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第九章
ルクスの帰りが毎日早い。なんでもとうとう王太子が寝込んだらしい。侍女の呪詛が効いたのか、それとも働きづめの身体に風邪菌が大暴れしたのか。是非とも後者であってほしい。
邪魔者がいない為に、無茶振りされる仕事がなくて、それで最近みんな早帰りを満喫していた。文官たちの残業がないことで、城では夜間にばかすか灯される蝋燭やらオイルランプの消耗が激減して経費節減、大層喜ばれていた。
ついでに、宿泊する文官がいないことで、ベッドメーキングを担当する使用人たちの負担が激減した。王太子一人が寝込んでいれば、全てが丸く上手くいく。
王太子は馬鹿王子ではない。どちらかといえば近隣諸国では優れた王子、天才などと呼ばれている。
だが、天才はまた仕事を作るのが得意だった。ああすれば更に良い、こうすればもっと良いと、次々次々改善提案するものだから、次の世代の王太子の分まで改変してしまった。
多分、次の王太子、つまりは王太子のお子は、する事がないばかりに何もしない盆暗だと濡れ衣を着せられることになるだろう。
そう考えれば、王太子の無茶振りを阻止した侍女の呪詛は、未来の王太子を救ったことになる。叙爵してやってもよいほどだ。
それはさておき、ルクスである。
連チャンで城に泊まらずともよいから、当り前に自邸に帰ってくる。帰ってきたルクスは精力的にサフィリアを愛した。
晩餐の時間を半刻繰り上げて、早々に食事を終えてその後は、朝まで夫妻の寝室から出てこなかった。当然、サフィリアは彼とセットであるから、サフィリアこそ体力の限界を毎夜突破しながら、愛される妻として頭角を現していた。
競う相手などいないのだから、現す頭角も何もないのだが、毎晩幾度も愛されるうちに体力がついてきた。先日なんて、告解するのに椅子を引き摺ることなく片手で難なく持ち上げた。
だがしかし、体力があるのと夜通し何度も責められるのはまた別のお話である。
「旦那様、た、タイム」
「なんのこれしき。まだまだだ」
なにがこれしきなの?
愛されすぎてぼおっとする頭で考えて、サフィリアは、はっと気がついた。
これは罰だわ。サフィリアを娶らされることになってしまった夫による、現実的な体罰だ。
これだけ蕩かされるだなんて悔しいけれど、旦那様には敵わない。私に体罰を加えることで、それで旦那様のお気が済むなら幾らでも受け入れねばならない。
まな板の上のサフィリア。
サフィリアは、罰を受けるべく寝台の上で大の字になった。さあ来い、旦那様。貴方の全てを受け入れます。
その闘志にルクスの火がついて、サフィリアは一晩中甘く蕩かされる体罰を受けまくった。
残念ながら、養生していた王太子が復活した。ゆっくり休んで完全復活したのだが、彼が寝込んでいるうちに、宰相と文官たちが一致団結して法改正の草案を纏めていた。
直ぐに議会に掛けられて、用度係にベッドメーキングの使用人からの証言もあって、早帰り推奨法が可決された。
王太子が執務室に復帰した時には、法律で早帰りが定められて、無闇な残業やお泊りがなくなっていた。
それはやはり侍女の呪詛が発端であるから、彼女は城中の文官たちに感謝されるべき、やはり叙爵されるべきであるのだが、肝心の侍女がそこのところをわかっていなかったから、結局そんなことにはならなかった。
邪魔者がいない為に、無茶振りされる仕事がなくて、それで最近みんな早帰りを満喫していた。文官たちの残業がないことで、城では夜間にばかすか灯される蝋燭やらオイルランプの消耗が激減して経費節減、大層喜ばれていた。
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それはさておき、ルクスである。
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競う相手などいないのだから、現す頭角も何もないのだが、毎晩幾度も愛されるうちに体力がついてきた。先日なんて、告解するのに椅子を引き摺ることなく片手で難なく持ち上げた。
だがしかし、体力があるのと夜通し何度も責められるのはまた別のお話である。
「旦那様、た、タイム」
「なんのこれしき。まだまだだ」
なにがこれしきなの?
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これは罰だわ。サフィリアを娶らされることになってしまった夫による、現実的な体罰だ。
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