鑑定士(仮)の小話らしいですよ?

あてきち

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2017年 季節小話

新年挨拶 ヒビキ編

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「というわけで……」

「「「「明けましておめでとうございます(にゃ)!」」」」

「いや~、年が明けたよ、みんな! 物語上は日本もこっちも年明けはまだ先だけどね!」

「ヒビキ様の世界でも年明けは祝い事をなさるのですか?」

「勿論! 初詣に行って、親戚の家に挨拶回りして、みんなで遊ぶよ!」

「ハツモウデって、何? お兄ちゃん」

「神様のいる神社に参拝して新年の無事と平安をお願いするんだよ」

「それはいいにゃ! ご主人さまも魔神様にしっかりお祈りするにゃ!」

「ヴェネ様、ヒビキ様の場合は主神様に祈願なさるべきでは?」

「大丈夫、お世話になった神様全員にお祈りするから。その方がご利益貰えそう! 神様が実在する世界っていいよね。お願いするのも本気にやれるってもんだよ!」

「まあ、聞いてくれるかどうかは別だけどにゃ~」

「こっちの世界では新年はどうやって祝うの?」

「わたし、お祝い、したこと、ないよ? 貧乏だった、から」

「そうなの!? ……ク、クロードは?」

「私の故郷では新年は闘舞を神に捧げておりました。獣国は戦神様を敬う者が多かったので」

「闘舞って?」

「簡単に言えば組手のようなものです。決められた型に沿って闘いの舞を神に捧げます。一対一で行う場合もあれば一対多数で行うこともあります。私が勇者であった頃は一対多数でしたね。最終的に勇者が全ての者に打ち勝つという段取りでした」

「へえ、もぐもぐ。見てみたかったなぁ。もぐもぐ、格好いいんだろうな、クロードの闘舞」

「ご主人さま、それ美味しそうにゃ。ヴェネも食べたいにゃ。それ、何なのにゃ?」

「これ? みかんだよ? 甘くて美味しいよ?」

「ヒビキ様、そういえば先程から気になっていたのですが……」

「もぐもぐ。ん? 何?」

「その、ヒビキ様が足を入れている毛布の掛かった箱は一体……?」

「こたつのこと?」

「「「コタツ?」」」

「温かいよ。ぬくぬくだよ? 実は俺もこたつに入るのは初めてなんだ! いいよね、こたつ!」

「中が、赤く光ってる? 火魔法?」

「は~、全身ポカポカにゃ~」

「おお、こたつで丸くなるネコも初めて見た! やけどに気を付けてね。そういえばこの赤い光は温かく見せるための演出なんだって。火魔法じゃなくて電気だよ……コンセントはどこから……ううん、気にしない気にしない」

「あったかい、の~」

「リリアンもぬくぬくだね。俺もぬくぬくだし、ヴェネくんは……もう熟睡だね」

「ふー、お正月とこたつのコンボは危険だねぇ。ダメだと分かっていても眠っちゃいそうだよ」

「わたしも、眠いのぉ」

「ヒビキ様、大変気持ちよさそうですね……」

「うん、とっても~。……クロードもおいでよ? 気持ちいいよ~」

「いえ、その、私は……」

「クロさん、とっても温かくて、いい気持ちなの」

「そ、そうか。それはよかったな」

「クロードも入りなよ。温かいよ?」

「いえ、私はご遠慮致します……」

「ん~? 暑いからいやなの? こたつの温かさは夏の暑さとは違って気持ちいいよ?」

「いえ、そういうわけではなく……」

「クロさんも、コタツ、堪能するの」

「ん~、むにゃむにゃ。クロードもコタツに魅力に取りつかれるといいにゃ~」

「その、そうしたいのは山々なのですが……」

「どうかしたの?」

「どうかしたのにゃ~?」

「クロさん?」











「……………その、足が……入りません。その、小さすぎて」

「「「……あ」」」

 あとで主神様が大きなこたつを持ってきてくれました。
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