転生したら従者になった話

涼音

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ハウウェ君が自己紹介を終えると、一斉に俺の周りに人が集まった。
ハウウェ君の眉間に一瞬皺が寄ったが、その後は興味無くして窓を眺め始めた。

俺はカモフラージュに持っているショルダーバックからかき氷機、さらに、フレシア国産の熱帯で取れる果物も取り出す。
氷を円柱に作りフワッフワに氷を削って、果物を魔法で切り盛り付けて全員に配る。
それぞれ食べながら、氷がフワッフワになっている事に驚きながら食べている。

美味いだろう。俺が広めたのは、祭りでよくあるガリッガリの頭がキーンとなるかき氷だ。
そのかき氷が広まって暫くしたら、かき氷機を作る店が何やら猛研究しフワッフワになるかき氷機を発明していた。
それからは、ガリッガリのかき氷じゃなくフワッフワのかき氷が流行る事になった。
そういやシアン様がかき氷を食べている所を見た事ないけど食べた事あんのかな。
従者の中じゃ割と人気な食べ物なんだけど。今度聞いてみよう。


「ハウウェ君美味しい?」
隣で恐る恐る食べているハウウェ君に声を掛ける。
話し掛けるのにいい話題が出来て良かった。

「あぁ」
「そう、良かった」
ふさふさの尻尾を見るとブンブンと振られており、気に入ってくれた事がよく分かる。
あぁ、可愛いっ!!


「味付きの氷で作るともっと美味しいんだ。俺の魔法じゃそんな高度な事出来ないから今日は無味の氷なんだけど」
「そうか。それも食べてみたいな」
「ほんと?!じゃあ今度作るから俺の部屋来てよ!」
「分かった」

おーー、少し距離が近づいた気がする


「ねえハウウェ君、これからも話掛けていい?」
「あぁ」
「じゃあ、ハウウェ君の事ハオって呼んでいい?」
「あぁ。じゃあ、俺は....」
「俺の事はユラやユウって呼んで。家族や主人はユラって呼ぶけど」
「じゃあ、俺はユウって呼ぶ」
「うん。これから宜しく」

友達とは、あだ名で呼び合うものだよね。
あー、やっと友人が出来たっ!


かき氷パーティーは終わり、皆んなから皿を回収し鞄に放り入れる。
先生からも「美味しかったよ」と笑顔で礼を言われ、俺はもう思い残す事なんてない。
このまま死んでも未練はない。なんて思うが、放課後になりそろそろシアン様の迎えに行かなくてはならない。


明日からは通常授業である。
クラスに挨拶をして、主人がいる生徒はそれぞれ主人の元に向かった。
ハオもその一人のようで、途中まで一緒に行く事になった。


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