー・えぬ・えー"の代わりを、魔力が担っている。

「この【召喚弾】には、魔物の身体を構成している魔力が入っている。それは分かる、な?」

「はっ、はい。では、そこに見つけた新種の魔物が?」

 見つけた、か。それは少し違う。

「【吸収】、そして【再構築】。俺にはこの2つのスキルがある。
 魔力を【吸収】して、新しい物として【再構築】しているのだ。つまりは、2種類以上の魔物の魔力を使えば、まったく新しい魔物が誕生するっ!」

 俺はそう言って、引き金を引くっ!
 すると、【召喚弾】に封じ込まれた魔物が、新しく誕生するっ!

 そして現れたのは、スライムの身体を持つ新種の魔物。丸く愛らしいスライムの身体と、背中からコウモリのような翼でばっさばっさと飛んでいる。

「祝えっ! スライムとブラッドバットの力を受け継ぎ、柔軟な身体と空を統べる未来の新種なりっ!
 その名も、バットスライム! まさに生誕の瞬間であるっ!」
《ばっさー!》

 これこそ、スライムの魔力。そして、吸血コウモリたるブラッドバッドの魔力。
 この2匹の魔力を組み合わせた新種の魔物、バットスライム。
 こいつはまだ1匹だけだがさらに数が揃えば、空から爆弾を大量に落とすなどの作戦も出来るだろう。

「どうだ、プラトっ! これが俺の新しい戦力だ!」
《ばっさー!》

 バットスライムはばっさ、ばっさと空を飛び、そして‐‐‐‐

----ばひゅんっ!

《ばさっ?!》

 プラトに銃に撃たれて、そのまま落ちて、死骸となる。

「ぷ、プラトっ?! どうした、なんでいきなりっ?!」

 バットスライムをいきなり撃ち殺したプラトにそう尋ねると、プラトは死んだ魚のような目でこちらを見つめていた。

「‐‐‐‐こうもり 私だけ」

 ……お、おおっ。
 プラトが、物凄い目でこちらを見ている。

 これは、やばいっ?!

「わ、分かった。今度からは、コウモリではない魔物で作ることにする。
 それで良いか?」

 返事は、なかった。
 ただ頷いていた。

「(‐‐‐‐今度から、プラトは怒らせないようにしないと)」

 あれは、ヤバかった。うん、物凄いヤバかった。

 しかし、テイカはどこに行ったのだろう?
 まさか、敵に捕まっていたり? いや、そんなはずは……ない、よな。うん。
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