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「シアン様、起きてください。シアン様」
「んーー……」
いつもは優しいのに、今日は少し急かし気味で揺すられるので、睡眠延長願いは言えなかった
「本日はシアン様のお誕生日パーティーでございます。起きて準備を致しますよ」
あ、そう言えば、今日が僕の誕生日だった。
ユラが従者になってくれた事が、僕の中では一番のプレゼントだったからすっかり忘れてた
「ユラおはよう」
「おはようございます。では、朝食後他の者がこちらに参りますので、準備の方をお願いいたします」
そう言って、テーブルに朝食を並べて行く
「え、ユラが手伝ってくれるんじゃないの?」
てっきり、全てユラがしてくれるのかと思った
「私はまだ子供で若輩者でございます。ユラ様の大切なお式の準備に私がすると言うのは恐れ多いです。ので、慣れた者に頼みました。お許しくださいませ」
と、淡々と言う
ユラは数個しか歳が違わないのにまるで大人のようにしっかりとしていて、問題ないと思うんだけど
でも、決まりなら仕方ない
わかった。と言って、ユアを膝の上に乗せて朝食を食べる
ユアは生物の形をしているが、元はユラの魔力な為基本食事は必要ないらしい
それを聞いて、ケーキ屋のことを話したら必要ではないが嗜好品として食べるのかもしれないと言っていた
僕が食事を済ませたのを確認すると、皿を片付けて部屋を出て行った
ユラが出て行き暫くして他の使用人が数人来て、風呂に何回も入らされたり、髪や体に何かを塗られたり、爪を弄られたり、昼をとうに過ぎた頃には既にぐったりとしてしまった
5歳は節目の歳として盛大にやるらしく、準備にとても時間を掛けられる
もう嫌
「おつかれの様ですね」
「ホントだよ」
やっと決まった衣装はパーティーの直前に着るそうで、折角着たのに脱がされた。
昼も大幅に過ぎパーティーまであと数時間後と言う頃に、遅い食事を運んで来たユラ
疲れてテーブルに突っ伏す僕を見ながらクスクス笑うのを横目で見る
ホント、綺麗な顔してるよな
テーブルにホットサンドを乗せられ、それにかぶりつく
チーズがトロリとして美味しい
「ユアは主人より先に着飾られたんですね」
そう。何故かユアにも使用人が首元にブローチとリボンを付けた
僕の髪と目の色と同じ金色に乳白色のラインが刺繍されているリボンと王家の証のブローチ
その姿は何故か僕より威厳がある
僕がユアと名付けて以来、ユラはユアをあいつそいつ呼びでは無く、ちゃんと名前で呼んでくれるようになった
「では、開始まであと数時間程で御座いますので、もう少しの辛抱でございます。そして僭越ながら、シアン様の入場の際のエスコートは私がさせて頂きます。宜しくお願いします」
「ホント?!」
思わず食い気味に聞いた
「はい」
ニコッと笑うユラ
嬉しい!!
「じゃあじゃあ、ユラに恥を掛けないようにしっかり準備するね!」
そう言うと、逆ですよ。と笑って言った
何で?ユラが僕に恥をかけるわけないじゃん。
「では、シアン様の素晴らしいお姿楽しみにしておりますね。では、失礼致します」
と言って、テーブルを片付けて部屋を出て行った
よし頑張るぞ!!
拳をきつく握って意気込んだ
「んーー……」
いつもは優しいのに、今日は少し急かし気味で揺すられるので、睡眠延長願いは言えなかった
「本日はシアン様のお誕生日パーティーでございます。起きて準備を致しますよ」
あ、そう言えば、今日が僕の誕生日だった。
ユラが従者になってくれた事が、僕の中では一番のプレゼントだったからすっかり忘れてた
「ユラおはよう」
「おはようございます。では、朝食後他の者がこちらに参りますので、準備の方をお願いいたします」
そう言って、テーブルに朝食を並べて行く
「え、ユラが手伝ってくれるんじゃないの?」
てっきり、全てユラがしてくれるのかと思った
「私はまだ子供で若輩者でございます。ユラ様の大切なお式の準備に私がすると言うのは恐れ多いです。ので、慣れた者に頼みました。お許しくださいませ」
と、淡々と言う
ユラは数個しか歳が違わないのにまるで大人のようにしっかりとしていて、問題ないと思うんだけど
でも、決まりなら仕方ない
わかった。と言って、ユアを膝の上に乗せて朝食を食べる
ユアは生物の形をしているが、元はユラの魔力な為基本食事は必要ないらしい
それを聞いて、ケーキ屋のことを話したら必要ではないが嗜好品として食べるのかもしれないと言っていた
僕が食事を済ませたのを確認すると、皿を片付けて部屋を出て行った
ユラが出て行き暫くして他の使用人が数人来て、風呂に何回も入らされたり、髪や体に何かを塗られたり、爪を弄られたり、昼をとうに過ぎた頃には既にぐったりとしてしまった
5歳は節目の歳として盛大にやるらしく、準備にとても時間を掛けられる
もう嫌
「おつかれの様ですね」
「ホントだよ」
やっと決まった衣装はパーティーの直前に着るそうで、折角着たのに脱がされた。
昼も大幅に過ぎパーティーまであと数時間後と言う頃に、遅い食事を運んで来たユラ
疲れてテーブルに突っ伏す僕を見ながらクスクス笑うのを横目で見る
ホント、綺麗な顔してるよな
テーブルにホットサンドを乗せられ、それにかぶりつく
チーズがトロリとして美味しい
「ユアは主人より先に着飾られたんですね」
そう。何故かユアにも使用人が首元にブローチとリボンを付けた
僕の髪と目の色と同じ金色に乳白色のラインが刺繍されているリボンと王家の証のブローチ
その姿は何故か僕より威厳がある
僕がユアと名付けて以来、ユラはユアをあいつそいつ呼びでは無く、ちゃんと名前で呼んでくれるようになった
「では、開始まであと数時間程で御座いますので、もう少しの辛抱でございます。そして僭越ながら、シアン様の入場の際のエスコートは私がさせて頂きます。宜しくお願いします」
「ホント?!」
思わず食い気味に聞いた
「はい」
ニコッと笑うユラ
嬉しい!!
「じゃあじゃあ、ユラに恥を掛けないようにしっかり準備するね!」
そう言うと、逆ですよ。と笑って言った
何で?ユラが僕に恥をかけるわけないじゃん。
「では、シアン様の素晴らしいお姿楽しみにしておりますね。では、失礼致します」
と言って、テーブルを片付けて部屋を出て行った
よし頑張るぞ!!
拳をきつく握って意気込んだ
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