俺の召喚獣だけレベルアップする

摂政

文字の大きさ
8 / 354
第1章『俺の召喚獣だけレベルアップする/雪ん子の章』

第8話 元勇者系MyTuberによる、召喚獣紹介動画(2)

しおりを挟む
「さて、では次は第2位の紹介です」

 と、同率3位の召喚獣2体を送還したマイマインが、次に召喚陣から召喚したのは、背中の4枚の羽で宙を舞う少女であった。
 全身がうっすらと透明な彼女は、自由気ままに空を飛んでいた。

「第2位に選ばれた召喚獣は、【シルフ】です。風で、皆様をサポートしてくれる精霊です」


 ===== ===== =====
 【シルフ】 レベル;Ⅰ
 エレメンタルと呼ばれる、属性を司る4体の精霊のうちの1体。風を司る精霊で、虫のようなその羽で、自由自在に空を舞う気ままな少女の召喚獣
 そよ風から突風など、風の強さを自由自在に操ることができ、風の温度も変える事が出来る
 ===== ===== =====


 シルフは、自由気ままに空を舞いながら、時折、風を操っては綺麗な緑の髪をなびかせていた。

「シルフは、空気や風などを表す精霊型の召喚獣で、戦闘よりもダンジョン探索に有用な召喚獣です。敵の待ち伏せをかいくぐったり、罠を見破ったりするのに有効です。ダンジョン探索に、是非とも使いたい1匹ですね。
 では、最後になりましたが、マイマインが選ぶ、最も使えると思われるランクⅠの召喚獣を発表させていただきたいと思います」

 シルフを送還したマイマインが、最後に、第1位として発表するために召喚する召喚獣。
 最後に召喚陣から現れたのは、人懐っこそうな可愛らしいライオンの子供であった。
 いや、尻尾は蛇になっており、良く見るとライオンの頭の横に、山羊の頭もある。

 2つの動物の顔と、蛇の尻尾を持つ獣。
 それが、彼が第1位として紹介した、召喚獣であった。

「第1位は、可愛らしさと俊敏さが特徴の獣型! 【ベビーキマイラ】です!」


 ===== ===== =====
 【ベビーキマイラ】 レベル;Ⅰ
 キマイラの幼生であり、なおかつ人に懐かせるために生み出されたとも言われる、人造召喚獣。獅子と山羊の頭は周囲を見渡し、尻尾の蛇が噛むことで弱いながら麻痺を与える
 召喚主に限らず、人に非常に懐く習性を持っており、小さな身体ながら大人が乗っても平気で動ける
 ===== ===== =====


「ベビーキマイラは、合成獣キマイラの幼体として設定されている召喚獣です。レベルⅠの召喚獣の中では、攻守ともに優れた召喚獣であり、その上、この小ささながら人1人分を背負っても動ける力強さを持っております。
 もしまだ、ベビーキマイラを召喚したことがない召喚士の方がいらっしゃいましたら、是非とも召喚して、その強さを実感して欲しい所ですね」

 ----ベビーキマイラかぁ。

 確かに紹介された中だと、これが一番優秀そうだ。
 この召喚獣は今まで知らなかったし、この召喚獣に【召喚 レベルアップ可能】を使うとするか。

 そう思って動画の視聴を止めようとすると、「最後に1つだけ----」となんとも意味深な言葉が聞こえてきた。
 動画の残り時間もそんなには残っていなかったため、それだけ見てからにしようかと思って、動画の再生を続けた。





「最後に、【召喚士】になってしまった方のために、1つだけアドバイスを差し上げましょう。
 次に召喚する召喚獣は、レベルⅣのボスクラスの召喚獣であります」

 そう言って、マイマインはさっきまでとは、まるで違う召喚陣を出現させる。
 大きさはさほど変わっていないが、その複雑さは全然違う。
 例えるとすれば、粗悪な剣を見た後に、めちゃくちゃ丁寧で複雑な刀を見た時のような。

 ----レベルⅣ用の召喚陣ってことかな。

 召喚陣の複雑さは、動画越しでも良く分かる。
 これがいつか、俺でも召喚できるようになるのだろうか。

 そう思いながら見ていると、その複雑なレベルⅣ用の召喚陣から、大蛇が現れた。

 その大蛇の名前を、俺は良く知っていた。
 何故なら、その特徴的な見た目からゲームなどでも、お馴染みの存在だったからだ。

「これがレベルⅣの召喚獣、【ヤマタノオロチ】です」


 ===== ===== =====
 【ヤマタノオロチ】 レベル;Ⅳ
 8つの首と尾を持つ、巨大な蛇の召喚獣。人を喰らう伝承の中で酒に酔う伝承があるため、状態異常にかかりやすい欠点を持つ
 洪水の化身であり、8つの首から大量の水を浴びせ、人々を苦しめたとされる
 ===== ===== =====


 マイマインが最後におまけとして召喚したのは、ヤマタノオロチ。
 8つ首の大蛇で、その身から伝説の聖剣が出てきたとされる、ゲームなどでもおなじみの存在だ。

 そんな良く知る召喚獣は、小さくなって机の上に載せられるほどの大きさでも迫力が半端じゃなく、8つの首は画面越しでも分かるくらい俺の方に威嚇していた。

「ヤマタノオロチは、水を司る龍神様という伝承を持つ召喚獣であり、高いステータスを揃えるドラゴン系の召喚獣の中でも、圧倒的な水属性の攻撃を持っています。
 さて、そんなヤマタノオロチなんですが、実は異世界----わたしが勇者をやっていた向こうの世界では、誰も召喚していませんでした。当たり前と言えば、当たり前なんですが、知らない召喚獣なんて召喚するのを躊躇ためらうのも、無理はありません」

 「しかし、問題はそこではないのです」と、もったいぶった言い方で、こちらの興味を引くマイマイン。

「実は、ヤマタノオロチを召喚獣として召喚する以前に、向こうの世界では誰も知らなかった。当然ですよね、異世界にはない、日本に伝わる伝説の生物ですし。
 だから、召喚可能の中に入っていなかったんです」

 ----ん? だったらなんで、今は召喚できているのだろうか?
 ----マイマインはなぜ今、ヤマタノオロチを召喚したりしたのだろうか?

 その答えは、マイマインがすぐに出してくれた。


「実は、召喚獣は自ら知識を得る事で、召喚できるようになるのです。それがわたしが思う、【召喚士】の真の強みです。
 知識として得た召喚獣のレベルは、今回のヤマタノオロチのように後で確認してください。これを使えば、わたしが紹介したのよりも良いのが、もしかしたら見つかるかもしれませんね?
 世界各国に眠る妖怪やら魔物やらの知識を得る事で、召喚陣から出せる召喚獣のレパートリーが増えるので、皆さんも是非、妖怪や魔物を知るために図書館や本屋さんなどで調べることをお勧めします」

 そう言って、マイマインは動画を締めくくったのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

俺は普通の高校生なので、

雨ノ千雨
ファンタジー
普通の高校生として生きていく。その為の手段は問わない。

英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜

駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。 しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった─── そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。 前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける! 完結まで毎日投稿!

異世界帰りのハーレム王

ぬんまる兄貴
ファンタジー
俺、飯田雷丸。どこにでもいる普通の高校生……だったはずが、気づいたら異世界に召喚されて魔王を倒してた。すごいだろ?いや、自分でもびっくりしてる。異世界で魔王討伐なんて人生のピークじゃねぇか?でも、そのピークのまま現実世界に帰ってきたわけだ。 で、戻ってきたら、日常生活が平和に戻ると思うだろ?甘かったねぇ。何か知らんけど、妖怪とか悪魔とか幽霊とか、そんなのが普通に見えるようになっちまったんだよ!なんだこれ、チート能力の延長線上か?それとも人生ハードモードのお知らせか? 異世界で魔王を倒した俺が、今度は地球で恋と戦いとボールを転がす!最高にアツいハーレムバトル、開幕! 異世界帰りのハーレム王 朝7:00/夜21:00に各サイトで毎日更新中!

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記  大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。 それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。  生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、 まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。  しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。 無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。 これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?  依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、 いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。 誰かこの悪循環、何とかして! まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!

ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。 ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。 そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。 問題は一つ。 兄様との関係が、どうしようもなく悪い。 僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。 このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない! 追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。 それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!! それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります! 5/9から小説になろうでも掲載中

スライム退治専門のさえないおっさんの冒険

守 秀斗
ファンタジー
俺と相棒二人だけの冴えない冒険者パーティー。普段はスライム退治が専門だ。その冴えない日常を語る。

処理中です...