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02 リデオの青いカーネーション
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次の日、男の子は現れなかった。
でも昨日私が座っていた場所に、青いカーネーションが置かれていた。置かれて時間が経っているのか、風にほとんど散っていた。
でもでもっ心の中が甘酸っぱい、でも底なしに暖かい何かで満ちた。
次の日
いつも通り中庭へ行くと、カーネーションがおいてあった。
あの子が来たんだ!
周りを見渡すと、遠くの方に人影が見えた。
走り出す。何度かドレスの裾をふんで転んじゃったけど、全然気にならなかった。
「まってよ!ねえ!」
必死に叫ぶ。動く影が止まった。
そしてこちらを振り向いた。
やっぱり茶色い男の子だ。
追いついたとき、ドレスは泥だらけ。メリーの嘆く顔が目に浮かぶ。
男の子は、びっくりしていた。まん丸な瞳をもっと見開いて、獣耳も僅かに立っていた。
「……なん…で?」
「誤りたかったの!もう知らないなんてっ、言っちゃったからっ!!ほんとのほんとはお友達になりたかったのにっ!!」
ぽろぽろと涙が溢れてくる。男の子はあわあわと慌てた。そして袖で私の涙を拭ってくれた。
「……リデオ。」
「え?」
「名前。リデオ。あと…僕も悪かったから……その…泣かないで…。」
リデオは本気で困っていた。目の前で女の子に泣かれることなんて無かったのだろう。その様子を見て、思わず笑ってしまった。
その時、おやつの鐘がなった。
「あっ!もう戻らないと!バイバイリデオ。」
「バイバイ。……アナベル。」
「あら姫様。なんだかニコニコですね。新しいお花でも見つけました?」
「ええ。可愛いお友達をみつけたの!」
「………それは…よかったですね!それはそうと、もうすぐ城離れですよ。準備なさって下さいね。」
もうすぐ4歳になってから1か月が経つ。そうしたら……あの子と、離れちゃうのかな。せっかくお友達になれたのに…。
その夜
子供は寝静まる夜中、二人の女性の話し声が聞こえた。
「お二人を会わせるのは、城離れのときと言ったでしょう?監督不行き届きですわ。アリー。」
「悪かったってメリエル姉さん。まさか城壁に穴が開いているとは…。」
「予定が狂ってしまったわ。」
「……いやほんと悪かったって。」
どうやら姉妹らしいこの声の主たち。
王女教育補助 王族メイド長
メリエル・ディ・サマトリア
王国第一騎士団団長
アリーシェル・ディ・サマトリア
この二人こそ、リデオとアナベルの運命を大きく左右する人物である。
でも昨日私が座っていた場所に、青いカーネーションが置かれていた。置かれて時間が経っているのか、風にほとんど散っていた。
でもでもっ心の中が甘酸っぱい、でも底なしに暖かい何かで満ちた。
次の日
いつも通り中庭へ行くと、カーネーションがおいてあった。
あの子が来たんだ!
周りを見渡すと、遠くの方に人影が見えた。
走り出す。何度かドレスの裾をふんで転んじゃったけど、全然気にならなかった。
「まってよ!ねえ!」
必死に叫ぶ。動く影が止まった。
そしてこちらを振り向いた。
やっぱり茶色い男の子だ。
追いついたとき、ドレスは泥だらけ。メリーの嘆く顔が目に浮かぶ。
男の子は、びっくりしていた。まん丸な瞳をもっと見開いて、獣耳も僅かに立っていた。
「……なん…で?」
「誤りたかったの!もう知らないなんてっ、言っちゃったからっ!!ほんとのほんとはお友達になりたかったのにっ!!」
ぽろぽろと涙が溢れてくる。男の子はあわあわと慌てた。そして袖で私の涙を拭ってくれた。
「……リデオ。」
「え?」
「名前。リデオ。あと…僕も悪かったから……その…泣かないで…。」
リデオは本気で困っていた。目の前で女の子に泣かれることなんて無かったのだろう。その様子を見て、思わず笑ってしまった。
その時、おやつの鐘がなった。
「あっ!もう戻らないと!バイバイリデオ。」
「バイバイ。……アナベル。」
「あら姫様。なんだかニコニコですね。新しいお花でも見つけました?」
「ええ。可愛いお友達をみつけたの!」
「………それは…よかったですね!それはそうと、もうすぐ城離れですよ。準備なさって下さいね。」
もうすぐ4歳になってから1か月が経つ。そうしたら……あの子と、離れちゃうのかな。せっかくお友達になれたのに…。
その夜
子供は寝静まる夜中、二人の女性の話し声が聞こえた。
「お二人を会わせるのは、城離れのときと言ったでしょう?監督不行き届きですわ。アリー。」
「悪かったってメリエル姉さん。まさか城壁に穴が開いているとは…。」
「予定が狂ってしまったわ。」
「……いやほんと悪かったって。」
どうやら姉妹らしいこの声の主たち。
王女教育補助 王族メイド長
メリエル・ディ・サマトリア
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アリーシェル・ディ・サマトリア
この二人こそ、リデオとアナベルの運命を大きく左右する人物である。
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