34 / 50
2017年 季節小話
新年挨拶 ヒビキ編
しおりを挟む
「というわけで……」
「「「「明けましておめでとうございます(にゃ)!」」」」
「いや~、年が明けたよ、みんな! 物語上は日本もこっちも年明けはまだ先だけどね!」
「ヒビキ様の世界でも年明けは祝い事をなさるのですか?」
「勿論! 初詣に行って、親戚の家に挨拶回りして、みんなで遊ぶよ!」
「ハツモウデって、何? お兄ちゃん」
「神様のいる神社に参拝して新年の無事と平安をお願いするんだよ」
「それはいいにゃ! ご主人さまも魔神様にしっかりお祈りするにゃ!」
「ヴェネ様、ヒビキ様の場合は主神様に祈願なさるべきでは?」
「大丈夫、お世話になった神様全員にお祈りするから。その方がご利益貰えそう! 神様が実在する世界っていいよね。お願いするのも本気にやれるってもんだよ!」
「まあ、聞いてくれるかどうかは別だけどにゃ~」
「こっちの世界では新年はどうやって祝うの?」
「わたし、お祝い、したこと、ないよ? 貧乏だった、から」
「そうなの!? ……ク、クロードは?」
「私の故郷では新年は闘舞を神に捧げておりました。獣国は戦神様を敬う者が多かったので」
「闘舞って?」
「簡単に言えば組手のようなものです。決められた型に沿って闘いの舞を神に捧げます。一対一で行う場合もあれば一対多数で行うこともあります。私が勇者であった頃は一対多数でしたね。最終的に勇者が全ての者に打ち勝つという段取りでした」
「へえ、もぐもぐ。見てみたかったなぁ。もぐもぐ、格好いいんだろうな、クロードの闘舞」
「ご主人さま、それ美味しそうにゃ。ヴェネも食べたいにゃ。それ、何なのにゃ?」
「これ? みかんだよ? 甘くて美味しいよ?」
「ヒビキ様、そういえば先程から気になっていたのですが……」
「もぐもぐ。ん? 何?」
「その、ヒビキ様が足を入れている毛布の掛かった箱は一体……?」
「こたつのこと?」
「「「コタツ?」」」
「温かいよ。ぬくぬくだよ? 実は俺もこたつに入るのは初めてなんだ! いいよね、こたつ!」
「中が、赤く光ってる? 火魔法?」
「は~、全身ポカポカにゃ~」
「おお、こたつで丸くなるネコも初めて見た! やけどに気を付けてね。そういえばこの赤い光は温かく見せるための演出なんだって。火魔法じゃなくて電気だよ……コンセントはどこから……ううん、気にしない気にしない」
「あったかい、の~」
「リリアンもぬくぬくだね。俺もぬくぬくだし、ヴェネくんは……もう熟睡だね」
「ふー、お正月とこたつのコンボは危険だねぇ。ダメだと分かっていても眠っちゃいそうだよ」
「わたしも、眠いのぉ」
「ヒビキ様、大変気持ちよさそうですね……」
「うん、とっても~。……クロードもおいでよ? 気持ちいいよ~」
「いえ、その、私は……」
「クロさん、とっても温かくて、いい気持ちなの」
「そ、そうか。それはよかったな」
「クロードも入りなよ。温かいよ?」
「いえ、私はご遠慮致します……」
「ん~? 暑いからいやなの? こたつの温かさは夏の暑さとは違って気持ちいいよ?」
「いえ、そういうわけではなく……」
「クロさんも、コタツ、堪能するの」
「ん~、むにゃむにゃ。クロードもコタツに魅力に取りつかれるといいにゃ~」
「その、そうしたいのは山々なのですが……」
「どうかしたの?」
「どうかしたのにゃ~?」
「クロさん?」
「……………その、足が……入りません。その、小さすぎて」
「「「……あ」」」
あとで主神様が大きなこたつを持ってきてくれました。
「「「「明けましておめでとうございます(にゃ)!」」」」
「いや~、年が明けたよ、みんな! 物語上は日本もこっちも年明けはまだ先だけどね!」
「ヒビキ様の世界でも年明けは祝い事をなさるのですか?」
「勿論! 初詣に行って、親戚の家に挨拶回りして、みんなで遊ぶよ!」
「ハツモウデって、何? お兄ちゃん」
「神様のいる神社に参拝して新年の無事と平安をお願いするんだよ」
「それはいいにゃ! ご主人さまも魔神様にしっかりお祈りするにゃ!」
「ヴェネ様、ヒビキ様の場合は主神様に祈願なさるべきでは?」
「大丈夫、お世話になった神様全員にお祈りするから。その方がご利益貰えそう! 神様が実在する世界っていいよね。お願いするのも本気にやれるってもんだよ!」
「まあ、聞いてくれるかどうかは別だけどにゃ~」
「こっちの世界では新年はどうやって祝うの?」
「わたし、お祝い、したこと、ないよ? 貧乏だった、から」
「そうなの!? ……ク、クロードは?」
「私の故郷では新年は闘舞を神に捧げておりました。獣国は戦神様を敬う者が多かったので」
「闘舞って?」
「簡単に言えば組手のようなものです。決められた型に沿って闘いの舞を神に捧げます。一対一で行う場合もあれば一対多数で行うこともあります。私が勇者であった頃は一対多数でしたね。最終的に勇者が全ての者に打ち勝つという段取りでした」
「へえ、もぐもぐ。見てみたかったなぁ。もぐもぐ、格好いいんだろうな、クロードの闘舞」
「ご主人さま、それ美味しそうにゃ。ヴェネも食べたいにゃ。それ、何なのにゃ?」
「これ? みかんだよ? 甘くて美味しいよ?」
「ヒビキ様、そういえば先程から気になっていたのですが……」
「もぐもぐ。ん? 何?」
「その、ヒビキ様が足を入れている毛布の掛かった箱は一体……?」
「こたつのこと?」
「「「コタツ?」」」
「温かいよ。ぬくぬくだよ? 実は俺もこたつに入るのは初めてなんだ! いいよね、こたつ!」
「中が、赤く光ってる? 火魔法?」
「は~、全身ポカポカにゃ~」
「おお、こたつで丸くなるネコも初めて見た! やけどに気を付けてね。そういえばこの赤い光は温かく見せるための演出なんだって。火魔法じゃなくて電気だよ……コンセントはどこから……ううん、気にしない気にしない」
「あったかい、の~」
「リリアンもぬくぬくだね。俺もぬくぬくだし、ヴェネくんは……もう熟睡だね」
「ふー、お正月とこたつのコンボは危険だねぇ。ダメだと分かっていても眠っちゃいそうだよ」
「わたしも、眠いのぉ」
「ヒビキ様、大変気持ちよさそうですね……」
「うん、とっても~。……クロードもおいでよ? 気持ちいいよ~」
「いえ、その、私は……」
「クロさん、とっても温かくて、いい気持ちなの」
「そ、そうか。それはよかったな」
「クロードも入りなよ。温かいよ?」
「いえ、私はご遠慮致します……」
「ん~? 暑いからいやなの? こたつの温かさは夏の暑さとは違って気持ちいいよ?」
「いえ、そういうわけではなく……」
「クロさんも、コタツ、堪能するの」
「ん~、むにゃむにゃ。クロードもコタツに魅力に取りつかれるといいにゃ~」
「その、そうしたいのは山々なのですが……」
「どうかしたの?」
「どうかしたのにゃ~?」
「クロさん?」
「……………その、足が……入りません。その、小さすぎて」
「「「……あ」」」
あとで主神様が大きなこたつを持ってきてくれました。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
魔力ゼロで出来損ないと追放された俺、前世の物理学知識を魔法代わりに使ったら、天才ドワーフや魔王に懐かれて最強になっていた
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は我が家の恥だ」――。
名門貴族の三男アレンは、魔力を持たずに生まれたというだけで家族に虐げられ、18歳の誕生日にすべてを奪われ追放された。
絶望の中、彼が死の淵で思い出したのは、物理学者として生きた前世の記憶。そして覚醒したのは、魔法とは全く異なる、世界の理そのものを操る力――【概念置換(コンセプト・シフト)】。
運動エネルギーの法則【E = 1/2mv²】で、小石は音速の弾丸と化す。
熱力学第二法則で、敵軍は絶対零度の世界に沈む。
そして、相対性理論【E = mc²】は、神をも打ち砕く一撃となる。
これは、魔力ゼロの少年が、科学という名の「本当の魔法」で理不尽な運命を覆し、心優しき仲間たちと共に、偽りの正義に支配された世界の真実を解き明かす物語。
「君の信じる常識は、本当に正しいのか?」
知的好奇心が、あなたの胸を熱くする。新時代のサイエンス・ファンタジーが、今、幕を開ける。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる