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第十章
「殿下、お聞きしたいことがごさいます」
ダフネはそこで、マクベスに尋ねてみた。
聞きたいことは色々あった。
「マクベスと、呼んではくれないか」
「……」
「言ったよね。僕は君の夫となる男だと。妻に敬称で呼ばれるのは好ましくない」
好ましくない、なんて随分と遠回しな言い方だと思ったが、そこは素直に頷いた。
「マクベス様」
そう呼んでみれば、マクベスはわかりやすく破顔した。口元から真っ白な歯が覗いて、王族である彼が、このときばかりは身近な青年のように見えた。
「なに?ダフネ」
そういえば、彼は初めからダフネを名呼びしていた。馴染みのない婚約者を、彼なりに受け入れようとしているようだ。
信頼できる人間が限られているダフネにとって、少なくともマクベスは、信頼を寄せるべき人物なのだろう。
疑心暗鬼になるよりも彼を信じてみようと、出会ったばかりの婚約者にダフネは心を開いた。
「マクベス様。貴方にお聞きしたいことが山ほどございますの」
「ふっ、山ほど?」
マクベスは面白いというように、小さく笑みを漏らした。
「そうですわ。できれば一覧にしてお聞きしたいくらい。ですが、手始めに一つお尋ねいたします。このお庭は誰が手入れを?」
毒草ばかりを植える庭園が、何を目的にしていたのか。ダフネの問いに、マクベスは「ああ」と言ってあっさり教えてくれた。
「昔、ここにいた妃が手ずから植えたらしい。それを彼女が消えたあとも、当時の王が大切に残したものだ。今は勿論、庭師が手入れをしている」
「消えた?お妃様が?」
あまりにあっさり言うものだから、なんだか拍子抜けしてしまった。だが話の内容は、さらりとしたものではなかった。
ここにかつていた妃は、毒草ばかりを選んで集めたことになる。その目的は、果たしてどんなことだったのか。
ダフネの問いに、マクベスが答えた。
「うん、ある日突然、跡形もなく」
それは亡くなったということなのか。だがそうであれば亡骸が残るだろう。跡形もなくとはどういうことか。妃は何者かに拐かされたのか、それとも自らの意思で逃亡を図ったのか。
「だから君には、毎夜、塔からテラスに出てほしいんだ。跡形もなくなんて、僕は勘弁願いたいからね」
立ち止まってしまったダフネの耳元に、マクベスが囁くように言った。その距離が近くて、思わず彼を見上げたときに、青い瞳と目が合った。
やはり、就寝前にテラスに出るのは、ダフネが何事もなく夜を迎えたという確認になっていたらしい。
「失踪したということなのですか?」
「まあ、そうなるのだろうね」
どうやらマクベスは、誘拐とは考えていないようだった。
「それで、消えたお妃様は見つかったのですか?」
「いいや。それきりだよ。そのままこの南棟は閉じられたんだ」
彼女の思い出とともに。そうマクベスは付け加えた。
「お妃様の失踪後に閉じられて、それからここはどうなっていたのです?」
「ずっと閉じられたままだった。大切に」
「大切に?」
「彼女の思い出が消えないように、大切に残しておきたかったのだろうね」
かつてここにいた妃は、よほど王の寵愛を受けていたようだ。
あの夢で見た大きなサファイアの指輪が思い浮かんで、夢であるのにそれが真実のように思えてくる。
「それなのに、わざわざ開いたのだと?」
「そうだね。君を迎えるために適していたからね」
正妃になり得ない妃たちの住まう後宮だった。最後の妃が姿をくらましてから長く閉じられていた場所が、王太子の婚約者のために開かれた。それはどこか皮肉なことに思えた。
「お妃様が住まわれていたのは、どれほど前のことなのですか?」
「どれくらいかな、百年は経つのではないかな」
ダフネはすっかり驚いてしまった。
百年も閉鎖されていた南棟を敢えて開いてまで、なぜ自分が移されたのか。
ダフネがここに来たときには、棟は昨日まで誰かが住んでいたように美しく整えられて、百年間も無人だったようには見えなかった。
それは併設する塔もこの庭園も同様で、今も手入れがされていることが窺われた。
ダフネはそこで、花の盛りを迎えている庭園をぐるりと見渡した。この花々もまた、百年もの間、守られていたというのか。
「どうしてそんなことを……」
呟くような問いに、マクベスが答えた。
「ここが一番、安全だからだよ。それに、塔のテラスは私の寝室からもよく見える」
「マクベス様の、寝室……」
男性に対して免疫のないダフネには、寝室ワードはすでに隠語に等しいものだった。
顔が真っ赤になっていることが、自分でもわかるほど頬が熱い。そんなダフネを楽しむように、マクベスが目を細めた。
「ダフネ」
名前を呼ばれて見上げれば、彼には先ほどまでの揶揄う素振りは見えなかった。
「王太子なんてなってはいるが、残念ながら僕は磐石な立場とは言い難い。自分の力だけで立つことができなくて、多くの者たちを犠牲にしてきた。けれど君には信じてほしい」
マクベスはそう言うと、左腕に掛けていたダフネの手に右手の平を重ねた。彼の熱い体温がダフネに伝わる。
「僕の背中は君に預ける。君が僕の背を預かろうと思えるような、そういう存在になるように努めよう」
彼の言葉の意味が、ダフネには痛いほど理解できた。
幼くして刺客を送られる生い立ちである。それからの日々も安全とは言い切れなかった筈で、恐らくダフネとの婚姻も、そんなマクベスを国王に押し上げるためのものだろう。
「貴方は私を信じてくださいますの?」
「うん。もう信じている」
その言葉だけで十分だった。
ダフネこそ辺境領に追いやられて、長く隠棲めいた暮らしをしてきた。生き馬の目を抜く政争の中で、マクベスを助けるにはあまりに非力だろう。
元から貸せるような力がないのだから、自分の持てるありったけを彼に預けよう。
「私の為せる全てを捧げて、貴方様をお守りすると誓いますわ」
いつか親友から「背中を預ける」と言われたことを思い出し、むくむくと誇らしい気持ちが湧いてきた。
彼女と同じ血を引くマクベスは、ダフネにとって最早、他人とはいえない存在だった。
「君のことは僕が必ず守るから。もう少しだけ、ここで辛抱してくれないか」
マクベスの言葉に、ダフネは冗談めかして答えた。
「まあ、マクベス様。貴方もご存知でしょう?私は長いこと田舎に引っ込んでおりましたのよ?今更、少しくらい閉じ籠ってもなんてことはごさいませんわ」
言い終えてから、ちょっと照れる気持ちが湧いてきて、ダフネは恥じらうようにはにかんだ。
「ダフネ……」
マクベスの声は男性にしては少し高く、それが耳に馴染んで心地よい。彼の声が好きだと思ったその時に、マクベスがふわりと近づいた。
彼はダフネの頬に接吻をした。触れるだけのわずかな接触だった。
だがダフネは男性に免疫がないのだから、そこから先の記憶がどこかに飛んでしまっても、誰も彼女を咎めることはできないだろう。
ダフネはそこで、マクベスに尋ねてみた。
聞きたいことは色々あった。
「マクベスと、呼んではくれないか」
「……」
「言ったよね。僕は君の夫となる男だと。妻に敬称で呼ばれるのは好ましくない」
好ましくない、なんて随分と遠回しな言い方だと思ったが、そこは素直に頷いた。
「マクベス様」
そう呼んでみれば、マクベスはわかりやすく破顔した。口元から真っ白な歯が覗いて、王族である彼が、このときばかりは身近な青年のように見えた。
「なに?ダフネ」
そういえば、彼は初めからダフネを名呼びしていた。馴染みのない婚約者を、彼なりに受け入れようとしているようだ。
信頼できる人間が限られているダフネにとって、少なくともマクベスは、信頼を寄せるべき人物なのだろう。
疑心暗鬼になるよりも彼を信じてみようと、出会ったばかりの婚約者にダフネは心を開いた。
「マクベス様。貴方にお聞きしたいことが山ほどございますの」
「ふっ、山ほど?」
マクベスは面白いというように、小さく笑みを漏らした。
「そうですわ。できれば一覧にしてお聞きしたいくらい。ですが、手始めに一つお尋ねいたします。このお庭は誰が手入れを?」
毒草ばかりを植える庭園が、何を目的にしていたのか。ダフネの問いに、マクベスは「ああ」と言ってあっさり教えてくれた。
「昔、ここにいた妃が手ずから植えたらしい。それを彼女が消えたあとも、当時の王が大切に残したものだ。今は勿論、庭師が手入れをしている」
「消えた?お妃様が?」
あまりにあっさり言うものだから、なんだか拍子抜けしてしまった。だが話の内容は、さらりとしたものではなかった。
ここにかつていた妃は、毒草ばかりを選んで集めたことになる。その目的は、果たしてどんなことだったのか。
ダフネの問いに、マクベスが答えた。
「うん、ある日突然、跡形もなく」
それは亡くなったということなのか。だがそうであれば亡骸が残るだろう。跡形もなくとはどういうことか。妃は何者かに拐かされたのか、それとも自らの意思で逃亡を図ったのか。
「だから君には、毎夜、塔からテラスに出てほしいんだ。跡形もなくなんて、僕は勘弁願いたいからね」
立ち止まってしまったダフネの耳元に、マクベスが囁くように言った。その距離が近くて、思わず彼を見上げたときに、青い瞳と目が合った。
やはり、就寝前にテラスに出るのは、ダフネが何事もなく夜を迎えたという確認になっていたらしい。
「失踪したということなのですか?」
「まあ、そうなるのだろうね」
どうやらマクベスは、誘拐とは考えていないようだった。
「それで、消えたお妃様は見つかったのですか?」
「いいや。それきりだよ。そのままこの南棟は閉じられたんだ」
彼女の思い出とともに。そうマクベスは付け加えた。
「お妃様の失踪後に閉じられて、それからここはどうなっていたのです?」
「ずっと閉じられたままだった。大切に」
「大切に?」
「彼女の思い出が消えないように、大切に残しておきたかったのだろうね」
かつてここにいた妃は、よほど王の寵愛を受けていたようだ。
あの夢で見た大きなサファイアの指輪が思い浮かんで、夢であるのにそれが真実のように思えてくる。
「それなのに、わざわざ開いたのだと?」
「そうだね。君を迎えるために適していたからね」
正妃になり得ない妃たちの住まう後宮だった。最後の妃が姿をくらましてから長く閉じられていた場所が、王太子の婚約者のために開かれた。それはどこか皮肉なことに思えた。
「お妃様が住まわれていたのは、どれほど前のことなのですか?」
「どれくらいかな、百年は経つのではないかな」
ダフネはすっかり驚いてしまった。
百年も閉鎖されていた南棟を敢えて開いてまで、なぜ自分が移されたのか。
ダフネがここに来たときには、棟は昨日まで誰かが住んでいたように美しく整えられて、百年間も無人だったようには見えなかった。
それは併設する塔もこの庭園も同様で、今も手入れがされていることが窺われた。
ダフネはそこで、花の盛りを迎えている庭園をぐるりと見渡した。この花々もまた、百年もの間、守られていたというのか。
「どうしてそんなことを……」
呟くような問いに、マクベスが答えた。
「ここが一番、安全だからだよ。それに、塔のテラスは私の寝室からもよく見える」
「マクベス様の、寝室……」
男性に対して免疫のないダフネには、寝室ワードはすでに隠語に等しいものだった。
顔が真っ赤になっていることが、自分でもわかるほど頬が熱い。そんなダフネを楽しむように、マクベスが目を細めた。
「ダフネ」
名前を呼ばれて見上げれば、彼には先ほどまでの揶揄う素振りは見えなかった。
「王太子なんてなってはいるが、残念ながら僕は磐石な立場とは言い難い。自分の力だけで立つことができなくて、多くの者たちを犠牲にしてきた。けれど君には信じてほしい」
マクベスはそう言うと、左腕に掛けていたダフネの手に右手の平を重ねた。彼の熱い体温がダフネに伝わる。
「僕の背中は君に預ける。君が僕の背を預かろうと思えるような、そういう存在になるように努めよう」
彼の言葉の意味が、ダフネには痛いほど理解できた。
幼くして刺客を送られる生い立ちである。それからの日々も安全とは言い切れなかった筈で、恐らくダフネとの婚姻も、そんなマクベスを国王に押し上げるためのものだろう。
「貴方は私を信じてくださいますの?」
「うん。もう信じている」
その言葉だけで十分だった。
ダフネこそ辺境領に追いやられて、長く隠棲めいた暮らしをしてきた。生き馬の目を抜く政争の中で、マクベスを助けるにはあまりに非力だろう。
元から貸せるような力がないのだから、自分の持てるありったけを彼に預けよう。
「私の為せる全てを捧げて、貴方様をお守りすると誓いますわ」
いつか親友から「背中を預ける」と言われたことを思い出し、むくむくと誇らしい気持ちが湧いてきた。
彼女と同じ血を引くマクベスは、ダフネにとって最早、他人とはいえない存在だった。
「君のことは僕が必ず守るから。もう少しだけ、ここで辛抱してくれないか」
マクベスの言葉に、ダフネは冗談めかして答えた。
「まあ、マクベス様。貴方もご存知でしょう?私は長いこと田舎に引っ込んでおりましたのよ?今更、少しくらい閉じ籠ってもなんてことはごさいませんわ」
言い終えてから、ちょっと照れる気持ちが湧いてきて、ダフネは恥じらうようにはにかんだ。
「ダフネ……」
マクベスの声は男性にしては少し高く、それが耳に馴染んで心地よい。彼の声が好きだと思ったその時に、マクベスがふわりと近づいた。
彼はダフネの頬に接吻をした。触れるだけのわずかな接触だった。
だがダフネは男性に免疫がないのだから、そこから先の記憶がどこかに飛んでしまっても、誰も彼女を咎めることはできないだろう。
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