ヒビキとクロードの365日

あてきち

文字の大きさ
162 / 388
8月

8月19日『俳句の日』

しおりを挟む
 ヒビキ「『秋近し んなわけあるか まだ暑い』」

クロード「ヒ、ヒビキ様? どうされたのです?」

 ヒビキ「あ、クロード。どう? 一句詠んでみたんだ」

クロード「いっく?」

 ヒビキ「うん。今日8月19日は『俳句の日』だからね。夏休み中の子供達に、俳句に親しんで興味を持ってもらうために、今日教育大学教授で正岡子規研究家の坪内稔典さんが提唱した記念日だよ。だから俺も俳句を楽しもうと思って」

クロード「俳句……確か、季節の言葉『季語』を含んだ、五・七・五のリズムを主とする詩の一種でしたか。『俳句』=『は8い1く9』の語呂合わせですね」

 ヒビキ「クロード、俳句を知ってるの?」

クロード「以前ぱそこんでそいういう詩があると目にしただけですが」

 ヒビキ「それは重畳。で、俺の俳句はどうだった?」

クロード「ど、どうと言われましても……よく分かりません」

 ヒビキ「えー、そう? 季語は『秋近し』だよ。地球温暖化よる気候変動の悲しみと怒りを表現した名句なんだけど」

クロード「自分で言っちゃいましたね、名句って」

 アマネ「こんなの名句どころか俳句とさえ言えないでしょうが。よくて川柳よ」

 ヒビキ「あれ? 亜麻音、いらっしゃい。川柳じゃないよ、俳句だよ」

 アマネ「こういうのを典型的な散文的俳句っていうのよ。俳句に似せただけの単なる文章よ。大体、俳句は季語がメインなのにばっさり否定してるんじゃないわよ」

 ヒビキ「そうかなぁ? 俺の思いをストレートにぶつけた大名句なのに」

クロード「放っておくとどんどん自己評価が上がっていきそうですね……」

 アマネ「とにかく、歳時記でも読んで最初から勉強しなおしなさい」

 ヒビキ「むぅ、そこまで言うならアマネも一句詠んでみてよ」

 アマネ「なんでアタシが……」

 ヒビキ「俺の神の一句をそこまでボロクソに言ったんだ。それくらいしてもらわなきゃ割に合わないよ!」

クロード「ヒビキ様、さすがにそろそろ恥ずかしくなってきましたよ……?」

 アマネ「ふ、ふん! いいでしょう。アタシが俳句の何たるかを教えてあげるわ」

クロード「アマネ殿、別に無理せずとも」

 アマネ「いい? 聞きなさいよ……『閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声』」

クロード「……ほぉ。何と言えばよいのか、耳元に蝉の鳴き声が響きつつもなぜかしんとした静けさも伝わるようで……美しい句だと思います」

 アマネ「ほ、ほほほ! どうよ! アタシにかかればこんなもんよ!」

 ヒビキ「ちょっと亜麻音! それ松尾芭しもがもがあああ!」

 アマネ「だ、黙りなさい!」

クロード「いやはや、アマネ殿は歌心の分かる歌人だったのですね。私などそっち方面では才能がないため尊敬します」

 アマネ「そ、そうでしょうとも! こいつと一緒にしないでよね!」

 ヒビキ「もがもがあああああ!(絶対後でばらしてやるからああああ!)」




★★★★★
その他の記念日『バイクの日』
※『バイク』=『ば8い1く9』の語呂合わせ。
※総務省交通安全対策室が1989年に制定。


 ヒビキ「クロード、亜麻音は本当は――」
 アマネ「行くわよ、ヒビキ!」
 ヒビキ「え!? 亜麻音、いつの間にバイクの免許なんて、ひゃあああああああ!」
クロード「ヒビキ様ああああああああ!」
 ヒビキ「くろおおおどおおおおお! あああまあああねえええはあああああほおおおんんんとおおおおはああああああ……」
クロード「……ああ、もう声が聞こえないところまで行ってしまった。一体何を言おうとしたのでしょうか?」
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。

水定ゆう
ファンタジー
 村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。  異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。  そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。  生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!  ※とりあえず、一時完結いたしました。  今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。  その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...