籠の雛鳥〜高雛零梛は世の中を知らない〜

缶ジュース

文字の大きさ
22 / 27

制服と着ぐるみパジャマ

しおりを挟む

 おばあさんが担架を持ってくるよう指示するが外傷があって動かすと危険というわけでは無さそうなので抱えて移動させる。



「え、、手めっちゃ綺麗、てか先生羨ましすぎなに?おかしいよね?まじであんなん女の欲望詰めた漫画でしか見たことないんだけど」
「戌亥ちゃん私たちの夢を体現してるのに気絶してるなんて…いや、気絶してるから体験できたのか?」
「というか颯爽と助けに来るのやばすぎそんな男いないって」
「顔も良すぎるけど優しいのは聞いてない」
「夢だよね?そうだと言って?性癖歪む!」



 いずねぇに保健室へ案内してもらい。おばあさんは戌亥さんの教室で収集をつけることになった。騒々しくしたために他の教室から顔を出していた生徒のたちがいたが戌亥さんを抱えるのに精一杯でうるさくなってしまったこと以外わからなかった。


ーーー

「理事長!!どういうこと!?」
「彼は高雛零梛くんです。来年からこの学校に通うことになりました。今日はその見学です。くれぐれも外部に…ってもう手遅れそうですね。個人情報を売るような真似は控えてくださいね」

「せんせ、それまじ?」
「まじです」

「「「「「「「よっしゃぁぁぁ!!!!」」」」」」」

「静かになさい」

ーーー


 保健室に入ると白衣の女性が座っていた。

「え、ん?あーと。は?」
「まるちゃん、ベッド貸して戌亥先生気絶しちゃった」
「は、はい!」

 すごく動揺しているように見える。空いているベッドのカーテンを開けてくれたのでそのベッドへ戌亥さんをソッと置く。

「どうしたの?その、戌亥先生もそうなんだけど…」
「弟です。来年からここの生徒になるので手続きと見学を兼ねて校内を歩いていたらこの有様です」
「わかるわ戌亥先生!私もクラついた!なんならムラついた!」
「気絶してる人に話しかけても…」

 戌亥さんの方に目をやると凄い幸せそうな顔に見えるのは気のせいだろうか。僕に原因があるのかさえよくわからないけどなんだか申し訳なくて側にいることにした。

「零梛?行かないの?」

 いずねぇが僕に問いかける。

「僕と目があった後に気絶したので何か関係あるのかなと」
「関係あるけどないから大丈夫よ零梛くん。ここは任せなさい」
「そうですか…じゃあお願いします」
「へへっ…へっへ…はぁ~い」

 いずねぇと先程のあたりまで戻る。母はお婆さんと一緒にそのあたりで待っていた。

「牛丸先生に預けてきたからもう平気」
「そう、ご苦労様。コラ!集中しなさい!チラチラ見ない!」

 おばあさんが戌亥さんが授業をやっていた教室に注意をする。

 するとチャイムがなり一斉に生徒たちが教室から出てくる。

「零梛…行くよっ!!」

 そう言って母が僕の手を取り走り出す。後方からは女子生徒たちが追ってきている。おばあさんが諌めているがごく一部だ。

 賑やかな学校だなと思い、学校が楽しみになった。廊下は走らないというポスターがあったが全力で無視する母と姉の姿は忘れない。



 その足で僕らは制服を買いに行くことになった。ついでに普段の服も買うようだ。

「で…先に私服の方を見にきたわけだけど」
「パジャマだよ」
「うん…可愛いし萌えるんだけど…なぜ?」
「いいじゃない!お母さんはその趣味いいと思うわ!」

 熊の着ぐるみパジャマがあったので買ってしまった。先生の趣味だからと言っていたけれどなんだかんだ気に入ってしまっている。夏場は少ししんどいけれど冬なんかは特に心地良い。なんならパジャマなのに今着てしまっている。

「この前制服を見に行くの?目立つよ?」
「どうせ零梛は目立っちゃうから一緒ね」

 デパートに来たのだけれど男性がやっとチラホラ見られる。スーツを着た女性が近くにいる人や男性数人で動いてる人たちもいた。

 なんだ案外普通じゃないかと思ったが、女性たちの視線は確かに集まっていた。

「男って情報より先にクマで認識されるからか学校の時よりいいわ」
「そんなアホなことある?」

 制服を売っている店に入ると店員さんすぐに顔を出す。

「え…クマ…?の中に…男…イケメン…」
「制服を買いに来たんですけど」
「ん、?高雛彩美!?!」
「はーい、そうでーす」

 忙しい人だなと思う。採寸しにくいからと元の服に着替えて行う。

「あの…触れていいんですか…?」
「はい、どうぞ。隅々まで測ってくださいね」

 店員さんは顔を赤くしてなんだか身体が妙に密着するような気がしたけれど測ってくれた。大体のサイズの制服を着て見せる。

「どうかな?」
「これは…だめじゃない?」
「うちの高校の制服のデザインってシンプルだけど精錬されているというか…端的に言ってガチ恋必至ね」

 制服を着るだけでそんなこと起こらないだろう。でもなんだかみんな目が輝いているように見える。

「ブレザー以外にもカーディガンやベストもありますよね」

「「うん!試そう!」」

 思ったよりも滞在時間が長くなった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら

普通
恋愛
男性は弱く、女性は強い。この世界ではそれが当たり前。性被害を受けるのは男。そんな世界に生を受けた葉山優は普通に生きてきたが、ある日前世の記憶取り戻す。そこで前世ではこんな風に男女比の偏りもなく、普通に男女が一緒に生活できたことを思い出し、もう一度女性と関わってみようと決意する。 そこで会うのにまだ抵抗がある、優は出会い系アプリを見つける。まずはここでメッセージのやり取りだけでも女性としてから会うことしようと試みるのだった。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます

neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。 松田は新しい世界で会社員となり働くこととなる。 ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。 PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。 ↓ PS.投稿を再開します。ゆっくりな投稿頻度になってしまうかもですがあたたかく見守ってください。

男女比5対1の女尊男卑の世界で子供の頃、少女を助けたら「お嫁さんになりたい!」と言って来た。まさか、それが王女様だったなんて……。

楽園
恋愛
「将来、あなたのお嫁さんになりたい」 10年前、俺は魔法の力で一人の少女を救った。 ……そして現在。ここは男女比5:1の女尊男卑の世界。 男は女に「選ばれる」ためだけの存在する。   俺、アルトは、前世の記憶と女でさえ持っていない無限の魔力を隠し、父と静かに暮らす「モブ」になるはずだった。 「待っていましたわ、アルト」 学園で再会したあの時の少女は、驚くべきことにリリアーナ王女だった。 どうやら彼女、あの日の「約束」を本気で果たしに来たらしい。 (俺の平穏なモブ生活が……!) 最強を隠したい男と、その秘密ごと彼を手に入れたい王女の、すれ違い学園ファンタジー!

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

処理中です...