転生したら従者になった話

涼音

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アシュの一言でパーティーを開く事となり、ユラとハウウェはアシュの部屋で準備をしてくれている。
あの犬コロと二人にするのは気が進まない。
もし奴がユラを襲ったりしたらと考えるだけで、胸辺りにドス暗い何かが現れる。
落ち着く為水を飲みながらアシュを見ると、呑気にふかふか絨毯の上で寝ているユアを眺めている。

「ねーシアン、従者の事好きになるのって辛くない?」

と、唐突に聞いて来た。

「んー、何で?」
「だって、身分が違い過ぎだろ?俺等は家級が同等と迄行かなくとも、近しい貴族と結婚しろって家臣達が煩くない?」
「まあ確かに、兄貴達は家臣達に煩く言われてるんだろうけど、俺の場合三男だしなー」
親父にも好きにしろーって言われてるし
「あー、そっか。俺の場合は兄上が王位継げなかった時の為に、良いトコの家と結婚しなきゃかなー」
辛いな~と、絨毯の上をゴロゴロ転がっている。

「なー、もし俺がユンハさんに告ったらさー」
どうなるかなーと呟いた。

「え?」
ユンハって名前には聞き馴染みが有り過ぎ、思わず聞き返す。

「え、何、アシュって兄貴の事好きなの?」
ユンハ・ディー・フレシア。俺の5個上の次男だ。
アシュと兄貴に関わりがあったっけと考えてみると、初等部卒業してアシュが家に来た時いたわ。
兄貴はシャイレン学園の高等部に通っており、兄貴も長期休暇で帰ってたわ。

「好き....なのか、憧れなのかよく分からないんだけど。話してると、胸の辺りがポカポカしたんだ」
それ、惚れかけてるようなもんだろ。
え、あんな堅物の何処が良いの。
よく分からん本ばっか読んでる本の虫だぞ?

「兄貴といつ話したんだよ」
「俺が暇潰しに書庫に行ったら会ってさ、本の話で盛り上がった」
「マジで?国書以外は兄貴の趣味全開のあの書庫行ってたの?」

俺は歴史書とか他国語、冒険譚等の物語は読むけど、兄貴の場合は魔術研究書をメインで見ている。
そう言えば、ユラも兄貴と本の趣味被ってたな。何て思い出す。
兄貴って確か、形だけの婚約者が居たはず.....。言わないでおこ


「アシュ様、シアン様、準備が整いましたよ」
ユラに呼ばれ、俺達はアシュの部屋に行った。
準備するのに2時間くらいしか経っていない筈なのに、沢山の料理と飲み物が美味そうに並んでいた。
パーティーという名ただの遊び会は夜遅くまで続き、雑魚寝をしたと思って飛び起きたら自室だった。

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