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第6章『ファイントは常に地獄に居る/覚醒ファイントの章』
第208話 赤坂帆波は提案する
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「----とまぁ、この計画で行こうと思うんだけど、異論はないかな? 冴島渉くん?」
俺にそう問いかけるのは、【三大堕落】の主、赤坂帆波その人である。
セーラー服を着た普通の少女といった様子の彼女は、傍らに2人の【三大堕落】を連れている。
左後ろに、頭にシルクハットを被り、タキシード風の黒いロングコート。
白黒のドミノマスクを付けた、古き良き怪盗姿の少女。
----【三大堕落】の【文明】担当、佐鳥愛理。
右後ろに、修道服を着た、黄金の二丁拳銃を手にしている。
煙突を背負った、ボタン瞳の幼女。
----【三大堕落】の【どん底】担当、ビーワンちゃん。
佐鳥愛理と、ビーワンちゃんの2人は、赤坂帆波を守るように、後ろで構えていた。
恐らく、赤坂帆波が指示すれば、いつでも俺達を倒す気満々と言った様子だ。
「2人とも、攻撃したら……おやつの時間、一緒にしないから」
「「……!!?」」
赤坂帆波が言った瞬間、なんか2人とも、この世の終わりみたいな雰囲気をしてるんだけど……。
そしたら、2人とも黙っていた。
「うわっ、チョロいね……2人とも。
----っと、ごめんごめん。話を続けようか、冴島くん?」
「あ、あぁ」
どうして俺が、【三大堕落】の主と話しているかと言われれば、それは俺が彼女に連れられたからだ。
部屋の隅で、我関せずと言った様子で、こちらを見ながら座っているペストマスク少女。
冴島・D・エリカ----そう、彼女に案内されたのである。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ダンジョン試験で、レベルⅤの【召喚士】となった俺の前に現れたのは、贈呈された召喚獣。
----【三大堕落】所属と名乗る、悪魔----冴島・D・エリカ。
彼女は自己紹介をそこそこに、俺達を連れて、ここまでやって来たのだ。
そう、彼女達の主たる赤坂帆波の自宅にまで。
「まぁ、こういうアイデアで行きたいと思ってるんだけど……他になにか疑問はないかな? あるなら、ダンジョンの先駆者たるこの私が、なんでも解決してあげちゃうよ?」
「ある訳ない、っすよね? これ以上のアイデアがあるなら、自分で試してるっすから」
エリカの言葉は、まさしくその通りであった。
赤坂帆波の計画は、俺なんかじゃ思いつかない素晴らしい計画だったからだ。
----そう、ファイント……つまりは、地獄の主サタンを救う、素晴らしい計画。
「《ぴぃ……》」
一方で、納得できてない様子なのは、雪ん子。
ココアとマルガリータは未だに【独断専行】を覚えていないため、ダンジョン外でも活動できる彼女が、今の俺の護衛って所だ。
そんな護衛である彼女は、頬を大きく膨らませて、納得できないという感情を身体で表現している。
「え~っと? 冴島くん、その召喚獣が----なんでめちゃくちゃ睨んでくる事について、聞きたいんだけどね?
彼女をぬいぐるみ化から治したのは、一応この私なんだけどね?」
ぱちんっ、指を鳴らすと彼女の目の前のテーブルに、小さな兎が現れる。
角を生やした兎は目玉や足などがぬいぐるみで出来ており、その背中には一つ目の人形兵が跨っていた。
===== ===== =====
【パッチワーク兎】 合一召喚獣 レベル;ⅠーⅠ
2体以上の召喚獣を1体の召喚獣として魂を合わされた、合一召喚獣。基となった召喚獣は、レベルⅠ【つぎはぎ兵士】とレベルⅠ【一突きラビット】
兎としての跳躍性能はそのままに、そしてぬいぐるみとなった事で柔軟性と防御力の向上を果たした。また兵士として武技も嗜んでいるため、野性味溢れる武人の戦いを得意とする
===== ===== =====
「合一召喚獣、【パッチワーク兎】を出して、毛皮を回収し、君を治したのは私なんだけどね」
「ごめんな……うちの雪ん子、けっこう好戦的で」
「いや、懐いているなら結構だよ。うちの2人……というか、【三大堕落】はだいたい、私に懐いてるから、気持ちはよく分かるし」
そう言って、彼女は小さな兎、パッチワーク兎を指を鳴らして、消す。
「これがレベルⅣ以上の【召喚士】が召喚できる、合一召喚獣の一体、【パッチワーク兎】。
合一召喚獣とは、【融合召喚】の亜種だよ。融合とは違い、こっちはただ装備しているだけ、って感じだね」
----だから、すぐさま違う召喚獣を組み合わせる事が出来る。
そう言って、彼女が次に召喚したのは、【パッチワーク兎】。
しかし、先程と違うのは、乗っかっている兎がまるで別者な事だ。
===== ===== =====
【パッチワーク兎】 合一召喚獣 レベル;ⅠーⅡ
2体以上の召喚獣を1体の召喚獣として魂を合わされた、合一召喚獣。基となった召喚獣は、レベルⅠ【つぎはぎ兵士】とレベルⅠ【デッカーラビット】
兎としての跳躍性能はそのままに、そしてぬいぐるみとなった事で柔軟性と防御力の向上を果たした。また兵士として武技も嗜んでいるため、野性味溢れる武人の戦いを得意とする
===== ===== =====
乗っかっている兵士は、同じ。
しかし、跨る兎は先程の10倍はあろうかという、超巨大な太っちょな兎である。
「これで、同じ【パッチワーク兎】、なのか? 全く別種に見えるが……」
先程と同じ召喚獣とは、俺には丸っきり思えない。
こんなん、普通に別種でしょ。
絶対、同じ召喚獣では、ないでしょう……。
「【人形】系統かつ戦士系統の召喚獣、それに【兎】系統の召喚獣----この2体が合一召喚獣として生まれた姿が、【パッチワーク兎】という召喚獣だからね。
極論さえ言えば、兎の方をさっきの【一突きラビット】に戻して、【つぎはぎ兵士】をレベルⅧの【つぎはぎ大将軍】とすれば、人形の大将軍の肩に小さな兎がいるというのも出来るし、それでも名前は【パッチワーク兎】だよ?」
「確かに、これは【融合召喚】とはまた別だな……」
さらに言えば、レベルⅤとなった際に手に入れたスキル【主従同等】を使えば、さらに可能性は広がって来る。
【主従同等】は、自分よりもレベルが低い召喚獣のレベルを自分と合わせるスキルだからな。
レベルが低くても優秀なスキルを持つ召喚獣の性質だけを利用すれば、どんどん可能性は広がるな。
「まぁ、そんな優秀な私が君に頼むのは、あの地獄と化した世界に足を踏み入れられるのは、君達だけだからさ。あそこは強烈なる瘴気が漂っていて、常人では奥に辿り着く前に死んでしまう。遠くからの攻撃は、相手に届く前に、サタンが【究極殺害】というスキルで、殺害して無効化されてしまう」
----だから、君達にお願いする。
世界の平和のために、人類のこれからのために。
「冴島渉くん。世界の平和のために、あの世界に入ってダンジョン奥のサタンの元まで辿り着けるのは君だけさ。そう、召喚獣として彼女を召喚した、瘴気を受け付けない味方である君しか。
頼む、この世界を救う救世主となってくれ」
丁寧に、赤坂帆波は頭を下げて懇願してきたのであった。
(※)合一召喚獣
【召喚士】レベルⅣにて手に入れるスキル、【合一召喚】によって召喚できる召喚獣。2体以上の召喚獣を組み合わせ、合一という形で召喚する
基となった種族の組み合わせで名前が決定されるために、同じ名前であっても、基となる召喚獣によっては姿や性質が大きく違ってくる。また合一召喚獣として召喚された場合、特殊な技や性質を持つ場合もある
俺にそう問いかけるのは、【三大堕落】の主、赤坂帆波その人である。
セーラー服を着た普通の少女といった様子の彼女は、傍らに2人の【三大堕落】を連れている。
左後ろに、頭にシルクハットを被り、タキシード風の黒いロングコート。
白黒のドミノマスクを付けた、古き良き怪盗姿の少女。
----【三大堕落】の【文明】担当、佐鳥愛理。
右後ろに、修道服を着た、黄金の二丁拳銃を手にしている。
煙突を背負った、ボタン瞳の幼女。
----【三大堕落】の【どん底】担当、ビーワンちゃん。
佐鳥愛理と、ビーワンちゃんの2人は、赤坂帆波を守るように、後ろで構えていた。
恐らく、赤坂帆波が指示すれば、いつでも俺達を倒す気満々と言った様子だ。
「2人とも、攻撃したら……おやつの時間、一緒にしないから」
「「……!!?」」
赤坂帆波が言った瞬間、なんか2人とも、この世の終わりみたいな雰囲気をしてるんだけど……。
そしたら、2人とも黙っていた。
「うわっ、チョロいね……2人とも。
----っと、ごめんごめん。話を続けようか、冴島くん?」
「あ、あぁ」
どうして俺が、【三大堕落】の主と話しているかと言われれば、それは俺が彼女に連れられたからだ。
部屋の隅で、我関せずと言った様子で、こちらを見ながら座っているペストマスク少女。
冴島・D・エリカ----そう、彼女に案内されたのである。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ダンジョン試験で、レベルⅤの【召喚士】となった俺の前に現れたのは、贈呈された召喚獣。
----【三大堕落】所属と名乗る、悪魔----冴島・D・エリカ。
彼女は自己紹介をそこそこに、俺達を連れて、ここまでやって来たのだ。
そう、彼女達の主たる赤坂帆波の自宅にまで。
「まぁ、こういうアイデアで行きたいと思ってるんだけど……他になにか疑問はないかな? あるなら、ダンジョンの先駆者たるこの私が、なんでも解決してあげちゃうよ?」
「ある訳ない、っすよね? これ以上のアイデアがあるなら、自分で試してるっすから」
エリカの言葉は、まさしくその通りであった。
赤坂帆波の計画は、俺なんかじゃ思いつかない素晴らしい計画だったからだ。
----そう、ファイント……つまりは、地獄の主サタンを救う、素晴らしい計画。
「《ぴぃ……》」
一方で、納得できてない様子なのは、雪ん子。
ココアとマルガリータは未だに【独断専行】を覚えていないため、ダンジョン外でも活動できる彼女が、今の俺の護衛って所だ。
そんな護衛である彼女は、頬を大きく膨らませて、納得できないという感情を身体で表現している。
「え~っと? 冴島くん、その召喚獣が----なんでめちゃくちゃ睨んでくる事について、聞きたいんだけどね?
彼女をぬいぐるみ化から治したのは、一応この私なんだけどね?」
ぱちんっ、指を鳴らすと彼女の目の前のテーブルに、小さな兎が現れる。
角を生やした兎は目玉や足などがぬいぐるみで出来ており、その背中には一つ目の人形兵が跨っていた。
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【パッチワーク兎】 合一召喚獣 レベル;ⅠーⅠ
2体以上の召喚獣を1体の召喚獣として魂を合わされた、合一召喚獣。基となった召喚獣は、レベルⅠ【つぎはぎ兵士】とレベルⅠ【一突きラビット】
兎としての跳躍性能はそのままに、そしてぬいぐるみとなった事で柔軟性と防御力の向上を果たした。また兵士として武技も嗜んでいるため、野性味溢れる武人の戦いを得意とする
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「合一召喚獣、【パッチワーク兎】を出して、毛皮を回収し、君を治したのは私なんだけどね」
「ごめんな……うちの雪ん子、けっこう好戦的で」
「いや、懐いているなら結構だよ。うちの2人……というか、【三大堕落】はだいたい、私に懐いてるから、気持ちはよく分かるし」
そう言って、彼女は小さな兎、パッチワーク兎を指を鳴らして、消す。
「これがレベルⅣ以上の【召喚士】が召喚できる、合一召喚獣の一体、【パッチワーク兎】。
合一召喚獣とは、【融合召喚】の亜種だよ。融合とは違い、こっちはただ装備しているだけ、って感じだね」
----だから、すぐさま違う召喚獣を組み合わせる事が出来る。
そう言って、彼女が次に召喚したのは、【パッチワーク兎】。
しかし、先程と違うのは、乗っかっている兎がまるで別者な事だ。
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【パッチワーク兎】 合一召喚獣 レベル;ⅠーⅡ
2体以上の召喚獣を1体の召喚獣として魂を合わされた、合一召喚獣。基となった召喚獣は、レベルⅠ【つぎはぎ兵士】とレベルⅠ【デッカーラビット】
兎としての跳躍性能はそのままに、そしてぬいぐるみとなった事で柔軟性と防御力の向上を果たした。また兵士として武技も嗜んでいるため、野性味溢れる武人の戦いを得意とする
===== ===== =====
乗っかっている兵士は、同じ。
しかし、跨る兎は先程の10倍はあろうかという、超巨大な太っちょな兎である。
「これで、同じ【パッチワーク兎】、なのか? 全く別種に見えるが……」
先程と同じ召喚獣とは、俺には丸っきり思えない。
こんなん、普通に別種でしょ。
絶対、同じ召喚獣では、ないでしょう……。
「【人形】系統かつ戦士系統の召喚獣、それに【兎】系統の召喚獣----この2体が合一召喚獣として生まれた姿が、【パッチワーク兎】という召喚獣だからね。
極論さえ言えば、兎の方をさっきの【一突きラビット】に戻して、【つぎはぎ兵士】をレベルⅧの【つぎはぎ大将軍】とすれば、人形の大将軍の肩に小さな兎がいるというのも出来るし、それでも名前は【パッチワーク兎】だよ?」
「確かに、これは【融合召喚】とはまた別だな……」
さらに言えば、レベルⅤとなった際に手に入れたスキル【主従同等】を使えば、さらに可能性は広がって来る。
【主従同等】は、自分よりもレベルが低い召喚獣のレベルを自分と合わせるスキルだからな。
レベルが低くても優秀なスキルを持つ召喚獣の性質だけを利用すれば、どんどん可能性は広がるな。
「まぁ、そんな優秀な私が君に頼むのは、あの地獄と化した世界に足を踏み入れられるのは、君達だけだからさ。あそこは強烈なる瘴気が漂っていて、常人では奥に辿り着く前に死んでしまう。遠くからの攻撃は、相手に届く前に、サタンが【究極殺害】というスキルで、殺害して無効化されてしまう」
----だから、君達にお願いする。
世界の平和のために、人類のこれからのために。
「冴島渉くん。世界の平和のために、あの世界に入ってダンジョン奥のサタンの元まで辿り着けるのは君だけさ。そう、召喚獣として彼女を召喚した、瘴気を受け付けない味方である君しか。
頼む、この世界を救う救世主となってくれ」
丁寧に、赤坂帆波は頭を下げて懇願してきたのであった。
(※)合一召喚獣
【召喚士】レベルⅣにて手に入れるスキル、【合一召喚】によって召喚できる召喚獣。2体以上の召喚獣を組み合わせ、合一という形で召喚する
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