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海の色1
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早朝ということもあって、僅かに夜気を残す湿った空気が瑞々しく感じられた。
アンドリューは今日、出立する。
オフィーリアは、見送りの為に先に控えて待っていた。
帝国は鉄道を有している。
しかし、それは国内を中心とするもので、他国との連携は未だ成されておらず、各国目下の目標としているところである。
近年では自動車も流通し始め、貴族や商家を中心に市中に出回ってはいるが、それは平坦な障害の少ない路を走るもので、まだまだ長距離の走行には及ばない。
帝国から母国へは山脈を跨ぐため、急峻な山間の道もある。
アンドリューは、馬車での帰路となる。
二週間程の行程を要する旅となる。
オフィーリアが帝国に渡る際には、海路を選んだ。
交易を生業とするオールブランス家は船を持つ。当然、航路の権利も有しており、王都から最も近い港を選んでの船旅であった。
遠回りになる為、陸路に比べると数日日にちは掛かるが、幼い頃より慣れ親しんだ海の旅は、オフィーリアの門出を後押ししてくれているようで心強かった。
深く碧い海の色を、アンドリューにも見せてあげたいとオフィーリアは思った。
そんなことに思考を巡らしているうちに、女王陛下への挨拶を終えたアンドリューが現れた。
昨日は体調を崩していたと聞き心配していたが、顔色は良さそうで安堵した。
「オフィーリア」
名を呼ばれて、オフィーリアは側へと歩む。
アンドリューの正面まで歩みを進め、カーテシーの姿勢をとる前に
「良いよ、こちらへおいで。」と声を掛けられた。
アンドリューは今日、出立する。
オフィーリアは、見送りの為に先に控えて待っていた。
帝国は鉄道を有している。
しかし、それは国内を中心とするもので、他国との連携は未だ成されておらず、各国目下の目標としているところである。
近年では自動車も流通し始め、貴族や商家を中心に市中に出回ってはいるが、それは平坦な障害の少ない路を走るもので、まだまだ長距離の走行には及ばない。
帝国から母国へは山脈を跨ぐため、急峻な山間の道もある。
アンドリューは、馬車での帰路となる。
二週間程の行程を要する旅となる。
オフィーリアが帝国に渡る際には、海路を選んだ。
交易を生業とするオールブランス家は船を持つ。当然、航路の権利も有しており、王都から最も近い港を選んでの船旅であった。
遠回りになる為、陸路に比べると数日日にちは掛かるが、幼い頃より慣れ親しんだ海の旅は、オフィーリアの門出を後押ししてくれているようで心強かった。
深く碧い海の色を、アンドリューにも見せてあげたいとオフィーリアは思った。
そんなことに思考を巡らしているうちに、女王陛下への挨拶を終えたアンドリューが現れた。
昨日は体調を崩していたと聞き心配していたが、顔色は良さそうで安堵した。
「オフィーリア」
名を呼ばれて、オフィーリアは側へと歩む。
アンドリューの正面まで歩みを進め、カーテシーの姿勢をとる前に
「良いよ、こちらへおいで。」と声を掛けられた。
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