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1巻
1-15
【技能スキル『魔導書』がレベルアップ条件を達成しました】
【達成条件①魔導書に魔法を登録する……クリア】
【達成条件②魔導士系統職者を仲間にする……クリア】
【達成条件③魔導士系統職者に尊敬される……クリア】
【達成条件④魔導士系統職者がMP300以上を保有……クリア】
【なお、達成条件②・③はスキル所持者が魔導士系統職者であれば不要】
【技能スキル『魔導書』のレベルが上がりました。レベル0→レベル1】
えーと、何だかよく分からないけど、『魔導書』が解禁された!
そういえばいろいろあって『魔導書』を検索するの忘れてたな。
どんなスキルなんだろう?
【技能スキル『辞書レベル2』を行使します。
技能スキル『魔導書』希少ランクAA
この世界のあらゆる魔法、魔法体系に関する知識・技術を修学することができるスキル。レベルが上がるほど、閲覧できる知識量は広く、深くなっていく。
スキル所持者が認識した魔法は自動的に魔導書に登録され、指定された量のSPを消費することで修学過程をスキップして魔法を習得することも可能となる。このスキルは原則、魔導士系統職の者でなければ使用しても効果がない。スキル所持者の仲間に魔導士系統職がいれば、その者にもスキル効果を共有させることができる。
『俺、主人公最強のご都合主義のラノベって読みはするけど好きじゃないんだよね。だって、あれってリアリティーが無くて共感できないっつーか、冒頭から主人公が人殺しに抵抗ないのとかあるけど、現代日本人がそんなこと簡単にできるわけないのにいくら物語だからって都合よくしすぎだと思うわけよ! ただあの主人公ハーレム物はご都合主義でも仕方ないと思うんだよね。可愛い子と仲良くなりたい男の心理は誰もが共感できる唯一無二の……』
長々と小説の感想を言っていた、親友の言葉が頭に浮かんできた。
『ご都合主義』……神様、都合よすぎませんか?
「ヒビキ様、どうかなさいましたか?」
「え? ああ、ごめん。大丈夫だよ」
少しの間ボーっとしていたらしくクロードとリリアンが心配してくれた。
「ご主人さま、大丈夫?」
「うん、リリアン。大丈夫だよ。新しいスキルが使えるようになったから内容を確認してたんだ」
「新しいスキル? いつの間に『鑑定』を使ったのですか?」
「え? スキルが使えるようになって声が聞こえたからだよ?」
「声?」
「うん、声」
「…………」
なぜかクロードが黙りこくってしまった。
「クロード、どうかしたの?」
「……ヒビキ様、まさか『チュートリアル』なるスキルをお持ちなんてことは……」
「え、なんで知ってるの?」
「!? では『異世界の漂流者』の称号を……」
「持ってるよ? どうして分かったの!?」
クロードは今日何度目かの驚愕の表情で、俺を見つめた。
それにしてもどうして俺のスキルと称号が分かったんだろう?
いや『チュートリアル』のことを知ってたんだから、称号も知っていても不思議じゃないか。
そういえば、この世界では異世界人ってどんな扱いなんだろう。
どうしよう、異世界人が忌避の対象とかだったら。
クロードは俺の騎士を辞めちゃうのかな……どうしよう、心配になってきた。
「ク、クロード……?」
未だに驚いた顔をしていたクロードに恐る恐る声を掛けた。
「俺が異世界人だと、騎士、辞めちゃう?」
「!? な、何を仰るのですか、ヒビキ様! 辞めません! 絶対に辞めません!」
「そうなんだ、良かった。固まっちゃったから、俺が異世界人だとダメなのかと思った」
「!? 申し訳ございません! ただ驚いただけなのです。ヒビキ様、あなたが異世界からの転移者であっても私の忠誠心は決して変わりません!」
クロードはバッと跪いて俺にそう言ってくれた。
俺はよかったと、安堵の息をついた。
隣でリリアンが、今日で何度目かの「よく分からない」という顔をしていた。
俺はクロードとリリアンに、これまでの経緯を説明した。クロードは俺が『メイズイーターの草原』にいたことを知って本当に驚き、無事だったことを喜んでくれた。
残念ながらリリアンには少し難しかったようだ。そもそも異世界という概念が分からず、頭上にはクエスチョンマークが浮かび続けていた。
「ごめん、なさい、ご主人さま。わたし、よく、わからない」
「いいんだよ、リリアン。気にしないで」
「リリアン、これだけ理解しておきなさい。ヒビキ様は物凄く遠いところからいらっしゃり、私達をお救いくださった。今はこれだけ分かればいい」
「うん、クロさん、それなら、わたしも分かる!」
「ああ、ヒビキ様への感謝の気持ちを忘れずにな」
「うん!」
なんか、種族は違うけど親子のようで微笑ましいなぁ。
「それで、クロードはどうして俺が異世界人だって分かったの?」
これはしっかり聞いておかないと。
俺としてはあまり異世界人だということは知られたくない。クロードは特に気にしていなかったけど、どこの世界にも異端者は差別の対象になりえるんだから。
「ヒビキ様が『声』を聞いたと仰ったからです」
「え? それがどうして……」
「ヒビキ様はこちらに来てからずっと『声』を聞いていたので、お分かりにならなかったのですね。私達の世界では、レベルアップやスキルを習得しても『声』が聞こえるということはありません」
「そうなの!? てっきりこの世界ではそれが当たり前なのかと。でも他の人達はどうやってレベルアップしたかやスキルを習得したかを知るの?」
「信頼できる鑑定士に確認してもらったり、大きな街に設置されている、公共の鑑定石で自身のステータスを確認するのです。ローウェルほどの街であれば、冒険者ギルドにも詳細なステータスを確認できる鑑定石があるかもしれません。どの国も王都にはそれくらいの鑑定石があるでしょう」
「そうだったんだ。じゃあ、この『声』って、何?」
「神のスキル『チュートリアル』の力です」
「神のスキル?」
「『チュートリアル』とは、神が選定したただ一人の者に与えられる奇跡のスキルです。神がその大いなる力でもって運命を守り、霊験あらたかな声を送り未来へ導くと聞き及んでおります」
そんな大それたスキルだったの!?
(あははは、大げさー! ちょっと誇張されちゃってるね)
「よかった、そこまで大それたものじゃないんだね」
(まあ、『チュートリアル』に力の三分の一くらい使っちゃって、グロッキーだけど~)
「十分大それた力だった!」
「ヒ、ヒビキ様!?」
おっといけない。急に話しかけてきた神様の方に意識が向いちゃった。
「ごめんごめん。急に神様が語り掛けてきたもんだから」
「やはりヒビキ様は偉大なお方だったのですね。神がそれほどまで目をお掛けになるのですから」
うーん。どっちかっていうと、目を掛けられているのはクロードとリリアンだと思う。
俺がもらったスキルは、どれもこれも二人を助けるために用意されたスキルっぽいし。
「じゃあ今後、人前で『声』に反応しないようにしないといけないね」
「その方がよろしいでしょう。神と直接繋がっているなどということが教会に知られれば厄介です。『チュートリアル』を持つということは、ヒビキ様に繋がっている神はおそらく偉大なる『主神様』です。絶対に主神教会が黙っていないでしょう」
「主神?」
『主神』『主神教会』。また知らない言葉が出てきた。
「この世界には神々は全部で十一人いるとされております。主神様は第一位の神にあたり、『チュートリアル』と『識者の眼』は主神様がお与えになる加護です」
クロードによると神様は十一人。
第一位「神々の頂点 主神」
第二位「魂の管理者 冥神」
第三位「命の守護者 医神」
第四位「魔導の原初 魔神」
第五位「大地の恩恵 地神」
第六位「蒼海の聖母 海神」
第七位「天空の黒翼 天神」
第八位「暁の戦乙女 戦神」
第九位「至上の美姫 美神」
第十位「善意の使徒 善神」
第十一位「悪意の権化 邪神」
この序列は神の名を告げる順番であって、主神以外の序列はあってないようなものらしい。
神様に固有の名前は無く、みんな「〇神」と呼ばれているんだとか。
そして、世界中にそれぞれの神を祀る教会があって、俺に話しかけてくる『主神』を崇めているのが『主神教会』だそうだ。
神様は主神様なの?
(そだよー。崇め奉ってね!)
「……神様は主神様で間違いないってさ」
「偉大なる主神様の加護をお受けになっているのは、おそらくヒビキ様だけです。そのようなお方に騎士としてお仕えでき、私は幸せ者です!」
「わたし、も、しあわせ、です!」
そう言われると何だか照れちゃうな。ただ、ちょっと気になることがあるんだけど……。
「クロード、主神様の加護はおそらく俺だけって言ったけど、リリアンにある『神域の暴流』ってスキルは主神様からの加護じゃないの?」
どうなの神様?
(…………)
返事がない。どうしたの、主神様?
「初めて聞くスキルです。どういったスキルなのですか?」
「ご主人さま、わたし、なにかあるの?」
俺は二人に、リリアンの持つ固有スキル『神域の暴流』について説明した。
『神域の暴流』はリリアンに暴走するほどのMPと魔法攻撃力を与える、神による試練のスキルだと『辞書』に記載されていた。実際、主神様もそう言っていたし。
スキルの内容を聞いてリリアンは青ざめてしまった。どうもこの力のせいで家族にも恐れられ、借金のかたにされる際、何人も兄弟姉妹がいる中で迷わず自分が選ばれたそうだ。
この件だけは主神様にしっかり文句を言ってやりたい。
俺の説明を聞いたクロードはしばらく考えて、意見を聞かせてくれた。
「『魔神様』の加護ではないかと思います。『神域の暴流』は魔導に関するスキルのようですし」
確かにリリアンは将来賢者になるわけだし、スキルの内容としても魔導に関するものだから、『魔神様』が与えた加護と考えて間違いないと思うんだけど。
でも……なんだか……主神様が怪しい。
(ぎくっ!)
初めてリリアンを『鑑定』した時、『神域の暴流』について、確か神様は『賢者に与えし試練だよー。仕方ないよー』と言っていた。この加護をよく知っているっぽい。
だから俺は、このスキルも主神様が与えたものだとばかり思っていたんだ。
けれど本当の管轄は魔神様だとすると……よし、試してみよう。
「リリアン、ちょっとこっちに来て」
クロードの隣にいたリリアンを呼んで、俺の正面に来てもらった。
「ご主人さま、なに?」
未だショックを受けたままのリリアンは、伏し目がちで俺の前にチョコンと座った。
可哀相に。変な試練さえなければ、もしかしたら家族と仲良く暮らしていたかもしれないのに。
「リリアンに試してみたいことがあるんだ」
『神域の暴流』は、まだ幼いリリアンとってあまりに理不尽で不当なものに感じた。
正式に魔神様がそのスキルを与えたのならダメかもしれないけど、あの軽くていい加減感いっぱいの主神様が関わっているのなら、あるいは……。
【技能スキル『救済措置レベル1』を行使します】
俺の前に立つリリアンに手をかざして『救済措置』を使用した。
【救済対象者を査定します。しばらくお待ちください】
『救済措置』がリリアンを査定し始めたけど、結構時間が掛かっている。クロードの時はもっと早かったんだけどな。
数分間、俺はリリアンに手をかざしたままだった。まだ結果が出ない。
「ヒビキ様、何をなさっておいでなのですか?」
俺の様子を訝しがって、クロードが尋ねてきた。
「今『救済措置』でリリアンの『神域の暴流』をどうにかできないか試してるんだけど、まだ救済可能かどうか結果が出ないんだ」
「ご主人さま、どうにか、できるの?」
「そうです、ヒビキ様。神が与えたスキルなのに『救済』というのはいささか問題があるように感じるのですが」
「だけど、このスキルはせめてリリアンが賢者になってからでもよかったと思わない? それくらいデタラメなスキルだと思うんだ。十歳の少女に背負わせるには荷が重いよ」
リリアンの境遇を知るクロードも納得するしかなかった。
《……いうこ……れ?》
…………
…………
…………
(ちが……れは……で……!)
…………
…………
…………
(いた……! ……るして……るかったか……!)
…………
…………
《だれが……すか! はん……ろ!》
何だろう。『救済措置』の査定中に変な雑音が入るんだけど? 誰かと誰かの会話のようにも聞こえる。音飛びが酷すぎてよく聞こえないな。
一人は主神様の声のような気がするんだけど。
【救済対象者の査定が完了しました】
やっと終わった。まさか査定に三十分も掛かるとは思わなかったよ。
「ごめんね、リリアン。今、査定が終わったよ」
【査定の結果、対象者に不当なスキル『神域の暴流』を確認しました】
【このスキルは正式な担当者『魔神』が付与したものではありません】
【詳細調査の結果、対象者にスキルを付与したのは『主神』と判明しました】
「うわ、マジか……」
『救済措置』の査定結果を二人に教えた。二人とも呆気にとられた顔をしている。
あの神様、本当に何やってるの!?
でも不当なスキルってことなら救済できるよね? 救済開始!
【救済措置として『神域の暴流』の除去が試行されましたが失敗しました】
【すでに魂に癒着しており、除去するにはスキルレベルが不足しています】
マジか!? どうするのこれ、救済不可とか言わないでよ!?
《ごめんなさいね。一度与えたスキルは神でも簡単には取り除けないのよ》
突然、頭の中に声が聞こえた。主神様じゃない、知らない声だ。
大人っぽくてとても色っぽい。スタイルのいい美人のお姉さんって感じだ。
ちなみにいつも聞こえる主神様は、二十代前半くらいのチャラいお兄さん声。
《私は『魔神』よ。その子には本当に申し訳ないことをしてしまったわ。『主神』に代わって謝罪するわ。ごめんなさいね》
「どうされました、ヒビキ様。『救済措置』はできましたか?」
「なんか、『救済措置』が失敗して、魔神様が話し掛けてきたんだけど……」
ああ、また二人とも固まっちゃった。
神様がそうポンポン出て来るなんて、常識外れすぎるでしょうよ。
もちろん俺の世界でもありえないんだから、少しは自重してください!
《ごめんなさい。それで『救済』の件なんだけど、さっき言った通り除去は無理よ。もう完全に魂に馴染んじゃってるの》
それじゃあどうにもならないんですか!? そんなのリリアンが可哀相すぎる。
《大丈夫よ、代替案を考えたわ。幸いあなたは私のスキル『魔導書』を持っている。このスキルを媒体にして私の力の一部を送りましょう》
えーと、具体的にどうなるんですか、それ?
《『魔導書』を通して、『神域の暴流』の管理権限を一部あなたに貸してあげる。彼女のMPと魔法攻撃力の数値を調整できるってことね》
こっちに都合が良すぎる気がするけどいいんですか?
《魔法は物事を円滑に都合よく進めるための力よ。何事も楽にできた方がいいもの。今回はそうした方が、あなたにとっても私にとっても都合が良かったってことね》
分かったような分からないような。でも今は、こちらとしても都合が良いです。
《今回は特例よ。まさか主神が私の知らない間に賢者を見つけて、こっそりあのスキルを付与していたなんて。主神の独断もだけど、それを把握していなかった私の責任でもあるわ。少女の運命を勝手に弄ったんですもの。せめてフォローくらいしないとね》
ありがとうございます、魔神様!
《さっきも言ったけど特例よ。いつも助けてあげるわけじゃないから、勘違いしないでね。語り掛けも結構神の力を使うから大変なのよ》
はい、分かりました。肝に銘じます!
《よろしい。じゃ、あとは任せるわ。『魔導書』を行使すれば、管理システムが自動的に起動するから大丈夫よ。私はまだお仕置きが残っているからもう行くわね》
(ゆ、ゆるして! 魔神ちゃん! もう限界だよおおおおおお!)
《許すわけないでしょ……ちょっと『冥神』ちゃーん。この前造ったっていう、特製のアイアンメイデンあったでしょ? あれ、ちょっと貸してちょうだい》
(いやいやいや! ダメ、ダメ! あれはダメ! マジ死ぬ、マジ死ぬから!)
《ええ、一度死になさい。生まれ変わって今度は真面目な主神様になってね》
(やめて、やめて! いやああああ! マジ死ぬって! ……ぎゃあああああああ!)
……南無、主神様。
『サポちゃんより報告。固有スキル『識者の眼』『チュートリアル』がオフラインになりました。サポちゃんより以上』
えーと、マジでご臨終ですか? サポちゃん、オフラインってどういう状態?
『サポちゃんより報告。『識者の眼』は一時機能停止。『チュートリアル』は一時運命制御停止状態です。サポちゃんは現存情報からのみサポートが可能です。サポちゃんより以上』
何かインターネットみたいなシステムだな。
この固有スキルは常に主神様と繋がっていないと使えないスキルってことか。
サポちゃんだけは、更新できないけどある程度使えると。
主神様、本当に死んじゃったのかな。いやいや、多分魔神様の冗談で、しばらくすれば復旧するでしょ。……二人には言わないでおこう。無駄に心配させたくない。
「二人とも大丈夫?」
俺が固まったままの二人に声を掛けると、クロード達はやっと再起動した。
「ヒビキ様、魔神様はなんと?」
「えーとね、主神様が迷惑かけたからなんとかしてくれるって言ってた」
「ご主人さま、わたし、あぶないの、取れるの?」
「取れはしないけど安全になるよ。『魔導書』ってスキルで、『神域の暴流』を制御できるように魔神様がしてくれたんだ」
「おお! なんと慈悲深い! 魔神様は魔導士に大変お優しい神だと聞いておりましたが、ここまでしてくださるとは」
「そ、そうだね」
確かに魔導士には優しかったね。主神様にはアレだけど。
「じゃあさっそく試してみよう。『魔導書』発動!」
【技能スキル『魔導書レベル1』を行使します】
ポン!
「うわ!」
「きゃっ!」
「何だ!」
スキルを発動させたら、目の前で何かが弾けて小さな煙が立ち上った。
その煙の中から白い物が落ちて、地面をコロコロと転がる。
【達成条件①魔導書に魔法を登録する……クリア】
【達成条件②魔導士系統職者を仲間にする……クリア】
【達成条件③魔導士系統職者に尊敬される……クリア】
【達成条件④魔導士系統職者がMP300以上を保有……クリア】
【なお、達成条件②・③はスキル所持者が魔導士系統職者であれば不要】
【技能スキル『魔導書』のレベルが上がりました。レベル0→レベル1】
えーと、何だかよく分からないけど、『魔導書』が解禁された!
そういえばいろいろあって『魔導書』を検索するの忘れてたな。
どんなスキルなんだろう?
【技能スキル『辞書レベル2』を行使します。
技能スキル『魔導書』希少ランクAA
この世界のあらゆる魔法、魔法体系に関する知識・技術を修学することができるスキル。レベルが上がるほど、閲覧できる知識量は広く、深くなっていく。
スキル所持者が認識した魔法は自動的に魔導書に登録され、指定された量のSPを消費することで修学過程をスキップして魔法を習得することも可能となる。このスキルは原則、魔導士系統職の者でなければ使用しても効果がない。スキル所持者の仲間に魔導士系統職がいれば、その者にもスキル効果を共有させることができる。
『俺、主人公最強のご都合主義のラノベって読みはするけど好きじゃないんだよね。だって、あれってリアリティーが無くて共感できないっつーか、冒頭から主人公が人殺しに抵抗ないのとかあるけど、現代日本人がそんなこと簡単にできるわけないのにいくら物語だからって都合よくしすぎだと思うわけよ! ただあの主人公ハーレム物はご都合主義でも仕方ないと思うんだよね。可愛い子と仲良くなりたい男の心理は誰もが共感できる唯一無二の……』
長々と小説の感想を言っていた、親友の言葉が頭に浮かんできた。
『ご都合主義』……神様、都合よすぎませんか?
「ヒビキ様、どうかなさいましたか?」
「え? ああ、ごめん。大丈夫だよ」
少しの間ボーっとしていたらしくクロードとリリアンが心配してくれた。
「ご主人さま、大丈夫?」
「うん、リリアン。大丈夫だよ。新しいスキルが使えるようになったから内容を確認してたんだ」
「新しいスキル? いつの間に『鑑定』を使ったのですか?」
「え? スキルが使えるようになって声が聞こえたからだよ?」
「声?」
「うん、声」
「…………」
なぜかクロードが黙りこくってしまった。
「クロード、どうかしたの?」
「……ヒビキ様、まさか『チュートリアル』なるスキルをお持ちなんてことは……」
「え、なんで知ってるの?」
「!? では『異世界の漂流者』の称号を……」
「持ってるよ? どうして分かったの!?」
クロードは今日何度目かの驚愕の表情で、俺を見つめた。
それにしてもどうして俺のスキルと称号が分かったんだろう?
いや『チュートリアル』のことを知ってたんだから、称号も知っていても不思議じゃないか。
そういえば、この世界では異世界人ってどんな扱いなんだろう。
どうしよう、異世界人が忌避の対象とかだったら。
クロードは俺の騎士を辞めちゃうのかな……どうしよう、心配になってきた。
「ク、クロード……?」
未だに驚いた顔をしていたクロードに恐る恐る声を掛けた。
「俺が異世界人だと、騎士、辞めちゃう?」
「!? な、何を仰るのですか、ヒビキ様! 辞めません! 絶対に辞めません!」
「そうなんだ、良かった。固まっちゃったから、俺が異世界人だとダメなのかと思った」
「!? 申し訳ございません! ただ驚いただけなのです。ヒビキ様、あなたが異世界からの転移者であっても私の忠誠心は決して変わりません!」
クロードはバッと跪いて俺にそう言ってくれた。
俺はよかったと、安堵の息をついた。
隣でリリアンが、今日で何度目かの「よく分からない」という顔をしていた。
俺はクロードとリリアンに、これまでの経緯を説明した。クロードは俺が『メイズイーターの草原』にいたことを知って本当に驚き、無事だったことを喜んでくれた。
残念ながらリリアンには少し難しかったようだ。そもそも異世界という概念が分からず、頭上にはクエスチョンマークが浮かび続けていた。
「ごめん、なさい、ご主人さま。わたし、よく、わからない」
「いいんだよ、リリアン。気にしないで」
「リリアン、これだけ理解しておきなさい。ヒビキ様は物凄く遠いところからいらっしゃり、私達をお救いくださった。今はこれだけ分かればいい」
「うん、クロさん、それなら、わたしも分かる!」
「ああ、ヒビキ様への感謝の気持ちを忘れずにな」
「うん!」
なんか、種族は違うけど親子のようで微笑ましいなぁ。
「それで、クロードはどうして俺が異世界人だって分かったの?」
これはしっかり聞いておかないと。
俺としてはあまり異世界人だということは知られたくない。クロードは特に気にしていなかったけど、どこの世界にも異端者は差別の対象になりえるんだから。
「ヒビキ様が『声』を聞いたと仰ったからです」
「え? それがどうして……」
「ヒビキ様はこちらに来てからずっと『声』を聞いていたので、お分かりにならなかったのですね。私達の世界では、レベルアップやスキルを習得しても『声』が聞こえるということはありません」
「そうなの!? てっきりこの世界ではそれが当たり前なのかと。でも他の人達はどうやってレベルアップしたかやスキルを習得したかを知るの?」
「信頼できる鑑定士に確認してもらったり、大きな街に設置されている、公共の鑑定石で自身のステータスを確認するのです。ローウェルほどの街であれば、冒険者ギルドにも詳細なステータスを確認できる鑑定石があるかもしれません。どの国も王都にはそれくらいの鑑定石があるでしょう」
「そうだったんだ。じゃあ、この『声』って、何?」
「神のスキル『チュートリアル』の力です」
「神のスキル?」
「『チュートリアル』とは、神が選定したただ一人の者に与えられる奇跡のスキルです。神がその大いなる力でもって運命を守り、霊験あらたかな声を送り未来へ導くと聞き及んでおります」
そんな大それたスキルだったの!?
(あははは、大げさー! ちょっと誇張されちゃってるね)
「よかった、そこまで大それたものじゃないんだね」
(まあ、『チュートリアル』に力の三分の一くらい使っちゃって、グロッキーだけど~)
「十分大それた力だった!」
「ヒ、ヒビキ様!?」
おっといけない。急に話しかけてきた神様の方に意識が向いちゃった。
「ごめんごめん。急に神様が語り掛けてきたもんだから」
「やはりヒビキ様は偉大なお方だったのですね。神がそれほどまで目をお掛けになるのですから」
うーん。どっちかっていうと、目を掛けられているのはクロードとリリアンだと思う。
俺がもらったスキルは、どれもこれも二人を助けるために用意されたスキルっぽいし。
「じゃあ今後、人前で『声』に反応しないようにしないといけないね」
「その方がよろしいでしょう。神と直接繋がっているなどということが教会に知られれば厄介です。『チュートリアル』を持つということは、ヒビキ様に繋がっている神はおそらく偉大なる『主神様』です。絶対に主神教会が黙っていないでしょう」
「主神?」
『主神』『主神教会』。また知らない言葉が出てきた。
「この世界には神々は全部で十一人いるとされております。主神様は第一位の神にあたり、『チュートリアル』と『識者の眼』は主神様がお与えになる加護です」
クロードによると神様は十一人。
第一位「神々の頂点 主神」
第二位「魂の管理者 冥神」
第三位「命の守護者 医神」
第四位「魔導の原初 魔神」
第五位「大地の恩恵 地神」
第六位「蒼海の聖母 海神」
第七位「天空の黒翼 天神」
第八位「暁の戦乙女 戦神」
第九位「至上の美姫 美神」
第十位「善意の使徒 善神」
第十一位「悪意の権化 邪神」
この序列は神の名を告げる順番であって、主神以外の序列はあってないようなものらしい。
神様に固有の名前は無く、みんな「〇神」と呼ばれているんだとか。
そして、世界中にそれぞれの神を祀る教会があって、俺に話しかけてくる『主神』を崇めているのが『主神教会』だそうだ。
神様は主神様なの?
(そだよー。崇め奉ってね!)
「……神様は主神様で間違いないってさ」
「偉大なる主神様の加護をお受けになっているのは、おそらくヒビキ様だけです。そのようなお方に騎士としてお仕えでき、私は幸せ者です!」
「わたし、も、しあわせ、です!」
そう言われると何だか照れちゃうな。ただ、ちょっと気になることがあるんだけど……。
「クロード、主神様の加護はおそらく俺だけって言ったけど、リリアンにある『神域の暴流』ってスキルは主神様からの加護じゃないの?」
どうなの神様?
(…………)
返事がない。どうしたの、主神様?
「初めて聞くスキルです。どういったスキルなのですか?」
「ご主人さま、わたし、なにかあるの?」
俺は二人に、リリアンの持つ固有スキル『神域の暴流』について説明した。
『神域の暴流』はリリアンに暴走するほどのMPと魔法攻撃力を与える、神による試練のスキルだと『辞書』に記載されていた。実際、主神様もそう言っていたし。
スキルの内容を聞いてリリアンは青ざめてしまった。どうもこの力のせいで家族にも恐れられ、借金のかたにされる際、何人も兄弟姉妹がいる中で迷わず自分が選ばれたそうだ。
この件だけは主神様にしっかり文句を言ってやりたい。
俺の説明を聞いたクロードはしばらく考えて、意見を聞かせてくれた。
「『魔神様』の加護ではないかと思います。『神域の暴流』は魔導に関するスキルのようですし」
確かにリリアンは将来賢者になるわけだし、スキルの内容としても魔導に関するものだから、『魔神様』が与えた加護と考えて間違いないと思うんだけど。
でも……なんだか……主神様が怪しい。
(ぎくっ!)
初めてリリアンを『鑑定』した時、『神域の暴流』について、確か神様は『賢者に与えし試練だよー。仕方ないよー』と言っていた。この加護をよく知っているっぽい。
だから俺は、このスキルも主神様が与えたものだとばかり思っていたんだ。
けれど本当の管轄は魔神様だとすると……よし、試してみよう。
「リリアン、ちょっとこっちに来て」
クロードの隣にいたリリアンを呼んで、俺の正面に来てもらった。
「ご主人さま、なに?」
未だショックを受けたままのリリアンは、伏し目がちで俺の前にチョコンと座った。
可哀相に。変な試練さえなければ、もしかしたら家族と仲良く暮らしていたかもしれないのに。
「リリアンに試してみたいことがあるんだ」
『神域の暴流』は、まだ幼いリリアンとってあまりに理不尽で不当なものに感じた。
正式に魔神様がそのスキルを与えたのならダメかもしれないけど、あの軽くていい加減感いっぱいの主神様が関わっているのなら、あるいは……。
【技能スキル『救済措置レベル1』を行使します】
俺の前に立つリリアンに手をかざして『救済措置』を使用した。
【救済対象者を査定します。しばらくお待ちください】
『救済措置』がリリアンを査定し始めたけど、結構時間が掛かっている。クロードの時はもっと早かったんだけどな。
数分間、俺はリリアンに手をかざしたままだった。まだ結果が出ない。
「ヒビキ様、何をなさっておいでなのですか?」
俺の様子を訝しがって、クロードが尋ねてきた。
「今『救済措置』でリリアンの『神域の暴流』をどうにかできないか試してるんだけど、まだ救済可能かどうか結果が出ないんだ」
「ご主人さま、どうにか、できるの?」
「そうです、ヒビキ様。神が与えたスキルなのに『救済』というのはいささか問題があるように感じるのですが」
「だけど、このスキルはせめてリリアンが賢者になってからでもよかったと思わない? それくらいデタラメなスキルだと思うんだ。十歳の少女に背負わせるには荷が重いよ」
リリアンの境遇を知るクロードも納得するしかなかった。
《……いうこ……れ?》
…………
…………
…………
(ちが……れは……で……!)
…………
…………
…………
(いた……! ……るして……るかったか……!)
…………
…………
《だれが……すか! はん……ろ!》
何だろう。『救済措置』の査定中に変な雑音が入るんだけど? 誰かと誰かの会話のようにも聞こえる。音飛びが酷すぎてよく聞こえないな。
一人は主神様の声のような気がするんだけど。
【救済対象者の査定が完了しました】
やっと終わった。まさか査定に三十分も掛かるとは思わなかったよ。
「ごめんね、リリアン。今、査定が終わったよ」
【査定の結果、対象者に不当なスキル『神域の暴流』を確認しました】
【このスキルは正式な担当者『魔神』が付与したものではありません】
【詳細調査の結果、対象者にスキルを付与したのは『主神』と判明しました】
「うわ、マジか……」
『救済措置』の査定結果を二人に教えた。二人とも呆気にとられた顔をしている。
あの神様、本当に何やってるの!?
でも不当なスキルってことなら救済できるよね? 救済開始!
【救済措置として『神域の暴流』の除去が試行されましたが失敗しました】
【すでに魂に癒着しており、除去するにはスキルレベルが不足しています】
マジか!? どうするのこれ、救済不可とか言わないでよ!?
《ごめんなさいね。一度与えたスキルは神でも簡単には取り除けないのよ》
突然、頭の中に声が聞こえた。主神様じゃない、知らない声だ。
大人っぽくてとても色っぽい。スタイルのいい美人のお姉さんって感じだ。
ちなみにいつも聞こえる主神様は、二十代前半くらいのチャラいお兄さん声。
《私は『魔神』よ。その子には本当に申し訳ないことをしてしまったわ。『主神』に代わって謝罪するわ。ごめんなさいね》
「どうされました、ヒビキ様。『救済措置』はできましたか?」
「なんか、『救済措置』が失敗して、魔神様が話し掛けてきたんだけど……」
ああ、また二人とも固まっちゃった。
神様がそうポンポン出て来るなんて、常識外れすぎるでしょうよ。
もちろん俺の世界でもありえないんだから、少しは自重してください!
《ごめんなさい。それで『救済』の件なんだけど、さっき言った通り除去は無理よ。もう完全に魂に馴染んじゃってるの》
それじゃあどうにもならないんですか!? そんなのリリアンが可哀相すぎる。
《大丈夫よ、代替案を考えたわ。幸いあなたは私のスキル『魔導書』を持っている。このスキルを媒体にして私の力の一部を送りましょう》
えーと、具体的にどうなるんですか、それ?
《『魔導書』を通して、『神域の暴流』の管理権限を一部あなたに貸してあげる。彼女のMPと魔法攻撃力の数値を調整できるってことね》
こっちに都合が良すぎる気がするけどいいんですか?
《魔法は物事を円滑に都合よく進めるための力よ。何事も楽にできた方がいいもの。今回はそうした方が、あなたにとっても私にとっても都合が良かったってことね》
分かったような分からないような。でも今は、こちらとしても都合が良いです。
《今回は特例よ。まさか主神が私の知らない間に賢者を見つけて、こっそりあのスキルを付与していたなんて。主神の独断もだけど、それを把握していなかった私の責任でもあるわ。少女の運命を勝手に弄ったんですもの。せめてフォローくらいしないとね》
ありがとうございます、魔神様!
《さっきも言ったけど特例よ。いつも助けてあげるわけじゃないから、勘違いしないでね。語り掛けも結構神の力を使うから大変なのよ》
はい、分かりました。肝に銘じます!
《よろしい。じゃ、あとは任せるわ。『魔導書』を行使すれば、管理システムが自動的に起動するから大丈夫よ。私はまだお仕置きが残っているからもう行くわね》
(ゆ、ゆるして! 魔神ちゃん! もう限界だよおおおおおお!)
《許すわけないでしょ……ちょっと『冥神』ちゃーん。この前造ったっていう、特製のアイアンメイデンあったでしょ? あれ、ちょっと貸してちょうだい》
(いやいやいや! ダメ、ダメ! あれはダメ! マジ死ぬ、マジ死ぬから!)
《ええ、一度死になさい。生まれ変わって今度は真面目な主神様になってね》
(やめて、やめて! いやああああ! マジ死ぬって! ……ぎゃあああああああ!)
……南無、主神様。
『サポちゃんより報告。固有スキル『識者の眼』『チュートリアル』がオフラインになりました。サポちゃんより以上』
えーと、マジでご臨終ですか? サポちゃん、オフラインってどういう状態?
『サポちゃんより報告。『識者の眼』は一時機能停止。『チュートリアル』は一時運命制御停止状態です。サポちゃんは現存情報からのみサポートが可能です。サポちゃんより以上』
何かインターネットみたいなシステムだな。
この固有スキルは常に主神様と繋がっていないと使えないスキルってことか。
サポちゃんだけは、更新できないけどある程度使えると。
主神様、本当に死んじゃったのかな。いやいや、多分魔神様の冗談で、しばらくすれば復旧するでしょ。……二人には言わないでおこう。無駄に心配させたくない。
「二人とも大丈夫?」
俺が固まったままの二人に声を掛けると、クロード達はやっと再起動した。
「ヒビキ様、魔神様はなんと?」
「えーとね、主神様が迷惑かけたからなんとかしてくれるって言ってた」
「ご主人さま、わたし、あぶないの、取れるの?」
「取れはしないけど安全になるよ。『魔導書』ってスキルで、『神域の暴流』を制御できるように魔神様がしてくれたんだ」
「おお! なんと慈悲深い! 魔神様は魔導士に大変お優しい神だと聞いておりましたが、ここまでしてくださるとは」
「そ、そうだね」
確かに魔導士には優しかったね。主神様にはアレだけど。
「じゃあさっそく試してみよう。『魔導書』発動!」
【技能スキル『魔導書レベル1』を行使します】
ポン!
「うわ!」
「きゃっ!」
「何だ!」
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その煙の中から白い物が落ちて、地面をコロコロと転がる。
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