35 / 62
35 (スレア目線)
しおりを挟む
「……え?」
氷の貴公子様こと、アラン様の言葉に一瞬言葉を失った私。
「妹は、ナーセリアはラスラープ商会会長ラスラープに危害を与えたことで侯爵家に身柄を引き渡すこととなった。もう間も無く平民に落とされ、私達と関わることはなくなるだろう」
「っ!?」
けれども、次のアラン様の言葉に私はようやく状況を理解する。
「や、やったわ!」
ーーー そう、とうとう今までの私の努力が報われることになったことを。
そのことを理解した瞬間、私は近くにアラン様がいることさえ忘れて歓喜の叫びをあげた。
あの忌々しい悪役令嬢はもういない。
「こ、これでやっと私が、ヒロインであるこの私が報われるのね!そうよ!悪役令嬢のくせに生意気にも攻略対象に色目なんて使うあんな女なんかこんな目にあって当然なのよ!」
そう私は歓喜を表すかのように叫ぶ。
多分今からでは今までハーレムの一員に入れようと考えていた攻略対象達を攻略しきるのは無理だろう。
けれども、今の私にはそんなことどうでもよかった。
「そ、想像以上に嬉しそうな反応をするね」
「当たり前ですよ!アラン様!」
ーーー そう、何せ私の隣にはタイプである男性氷の貴公子様がいるのだから。
これからは一体どんな生活が待っているのか考え、私は興奮を露わにする。
あの屑王子は国王になれないので、次期国王はアラン様に決定している。
それはつまり、私が王妃になるということを示している。
「だってナーセリアは、あのクソ女は悪役令嬢なんですよ!ちょっとゲームの中で人気があったてだけで、ヒロインである私の邪魔をしようとした!」
………そしてそのことに興奮した私は自分が言ってはならないことを言っていることに気づいていなかった。
「本当にどれほど忌々しかったことか!一度私はあの女を殺すためにライセルト家に冤罪をかけて潰そうとしたのにもかかわらず、あの女は生き延びて……あがっ!?」
次の瞬間、話していた途中にもかかわらず横から衝撃を感じて私は倒れこむこととなった。
何が起きたのか分からず、私は呆然としながら顔を上げ、こちらを睨みつけながら息を荒げているアラン様の姿にようやく何が起きたかを理解した。
……そう、アラン様に私が殴られたことに。
「な、なんで……」
けれども、何故アラン様がそんなことをするのか私には理解できなかった。
何せもうナーセリアはいない。
男を魅了するあの屑女はこの世界にいないのだ。
「……お兄様、後は私に任せてください」
「………え?」
……そう、私が考えていたその時だった。
新しい人影が牢獄へと入って来て、その姿に私は言葉を失う。
何故なら、そこにいたのはもういないはずの存在だったのだから。
「何でここにいるのよ!ナーセリア!」
次の瞬間、私の金切り声が牢獄の中響くことになった……
氷の貴公子様こと、アラン様の言葉に一瞬言葉を失った私。
「妹は、ナーセリアはラスラープ商会会長ラスラープに危害を与えたことで侯爵家に身柄を引き渡すこととなった。もう間も無く平民に落とされ、私達と関わることはなくなるだろう」
「っ!?」
けれども、次のアラン様の言葉に私はようやく状況を理解する。
「や、やったわ!」
ーーー そう、とうとう今までの私の努力が報われることになったことを。
そのことを理解した瞬間、私は近くにアラン様がいることさえ忘れて歓喜の叫びをあげた。
あの忌々しい悪役令嬢はもういない。
「こ、これでやっと私が、ヒロインであるこの私が報われるのね!そうよ!悪役令嬢のくせに生意気にも攻略対象に色目なんて使うあんな女なんかこんな目にあって当然なのよ!」
そう私は歓喜を表すかのように叫ぶ。
多分今からでは今までハーレムの一員に入れようと考えていた攻略対象達を攻略しきるのは無理だろう。
けれども、今の私にはそんなことどうでもよかった。
「そ、想像以上に嬉しそうな反応をするね」
「当たり前ですよ!アラン様!」
ーーー そう、何せ私の隣にはタイプである男性氷の貴公子様がいるのだから。
これからは一体どんな生活が待っているのか考え、私は興奮を露わにする。
あの屑王子は国王になれないので、次期国王はアラン様に決定している。
それはつまり、私が王妃になるということを示している。
「だってナーセリアは、あのクソ女は悪役令嬢なんですよ!ちょっとゲームの中で人気があったてだけで、ヒロインである私の邪魔をしようとした!」
………そしてそのことに興奮した私は自分が言ってはならないことを言っていることに気づいていなかった。
「本当にどれほど忌々しかったことか!一度私はあの女を殺すためにライセルト家に冤罪をかけて潰そうとしたのにもかかわらず、あの女は生き延びて……あがっ!?」
次の瞬間、話していた途中にもかかわらず横から衝撃を感じて私は倒れこむこととなった。
何が起きたのか分からず、私は呆然としながら顔を上げ、こちらを睨みつけながら息を荒げているアラン様の姿にようやく何が起きたかを理解した。
……そう、アラン様に私が殴られたことに。
「な、なんで……」
けれども、何故アラン様がそんなことをするのか私には理解できなかった。
何せもうナーセリアはいない。
男を魅了するあの屑女はこの世界にいないのだ。
「……お兄様、後は私に任せてください」
「………え?」
……そう、私が考えていたその時だった。
新しい人影が牢獄へと入って来て、その姿に私は言葉を失う。
何故なら、そこにいたのはもういないはずの存在だったのだから。
「何でここにいるのよ!ナーセリア!」
次の瞬間、私の金切り声が牢獄の中響くことになった……
11
あなたにおすすめの小説
私が嫌いなら婚約破棄したらどうなんですか?
きららののん
恋愛
優しきおっとりでマイペースな令嬢は、太陽のように熱い王太子の側にいることを幸せに思っていた。
しかし、悪役令嬢に刃のような言葉を浴びせられ、自信の無くした令嬢は……
旦那様には愛人がいますが気にしません。
りつ
恋愛
イレーナの夫には愛人がいた。名はマリアンヌ。子どものように可愛らしい彼女のお腹にはすでに子どもまでいた。けれどイレーナは別に気にしなかった。彼女は子どもが嫌いだったから。
※表紙は「かんたん表紙メーカー」様で作成しました。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
はじめまして、旦那様。離婚はいつになさいます?
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
「はじめてお目にかかります。……旦那様」
「……あぁ、君がアグリア、か」
「それで……、離縁はいつになさいます?」
領地の未来を守るため、同じく子爵家の次男で軍人のシオンと期間限定の契約婚をした貧乏貴族令嬢アグリア。
両家の顔合わせなし、婚礼なし、一切の付き合いもなし。それどころかシオン本人とすら一度も顔を合わせることなく結婚したアグリアだったが、長らく戦地へと行っていたシオンと初対面することになった。
帰ってきたその日、アグリアは約束通り離縁を申し出たのだが――。
形だけの結婚をしたはずのふたりは、愛で結ばれた本物の夫婦になれるのか。
★HOTランキング最高2位をいただきました! ありがとうございます!
※書き上げ済みなので完結保証。他サイトでも掲載中です。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
【完結】勤労令嬢、街へ行く〜令嬢なのに下働きさせられていた私を養女にしてくれた侯爵様が溺愛してくれるので、国いちばんのレディを目指します〜
鈴木 桜
恋愛
貧乏男爵の妾の子である8歳のジリアンは、使用人ゼロの家で勤労の日々を送っていた。
誰よりも早く起きて畑を耕し、家族の食事を準備し、屋敷を隅々まで掃除し……。
幸いジリアンは【魔法】が使えたので、一人でも仕事をこなすことができていた。
ある夏の日、彼女の運命を大きく変える出来事が起こる。
一人の客人をもてなしたのだ。
その客人は戦争の英雄クリフォード・マクリーン侯爵の使いであり、ジリアンが【魔法の天才】であることに気づくのだった。
【魔法】が『武器』ではなく『生活』のために使われるようになる時代の転換期に、ジリアンは戦争の英雄の養女として迎えられることになる。
彼女は「働かせてください」と訴え続けた。そうしなければ、追い出されると思ったから。
そんな彼女に、周囲の大人たちは目一杯の愛情を注ぎ続けた。
そして、ジリアンは少しずつ子供らしさを取り戻していく。
やがてジリアンは17歳に成長し、新しく設立された王立魔法学院に入学することに。
ところが、マクリーン侯爵は渋い顔で、
「男子生徒と目を合わせるな。微笑みかけるな」と言うのだった。
学院には幼馴染の謎の少年アレンや、かつてジリアンをこき使っていた腹違いの姉もいて──。
☆第2部完結しました☆
嫁ぎ先(予定)で虐げられている前世持ちの小国王女はやり返すことにした
基本二度寝
恋愛
小国王女のベスフェエラには前世の記憶があった。
その記憶が役立つ事はなかったけれど、考え方は王族としてはかなり柔軟であった。
身分の低い者を見下すこともしない。
母国では国民に人気のあった王女だった。
しかし、嫁ぎ先のこの国に嫁入りの準備期間としてやって来てから散々嫌がらせを受けた。
小国からやってきた王女を見下していた。
極めつけが、周辺諸国の要人を招待した夜会の日。
ベスフィエラに用意されたドレスはなかった。
いや、侍女は『そこにある』のだという。
なにもかけられていないハンガーを指差して。
ニヤニヤと笑う侍女を見て、ベスフィエラはカチンと来た。
「へぇ、あぁそう」
夜会に出席させたくない、王妃の嫌がらせだ。
今までなら大人しくしていたが、もう我慢を止めることにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる