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第28話 その男、全身馬鹿で出来ている
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「気づいて、ない?」時中が眉をひそめる。「何故ですか」
「馬鹿だからす」伊勢は間髪を入れず即答した。「あいつ」
「――なるほど」時中はちらりと結城を見て言う。
「それしか答えようがないす」伊勢は真顔で断言した。
「なるほど」時中は繰り返しながら二、三度頷いた。「ならば結城である可能性は高い」
「いや」結城は目を丸くしたまま手を振る。「俺スサノオじゃないよ」
「私もクシナダヒメではありません」本原が続けて言った。
木之花、酒林、伊勢、その他神々が一斉に振り向き本原を見る。
「けれど」本原は続けた。「結城さんがスサノオノミコトではないのなら、私がクシナダヒメでもいいです」
「あ」
「え」
「ああ」
「はは……」神々は、きょとんとするやら納得するやら苦笑するやらした。
「クシナダヒメって何? 誰?」結城が訊く。
「ヤマタノオロチに生贄として差し出されるところをスサノオノミコトに救われて、彼の妻になった女性です」本原が説明する。
「あ、そうなんだ」結城が天井を見上げながら頭の中を整理する。「あれ、ええとじゃあ、ヤマタノオロチが時中君? 俺ら三角関係ってこと?」
「馬鹿を言うな」時中が唾棄するかの如くに言う。「誰がヤマタノオロチだ」
「もしかして、酒林さんがヤマタノオロチなのですか」本原が訊く。「先ほど、蛇だからと仰っていましたけれど」
「俺? 俺は」酒林が目を丸くする。「ええとごめん、一応オオナムチっていう神になります」照れ笑いする。
「オオナムチ様」本原は驚いたように口を抑える。「ということは、オオクニヌシノミコト様ですか」
「それそれ」酒林はウインクしながら本原に人差し指を振る。「嬉しいなあ、芽衣莉ちゃん知っててくれたんだ」
「では」本原は口を抑えたまま、さらに言った。「スサノオのご子息、ということでしょうか」
「うん、そう」酒林はあっさりと頷いた。「まあ、いろいろ複雑な事情があってね」
「ほんとっすね」結城が肯定する。「わっけわかんないっすね」
「――まあ、呑みますか」酒林は苦笑しながら、結城ともう一度ジョッキを合わせた。「お父さん、カッコカリ」それから本原のグラスとも合わせた。「と、お母さん、カッコカリ」
◇◆◇
――海。そうだよね。
岩は、比喩的に頷いた。
――そうだ。海。それがあったから、神たちはここを――“地球”を、選んだんだ。地球に、来たんだ。金星でも、火星でもなく――あれ。
岩は、比喩的に首を傾げた。
――先にできたのって、どっちだったっけ? 岩と――生物と。
◇◆◇
「エビッさんよ」大山が銚子を手に恵比寿の隣に座る。「挨拶しないの。新人に」
「ん」恵比寿は海鮮鍋をつつきながら、眉を持ち上げる。「んん、まあ……いいでしょ」
「なんでよ」大山は恵比寿の猪口に酒を注ぎ、自分の手に持つ猪口にも注ぎ、乾杯しながら意地悪げな口調で責める。「つれないこと言うなよ」
「だって他の、国津神の皆さんも、わざわざ立ち上がっての自己紹介とかしなかったじゃん。私も」肩をすくめる。「今回は、いいや」
「何それ。今回はいいやって、あなた」大山はわざと大げさに驚く。「新人を選り好みする気? 俺が頑張って面接して採用した子たちなのに」
「いやいや、そういう意味じゃなくてさ」恵比寿は眉を下げ、悲しそうな表情になった。「俺もうあんまり、深く関わらないどこうって、決めたのよ」
「だから何で」大山は猪口をぐいっと呷る。
「――」恵比寿は、言うべきか否か躊躇した。
大山も黙って、再度互いの猪口に酒を注ぐ。
「万が一の事があった時にさ」恵比寿は俯きながら、ごく小さな声で呟いた。「もう、あんな気持ちにはなりたくないのよ……ああいう、辛い、哀しい、気持ち」
「――」大山は、鍋を見ている。
鍋の中身はあらかた食べ尽くされ、後は冷え行くばかりだった。
「あの時俺はじめて、地球を」恵比寿はますます肩をすくめる。「憎い、って思った」
大山は黙ったまま、深く頷いた。「俺もだ」
◇◆◇
――憎い、か。
岩は、比喩的に溜息をついた。
――そうだ。怒り。悲しみ。喜び――神は、最終的に生物に、そういうものを付け足した。感情。情緒――けれど働かせるために人間を作ったというのならば、果たしてそういったものは、必要だったのだろうか? 人間にとって?
神が地球を、岩を憎いと思うのは、まああり得ない話ではない。神が成し遂げようとする事にとって、地球のシステムはことある毎に障壁となるからだ。神にとって、仕事がやりにくいと思うこともしばしばだろう。しかし。
――人間たちも同じように思うとしたら。
岩は、もう一度比喩的に溜息をついた。
――人間たちも、地球を憎いと思うことが、あるのだろうか。神たちと同じように。神によって付与された、感情や情緒という“機能”を働かせて。神は――
岩は、またしても思う。
――神は、何がしたくて人間を作ったのだろう――
◇◆◇
「どうじゃ、呑んでおるか」宗像がにこにこしながら、結城の隣にどっかりと腰を下ろす。
「タゴリヒメ様」木之花がたちまちにして色香の漂う表情に変わる。
「ははは、今は宗像と名乗っておこうか」宗像は機嫌よく笑い飛ばす。「ちと新人の皆に、この年寄りから激励の言を贈ろうかの」
「あ……失礼致しました」木之花は唇に指を当て恥じらいの仕草を見せながらも、瞳をきらきらと潤ませている。「是非お願い致します、宗像支社長」
「うむ」宗像は手に持つ湯呑から焼酎をぐいと飲み干す。斜め後ろからついて来ていた天津が直ちにそれを満たす。「お前たちに、はなむけの言葉を与えよう」満たされてゆく焼酎を見ながら、宗像は微笑んで言った。
「はいっ」結城が掘り炬燵から脚を上げ正座し、姿勢を正した。
「これから洞窟の中へ下りて行き、仕事を完遂させるに当り」宗像は人差し指を立て目を閉じる。
「はいっ」結城は力いっぱい答える。
「精々、何度も死にそうな目に遭うがよい」宗像は目を開けた。
「はいっ」結城は力いっぱい答えた後「えっ」と声を裏返した。
「はなむけというより、捨て科白だな」時中が小さく呟く。
「ど、どうしてそんな」結城は泣き出さんばかりに声を上ずらせて訊いた。
「なんとなれば」しかし宗像の表情は変わらず穏やかなものだった。「お前たちには、死にそうな目に遭う度新しい仲間が増えるからじゃ」
「えっ」結城が目を見開き、
「仲間?」時中が眉をひそめる。
本原は黙って聞いていた。
「そう」宗像は焼酎を呑んだ。「お前たちに新たな力を、そして守護を与えてくれる仲間がじゃ」
「おお」結城は声を震わせた。
「それによりお前たちは、力を増幅させる」
「おお」
「つまり」
「はい」
「パワーアップするのじゃ」宗像は拳を握り締めた。
「おおっ」結城も拳を握り締め、声に力を込めた。
「どこにそこまで感動し合う要因があるのですか」本原が初めて言葉を口にした。
「でもね、エビッさん」大山はもう一度、恵比寿の猪口に酒を注いだ。
恵比寿は猪口を持ち上げ、黙って大山を見る。
「そんなことは、もう」大山は微笑んだ。「起こらないからね。二度と」
「――」恵比寿は猪口を唇に運ぶこともできぬまま、大山を見ていた。「なんでそんな事が言える?」それから気弱げに笑う。
「だってさ」大山はひょいと眉を持ち上げ、上座の方で正座し宗像に向かって頷く結城をちらりと横目で見た。
つられて恵比寿も新入社員の方を見る。
「今回は、スサノオだよ」大山は声をひそめて恵比寿に言う。「地球に向かってどう対峙してくれるのか、大いに期待できるってエビッさんも言ってたじゃない」
「――」恵比寿は大山を見、もう一度結城を見た。「でも……わかんないんでしょ? まだ」
「うーん、まあ、ね」大山は頭に手を置いた。「けど、どうも見てると、間違いなさそうな感じが強まってくるんだよねえ。彼」
「――」恵比寿は大山を横目で見ながら酒を呑み「馬鹿だから?」と訊いた。
「――」大山は唇を閉ざし、目を細めて何も答えずにいた。
「馬鹿だからす」伊勢は間髪を入れず即答した。「あいつ」
「――なるほど」時中はちらりと結城を見て言う。
「それしか答えようがないす」伊勢は真顔で断言した。
「なるほど」時中は繰り返しながら二、三度頷いた。「ならば結城である可能性は高い」
「いや」結城は目を丸くしたまま手を振る。「俺スサノオじゃないよ」
「私もクシナダヒメではありません」本原が続けて言った。
木之花、酒林、伊勢、その他神々が一斉に振り向き本原を見る。
「けれど」本原は続けた。「結城さんがスサノオノミコトではないのなら、私がクシナダヒメでもいいです」
「あ」
「え」
「ああ」
「はは……」神々は、きょとんとするやら納得するやら苦笑するやらした。
「クシナダヒメって何? 誰?」結城が訊く。
「ヤマタノオロチに生贄として差し出されるところをスサノオノミコトに救われて、彼の妻になった女性です」本原が説明する。
「あ、そうなんだ」結城が天井を見上げながら頭の中を整理する。「あれ、ええとじゃあ、ヤマタノオロチが時中君? 俺ら三角関係ってこと?」
「馬鹿を言うな」時中が唾棄するかの如くに言う。「誰がヤマタノオロチだ」
「もしかして、酒林さんがヤマタノオロチなのですか」本原が訊く。「先ほど、蛇だからと仰っていましたけれど」
「俺? 俺は」酒林が目を丸くする。「ええとごめん、一応オオナムチっていう神になります」照れ笑いする。
「オオナムチ様」本原は驚いたように口を抑える。「ということは、オオクニヌシノミコト様ですか」
「それそれ」酒林はウインクしながら本原に人差し指を振る。「嬉しいなあ、芽衣莉ちゃん知っててくれたんだ」
「では」本原は口を抑えたまま、さらに言った。「スサノオのご子息、ということでしょうか」
「うん、そう」酒林はあっさりと頷いた。「まあ、いろいろ複雑な事情があってね」
「ほんとっすね」結城が肯定する。「わっけわかんないっすね」
「――まあ、呑みますか」酒林は苦笑しながら、結城ともう一度ジョッキを合わせた。「お父さん、カッコカリ」それから本原のグラスとも合わせた。「と、お母さん、カッコカリ」
◇◆◇
――海。そうだよね。
岩は、比喩的に頷いた。
――そうだ。海。それがあったから、神たちはここを――“地球”を、選んだんだ。地球に、来たんだ。金星でも、火星でもなく――あれ。
岩は、比喩的に首を傾げた。
――先にできたのって、どっちだったっけ? 岩と――生物と。
◇◆◇
「エビッさんよ」大山が銚子を手に恵比寿の隣に座る。「挨拶しないの。新人に」
「ん」恵比寿は海鮮鍋をつつきながら、眉を持ち上げる。「んん、まあ……いいでしょ」
「なんでよ」大山は恵比寿の猪口に酒を注ぎ、自分の手に持つ猪口にも注ぎ、乾杯しながら意地悪げな口調で責める。「つれないこと言うなよ」
「だって他の、国津神の皆さんも、わざわざ立ち上がっての自己紹介とかしなかったじゃん。私も」肩をすくめる。「今回は、いいや」
「何それ。今回はいいやって、あなた」大山はわざと大げさに驚く。「新人を選り好みする気? 俺が頑張って面接して採用した子たちなのに」
「いやいや、そういう意味じゃなくてさ」恵比寿は眉を下げ、悲しそうな表情になった。「俺もうあんまり、深く関わらないどこうって、決めたのよ」
「だから何で」大山は猪口をぐいっと呷る。
「――」恵比寿は、言うべきか否か躊躇した。
大山も黙って、再度互いの猪口に酒を注ぐ。
「万が一の事があった時にさ」恵比寿は俯きながら、ごく小さな声で呟いた。「もう、あんな気持ちにはなりたくないのよ……ああいう、辛い、哀しい、気持ち」
「――」大山は、鍋を見ている。
鍋の中身はあらかた食べ尽くされ、後は冷え行くばかりだった。
「あの時俺はじめて、地球を」恵比寿はますます肩をすくめる。「憎い、って思った」
大山は黙ったまま、深く頷いた。「俺もだ」
◇◆◇
――憎い、か。
岩は、比喩的に溜息をついた。
――そうだ。怒り。悲しみ。喜び――神は、最終的に生物に、そういうものを付け足した。感情。情緒――けれど働かせるために人間を作ったというのならば、果たしてそういったものは、必要だったのだろうか? 人間にとって?
神が地球を、岩を憎いと思うのは、まああり得ない話ではない。神が成し遂げようとする事にとって、地球のシステムはことある毎に障壁となるからだ。神にとって、仕事がやりにくいと思うこともしばしばだろう。しかし。
――人間たちも同じように思うとしたら。
岩は、もう一度比喩的に溜息をついた。
――人間たちも、地球を憎いと思うことが、あるのだろうか。神たちと同じように。神によって付与された、感情や情緒という“機能”を働かせて。神は――
岩は、またしても思う。
――神は、何がしたくて人間を作ったのだろう――
◇◆◇
「どうじゃ、呑んでおるか」宗像がにこにこしながら、結城の隣にどっかりと腰を下ろす。
「タゴリヒメ様」木之花がたちまちにして色香の漂う表情に変わる。
「ははは、今は宗像と名乗っておこうか」宗像は機嫌よく笑い飛ばす。「ちと新人の皆に、この年寄りから激励の言を贈ろうかの」
「あ……失礼致しました」木之花は唇に指を当て恥じらいの仕草を見せながらも、瞳をきらきらと潤ませている。「是非お願い致します、宗像支社長」
「うむ」宗像は手に持つ湯呑から焼酎をぐいと飲み干す。斜め後ろからついて来ていた天津が直ちにそれを満たす。「お前たちに、はなむけの言葉を与えよう」満たされてゆく焼酎を見ながら、宗像は微笑んで言った。
「はいっ」結城が掘り炬燵から脚を上げ正座し、姿勢を正した。
「これから洞窟の中へ下りて行き、仕事を完遂させるに当り」宗像は人差し指を立て目を閉じる。
「はいっ」結城は力いっぱい答える。
「精々、何度も死にそうな目に遭うがよい」宗像は目を開けた。
「はいっ」結城は力いっぱい答えた後「えっ」と声を裏返した。
「はなむけというより、捨て科白だな」時中が小さく呟く。
「ど、どうしてそんな」結城は泣き出さんばかりに声を上ずらせて訊いた。
「なんとなれば」しかし宗像の表情は変わらず穏やかなものだった。「お前たちには、死にそうな目に遭う度新しい仲間が増えるからじゃ」
「えっ」結城が目を見開き、
「仲間?」時中が眉をひそめる。
本原は黙って聞いていた。
「そう」宗像は焼酎を呑んだ。「お前たちに新たな力を、そして守護を与えてくれる仲間がじゃ」
「おお」結城は声を震わせた。
「それによりお前たちは、力を増幅させる」
「おお」
「つまり」
「はい」
「パワーアップするのじゃ」宗像は拳を握り締めた。
「おおっ」結城も拳を握り締め、声に力を込めた。
「どこにそこまで感動し合う要因があるのですか」本原が初めて言葉を口にした。
「でもね、エビッさん」大山はもう一度、恵比寿の猪口に酒を注いだ。
恵比寿は猪口を持ち上げ、黙って大山を見る。
「そんなことは、もう」大山は微笑んだ。「起こらないからね。二度と」
「――」恵比寿は猪口を唇に運ぶこともできぬまま、大山を見ていた。「なんでそんな事が言える?」それから気弱げに笑う。
「だってさ」大山はひょいと眉を持ち上げ、上座の方で正座し宗像に向かって頷く結城をちらりと横目で見た。
つられて恵比寿も新入社員の方を見る。
「今回は、スサノオだよ」大山は声をひそめて恵比寿に言う。「地球に向かってどう対峙してくれるのか、大いに期待できるってエビッさんも言ってたじゃない」
「――」恵比寿は大山を見、もう一度結城を見た。「でも……わかんないんでしょ? まだ」
「うーん、まあ、ね」大山は頭に手を置いた。「けど、どうも見てると、間違いなさそうな感じが強まってくるんだよねえ。彼」
「――」恵比寿は大山を横目で見ながら酒を呑み「馬鹿だから?」と訊いた。
「――」大山は唇を閉ざし、目を細めて何も答えずにいた。
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