40 / 47
第四十章
しおりを挟む
「ビアトリスお義姉様!」
妖精に呼びかけられたのかしらと思ったビアトリスは、声のほうへ振り向いた。
今日は学園が休みの日で、ビアトリスは久しぶりに邸にいて、のんびりとティールームから晩秋の庭を眺めていた。
その姿を庭から見つけたらしい少女は、どうやら外から駆け戻ってきたらしい。
「まあ!私の妖精さん、走ってはいけないわ。貴女が転んでしまったら、後で護衛は打ち首獄門よ」
そう言えば、少女は恥ずかしそうにもじもじしながら、「申し訳ありません」と頬を染めてビアトリスを見た。それから「あ」と思い出したように、カーテシーで挨拶をした。
「まあイーディア、とっても美しいカーテシーだわ。息を呑んでしまうほど。やっぱり私の妖精さんはなにをしても可憐だわ」
少女のカーテシーは、指先まで美しかった。そばにいた侍女たちもビアトリスの後ろに控えていたマチルダも、「確かに」と頷いた。
豊かな金色の髪をハーフアップに結っているのは、憧れのビアトリスをリスペクトしているからだという。
自分のどこにそんな価値があるのか、地を這う自己評価しかないビアトリスには、そのあたりの感性が全く理解できない。
まだデヴュタントを迎える前のあどけなさが残る顔立ち。だが、彼女は間もなく大化けするとビアトリスは思っている。きっと必ず、匂い立つ大輪の花を咲かせるだろう。
この子が学園に入ったなら、その魅力に数多の子息が虜にされて、アメリアの再来と言われてしまうに違いない。
ビアトリスのイーディア贔屓は相当で、若干盛り過ぎるきらいがある。
イーディアはカーテシーの姿勢から戻ると、もう我慢できないとばかりに競歩並みの速さでビアトリスに歩み寄った。
「ビアトリスお義姉様。ご機嫌よう」
こちらを見上げる潤んだ瞳は榛色で、翠の奥に焦げ茶が混ざる色が綺麗だと思う。
嘗ての婚約者だったウォレスも榛色の瞳だった。だが彼は、それが高位貴族らしくないと嫌っていた。
自分の身体や容姿を嫌うことは、哀しいことである。ビアトリスだってコンプレックスなら幾つもある。けれど、ハロルドがそこも含めてビアトリスだと認めてくれて救われた。ビアトリスは、自身の欠点を愛せるようになっている。
目の前の少女の瞳も美しい。それはきっと彼女もまた、その瞳も髪も容姿も気質も、全てを愛されているからだろう。
イーディアは、ルーファスの婚約者である。
彼女は十三歳で、ルーファスとは五歳年の差がある。
侯爵家の令嬢であるが三女の彼女は、姉や兄たちほど厳しくされず、自由に育ったようである。
ビアトリスはわかる。要は、目が行き届かずに放任され気味だったのだ。なぜならビアトリスがそうだったから。
賢い姉たちと、太陽とか星とかに例えられるルーファスに挟まれて、誰の手も焼かない、記憶に残らない、そんな平凡令嬢がビアトリスなのである。
ビアトリスをイーディアが慕うのは、双子のルーファスと面立ちが似ているからだろう。ルーファスもどちらかといえば童顔であるから、婚約者の面影をその姉に見るのだろう。
「私の妖精さん、貴女の婚約者はどこに行ったのかしら?」
こんな可愛い婚約者を、いつまで放置しているのか。ルーファスのどこ吹く風的な顔を思い浮かべて辺りを見回した。
「おや?あんなところにルーファスが」
「まあ!私ったら走ってきちゃったからルーファス様を置いてけぼりにしてしまいましたわ」
してしまったのか。
ビアトリスより背の低いイーディアを見れば、頬を染めて瞳をうるうるさせている。
榛色の瞳は今なお澄んで、世間の穢れを知らないこの婚約者を、ルーファスは汚染を避けて囲い込むように大切に愛している。
イーディアと会う日には、エリックの側付きも辞して、ウォレスのような土壇場キャンセルなんてことは、ルーファスに限ってあり得ない。
「イーディア。走っては危ないよ」
置いてけぼりにされたルーファスが追いついて、イーディアの髪を撫でる。こんな甘いルーファスは、イーディアの前でしか見られない。
ルーファスの内面は決して甘い人物ではない。冷めた思考は外見の甘さで中和されているが、エリックに見込まれるほどにはキレ者である。
双子なのに残念なほど大違いであるが、彼は生まれたときから磨かれている我が家の珠宝なのである。
「ビアトリスお義姉様がお嫁に行かれてしまうのは、とても淋しいです」
「そうだね、イーディア。本当は、ずっとこの邸にいて花を育ててくれる筈だったんだけれどね。イーディアは花が好きだからね」
ウォレスとの破談で行き場を失うビアトリスの、その後の面倒を見ると言ったルーファスだった。あれは弟の姉への愛だと信じたい。
「ビアトリスお義姉様の婚約者様も、とても素敵なお方ですわ」
途端にルーファスが眉を顰めた。駄目よイーディア、それ以上言っては!
だがイーディアの言葉は本当だから、ビアトリスも頷いた。
「ええ。素敵なお方よ。こんな平々凡々の私の中から、数少ないプラスポイントを見つけ出すのが超絶上手いのですもの」
お陰でビアトリスはコンプレックスも欠点も、自分の「味わい」だと愛せるようになっていた。
そうなって初めて思ったのは、ウォレスのことだった。
ビアトリスはウォレスの瞳を綺麗だと思っていた。綺麗なものは綺麗だと、彼に伝えればよかった。愛されていないとか良好な仲ではないとか、そんなことは別にして、彼にちゃんと伝えていたら、ウォレスは自分のコンプレックスに愛しさを見いだすことができたのだろうか。
そんなウォレスとは、もう学園でも顔を合わせていない。エリックの側近候補からは降りていたし、もしかしたらハロルドが、そっと避けてくれていたのかもしれない。
ビアトリスは、無性にハロルドの顔が見たいと思った。自分の中にこんな恋する乙女が住んでいたなんて、自分が一番驚いている。
叔母は留学生と婚約してからとても幸せそうで、そしてとても綺麗だった。鏡を見つめていた叔母は、きっと婚約者のことを思い浮かべていたのだろう。
ビアトリスは気づいていない。
イーディアが、ビアトリスの姿を鮮やかな記憶として留めることを。
夫の姉が隣国に渡る前に、愛し愛され輝いて、光を放つように美しかったと、いつまでも心の奥に思い出として留めておくことを。
妖精に呼びかけられたのかしらと思ったビアトリスは、声のほうへ振り向いた。
今日は学園が休みの日で、ビアトリスは久しぶりに邸にいて、のんびりとティールームから晩秋の庭を眺めていた。
その姿を庭から見つけたらしい少女は、どうやら外から駆け戻ってきたらしい。
「まあ!私の妖精さん、走ってはいけないわ。貴女が転んでしまったら、後で護衛は打ち首獄門よ」
そう言えば、少女は恥ずかしそうにもじもじしながら、「申し訳ありません」と頬を染めてビアトリスを見た。それから「あ」と思い出したように、カーテシーで挨拶をした。
「まあイーディア、とっても美しいカーテシーだわ。息を呑んでしまうほど。やっぱり私の妖精さんはなにをしても可憐だわ」
少女のカーテシーは、指先まで美しかった。そばにいた侍女たちもビアトリスの後ろに控えていたマチルダも、「確かに」と頷いた。
豊かな金色の髪をハーフアップに結っているのは、憧れのビアトリスをリスペクトしているからだという。
自分のどこにそんな価値があるのか、地を這う自己評価しかないビアトリスには、そのあたりの感性が全く理解できない。
まだデヴュタントを迎える前のあどけなさが残る顔立ち。だが、彼女は間もなく大化けするとビアトリスは思っている。きっと必ず、匂い立つ大輪の花を咲かせるだろう。
この子が学園に入ったなら、その魅力に数多の子息が虜にされて、アメリアの再来と言われてしまうに違いない。
ビアトリスのイーディア贔屓は相当で、若干盛り過ぎるきらいがある。
イーディアはカーテシーの姿勢から戻ると、もう我慢できないとばかりに競歩並みの速さでビアトリスに歩み寄った。
「ビアトリスお義姉様。ご機嫌よう」
こちらを見上げる潤んだ瞳は榛色で、翠の奥に焦げ茶が混ざる色が綺麗だと思う。
嘗ての婚約者だったウォレスも榛色の瞳だった。だが彼は、それが高位貴族らしくないと嫌っていた。
自分の身体や容姿を嫌うことは、哀しいことである。ビアトリスだってコンプレックスなら幾つもある。けれど、ハロルドがそこも含めてビアトリスだと認めてくれて救われた。ビアトリスは、自身の欠点を愛せるようになっている。
目の前の少女の瞳も美しい。それはきっと彼女もまた、その瞳も髪も容姿も気質も、全てを愛されているからだろう。
イーディアは、ルーファスの婚約者である。
彼女は十三歳で、ルーファスとは五歳年の差がある。
侯爵家の令嬢であるが三女の彼女は、姉や兄たちほど厳しくされず、自由に育ったようである。
ビアトリスはわかる。要は、目が行き届かずに放任され気味だったのだ。なぜならビアトリスがそうだったから。
賢い姉たちと、太陽とか星とかに例えられるルーファスに挟まれて、誰の手も焼かない、記憶に残らない、そんな平凡令嬢がビアトリスなのである。
ビアトリスをイーディアが慕うのは、双子のルーファスと面立ちが似ているからだろう。ルーファスもどちらかといえば童顔であるから、婚約者の面影をその姉に見るのだろう。
「私の妖精さん、貴女の婚約者はどこに行ったのかしら?」
こんな可愛い婚約者を、いつまで放置しているのか。ルーファスのどこ吹く風的な顔を思い浮かべて辺りを見回した。
「おや?あんなところにルーファスが」
「まあ!私ったら走ってきちゃったからルーファス様を置いてけぼりにしてしまいましたわ」
してしまったのか。
ビアトリスより背の低いイーディアを見れば、頬を染めて瞳をうるうるさせている。
榛色の瞳は今なお澄んで、世間の穢れを知らないこの婚約者を、ルーファスは汚染を避けて囲い込むように大切に愛している。
イーディアと会う日には、エリックの側付きも辞して、ウォレスのような土壇場キャンセルなんてことは、ルーファスに限ってあり得ない。
「イーディア。走っては危ないよ」
置いてけぼりにされたルーファスが追いついて、イーディアの髪を撫でる。こんな甘いルーファスは、イーディアの前でしか見られない。
ルーファスの内面は決して甘い人物ではない。冷めた思考は外見の甘さで中和されているが、エリックに見込まれるほどにはキレ者である。
双子なのに残念なほど大違いであるが、彼は生まれたときから磨かれている我が家の珠宝なのである。
「ビアトリスお義姉様がお嫁に行かれてしまうのは、とても淋しいです」
「そうだね、イーディア。本当は、ずっとこの邸にいて花を育ててくれる筈だったんだけれどね。イーディアは花が好きだからね」
ウォレスとの破談で行き場を失うビアトリスの、その後の面倒を見ると言ったルーファスだった。あれは弟の姉への愛だと信じたい。
「ビアトリスお義姉様の婚約者様も、とても素敵なお方ですわ」
途端にルーファスが眉を顰めた。駄目よイーディア、それ以上言っては!
だがイーディアの言葉は本当だから、ビアトリスも頷いた。
「ええ。素敵なお方よ。こんな平々凡々の私の中から、数少ないプラスポイントを見つけ出すのが超絶上手いのですもの」
お陰でビアトリスはコンプレックスも欠点も、自分の「味わい」だと愛せるようになっていた。
そうなって初めて思ったのは、ウォレスのことだった。
ビアトリスはウォレスの瞳を綺麗だと思っていた。綺麗なものは綺麗だと、彼に伝えればよかった。愛されていないとか良好な仲ではないとか、そんなことは別にして、彼にちゃんと伝えていたら、ウォレスは自分のコンプレックスに愛しさを見いだすことができたのだろうか。
そんなウォレスとは、もう学園でも顔を合わせていない。エリックの側近候補からは降りていたし、もしかしたらハロルドが、そっと避けてくれていたのかもしれない。
ビアトリスは、無性にハロルドの顔が見たいと思った。自分の中にこんな恋する乙女が住んでいたなんて、自分が一番驚いている。
叔母は留学生と婚約してからとても幸せそうで、そしてとても綺麗だった。鏡を見つめていた叔母は、きっと婚約者のことを思い浮かべていたのだろう。
ビアトリスは気づいていない。
イーディアが、ビアトリスの姿を鮮やかな記憶として留めることを。
夫の姉が隣国に渡る前に、愛し愛され輝いて、光を放つように美しかったと、いつまでも心の奥に思い出として留めておくことを。
4,801
あなたにおすすめの小説
結婚後、訳もわからないまま閉じ込められていました。
しゃーりん
恋愛
結婚して二年、別邸に閉じ込められていたハリエット。
友人の助けにより外に出ることができ、久しぶりに見た夫アルバートは騎士に連行されるところだった。
『お前のせいだ!』と言われても訳がわからなかった。
取り調べにより判明したのは、ハリエットには恋人がいるのだとアルバートが信じていたこと。
彼にその嘘を吹き込んだのは、二人いたというお話です。
冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
婚約破棄されたのでファンシーショップ始めました。 ― 元婚約者が、お人形さんを側室にしようとして大恥をかきました ―
鷹 綾
恋愛
隣国の王子から「政略的にも個人的にも魅力を感じない」と婚約破棄された、ファンタジア王国第三女王タナー。
泣きも怒りもせず、彼女が考えたのは――「いつか王宮の庇護がなくなっても困らない生き方」だった。
まだ八歳。
それでも先を見据え、タナーは王都の片隅で小さなファンシーショップを開くことを決意する。
並ぶのは、かわいい雑貨。
そして、かわいい魔法の雑貨。
お茶を淹れてくれるクマのぬいぐるみ店員《テイデイ・バトラー》、
冷めないティーカップ、
時間になると小鳥が飛び出すアンティーク時計――。
静かに広がる評判の裏で、
かつての元婚約者は「お人形さんを側室にしようとして」赤っ恥をかくことに。
ざまぁは控えめ、日常はやさしく。
かわいいものに囲まれながら、女王は今日も穏やかにお店を開けています。
---
この文面は
✔ アルファポリス向け文字数
✔ 女子読者に刺さるワード配置
✔ ネタバレしすぎない
✔ ほのぼの感キープ
を全部満たしています。
次は
👉 タグ案
👉 ランキング用超短縮あらすじ(100字)
どちらにしますか?
【完結160万pt】王太子妃に決定している公爵令嬢の婚約者はまだ決まっておりません。王位継承権放棄を狙う王子はついでに側近を叩き直したい
宇水涼麻
恋愛
ピンク髪ピンク瞳の少女が王城の食堂で叫んだ。
「エーティル様っ! ラオルド様の自由にしてあげてくださいっ!」
呼び止められたエーティルは未来の王太子妃に決定している公爵令嬢である。
王太子と王太子妃となる令嬢の婚約は簡単に解消できるとは思えないが、エーティルはラオルドと婚姻しないことを軽く了承する。
その意味することとは?
慌てて現れたラオルド第一王子との関係は?
なぜこのような状況になったのだろうか?
ご指摘いただき一部変更いたしました。
みなさまのご指摘、誤字脱字修正で読みやすい小説になっていっております。
今後ともよろしくお願いします。
たくさんのお気に入り嬉しいです!
大変励みになります。
ありがとうございます。
おかげさまで160万pt達成!
↓これよりネタバレあらすじ
第一王子の婚約解消を高らかに願い出たピンクさんはムーガの部下であった。
親類から王太子になることを強要され辟易しているが非情になれないラオルドにエーティルとムーガが手を差し伸べて王太子権放棄をするために仕組んだのだ。
ただの作戦だと思っていたムーガであったがいつの間にかラオルドとピンクさんは心を通わせていた。
殿下、もう何もかも手遅れです
魚谷
恋愛
偉大なる国王が崩御した。
葬儀の場で、王太子アドルフォスは、父王が病床にいるのを良いことに国を思うがままにしようとする、婚約者である公爵令嬢ロザリンデと、その父である宰相を断罪しようと決意する。
全ては自分が次の王に相応しいことを、その場にいる全ての貴族たちに示すため。
アドルフォスは自分の勝利を信じて疑わなかった。
自分には、麗しい子爵令嬢で、数百年に一度生まれる聖女の力に覚醒したエレインという心強い味方がいるのだから。
勝利は揺るぎないはずだった……そう、アドルフォスの頭の中では。
これはひとつの国の終わりの物語。
★他のサイトにも掲載しております
★13000字程度でサクッとお読み頂けます
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる