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2018年 脱稿小話
脱稿小話『3月11日は……あれ?』
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◆◇◆2018年3月11日 本編にて掲載した小話の転載です。
★登場人物 ヒビキ・クロード
「さて、本日は一体何の日で……おや? ヒビキ様? ヒビキ様?」
「大変だよ、クロード!」
「そちらにいらっしゃいましたか。ところで何が大変なのですか?」
「今日、記念日らしい記念日が見つからないんだ!」
「そんなバカな。ヒビキ様の故郷はゴロ合わせが大好きな民族ではありませんか。本日は3月11日ですから、数字の3、1、1を使って適当な記念日があるはずです」
「俺もそう思ったけど、大したものが見当たらないんだ」
「少々お待ちください。3、1、1ですから……えーと……『さんいちいち』『みいい』『さいいち』……ふむ、なかなかいいゴロが思い浮かびませんね」
「そうなんだ。調べてみてもそれらしいものがないから自分で作ろうと思ったんだけど、上手く作れなくて」
「まさか、本日の更新がいつもより遅かったのは」
「だって、いいネタがなかったんだもん!」
「ネタとか言っちゃダメです、ヒビキ様。それに、毎日毎日小話ばかりやっているからこうなるのです。そろそろ本編に戻るべきです」
「俺に言われても。そろそろ再開されると思うんだけど、少なくとも今日は小話で繋がないといけないし……」
「そうですねぇ、記念日は全くないのですか?」
「……最近、3月11日というと記念日というよりは追悼式のイメージが大きいと思う」
「何かあったのですか?」
「うん、とてもつらいことがね。まあ、この世界には関係のないことだからあまり深くは聞かないでくれると助かる」
「承知いたしました。しかし、本当に記念日は何もないのでしょうか」
「うーん、あるとすれば……『パンダの日』?」
「『ぱんだ』ですか?」
「動物の名前だよ。俺の故郷のお隣の国に生息している動物なんだけど」
「動物の記念日ですか。どのような由来が?」
「『ジャイアントパンダ』が発見された日と言われているんだ。もちろん隣国ではそれよりも前から知られていたんだけど、欧米でジャイアントパンダが知られるきっかけになった日と言われているらしい」
「希少な動物なのですか?」
「隣国の一部の地域にしか生息していないからね。今は絶滅危惧種リストから外れたみたいだけど、それでも保護が必要な希少動物であることには変わらないかな。動物園の花形だしね」
「希少な動物の存在が広く知られるきっかけとなった日というわけですね。十分に記念日では?」
「うーん、でもこれ、あくまで俺の故郷で独自に言われているだけで、隣国では特に言及されていないみたいなんだよ。学術的に正確な話じゃないから非公認の記念日だね」
「一度見てみたいものですね」
「じゃじゃーん。俺のスマホにこの前動物園に行った時に撮ったパンダの画像があるよ」
「ほお、これがパンダですか。何というか、寸胴でのろそうです」
「そこが可愛いんじゃないか。もちろん近づいたらガオーだけど」
「見た目によらず狂暴なのですか?」
「動物園でも時々襲われることがあるらしいよ」
「……あのような短足の動物に襲われる? あの程度、私なら瞬殺です」
「殺しちゃダメだよ!? 希少種だって言ったでしょ」
「襲われても殺してはダメなのですか? 理不尽です」
「そういうものなの」
「承知いたしました。……ところでヒビキ様」
「何?」
「私は詳しくは存じませんが、確か『スマホ』というのは電池切れで使用できない設定では?」
「……今さらその設定を蒸し返すの?」
★登場人物 ヒビキ・クロード
「さて、本日は一体何の日で……おや? ヒビキ様? ヒビキ様?」
「大変だよ、クロード!」
「そちらにいらっしゃいましたか。ところで何が大変なのですか?」
「今日、記念日らしい記念日が見つからないんだ!」
「そんなバカな。ヒビキ様の故郷はゴロ合わせが大好きな民族ではありませんか。本日は3月11日ですから、数字の3、1、1を使って適当な記念日があるはずです」
「俺もそう思ったけど、大したものが見当たらないんだ」
「少々お待ちください。3、1、1ですから……えーと……『さんいちいち』『みいい』『さいいち』……ふむ、なかなかいいゴロが思い浮かびませんね」
「そうなんだ。調べてみてもそれらしいものがないから自分で作ろうと思ったんだけど、上手く作れなくて」
「まさか、本日の更新がいつもより遅かったのは」
「だって、いいネタがなかったんだもん!」
「ネタとか言っちゃダメです、ヒビキ様。それに、毎日毎日小話ばかりやっているからこうなるのです。そろそろ本編に戻るべきです」
「俺に言われても。そろそろ再開されると思うんだけど、少なくとも今日は小話で繋がないといけないし……」
「そうですねぇ、記念日は全くないのですか?」
「……最近、3月11日というと記念日というよりは追悼式のイメージが大きいと思う」
「何かあったのですか?」
「うん、とてもつらいことがね。まあ、この世界には関係のないことだからあまり深くは聞かないでくれると助かる」
「承知いたしました。しかし、本当に記念日は何もないのでしょうか」
「うーん、あるとすれば……『パンダの日』?」
「『ぱんだ』ですか?」
「動物の名前だよ。俺の故郷のお隣の国に生息している動物なんだけど」
「動物の記念日ですか。どのような由来が?」
「『ジャイアントパンダ』が発見された日と言われているんだ。もちろん隣国ではそれよりも前から知られていたんだけど、欧米でジャイアントパンダが知られるきっかけになった日と言われているらしい」
「希少な動物なのですか?」
「隣国の一部の地域にしか生息していないからね。今は絶滅危惧種リストから外れたみたいだけど、それでも保護が必要な希少動物であることには変わらないかな。動物園の花形だしね」
「希少な動物の存在が広く知られるきっかけとなった日というわけですね。十分に記念日では?」
「うーん、でもこれ、あくまで俺の故郷で独自に言われているだけで、隣国では特に言及されていないみたいなんだよ。学術的に正確な話じゃないから非公認の記念日だね」
「一度見てみたいものですね」
「じゃじゃーん。俺のスマホにこの前動物園に行った時に撮ったパンダの画像があるよ」
「ほお、これがパンダですか。何というか、寸胴でのろそうです」
「そこが可愛いんじゃないか。もちろん近づいたらガオーだけど」
「見た目によらず狂暴なのですか?」
「動物園でも時々襲われることがあるらしいよ」
「……あのような短足の動物に襲われる? あの程度、私なら瞬殺です」
「殺しちゃダメだよ!? 希少種だって言ったでしょ」
「襲われても殺してはダメなのですか? 理不尽です」
「そういうものなの」
「承知いたしました。……ところでヒビキ様」
「何?」
「私は詳しくは存じませんが、確か『スマホ』というのは電池切れで使用できない設定では?」
「……今さらその設定を蒸し返すの?」
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