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第1章 魔法を極めた王、異世界に行く
25:逃走-2
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「し、しょぉ……あっ! そこは……ダメぇ……」
反対側からエリィの情けない声が聞こえる。まぁあっちは確認するまでもなく捕獲が完了してるからな。
ブルーも増えすぎた腕に身体を掴まれ始め、終わりが見え始めた。水属性魔法をぶつけて分裂やら増幅やら確認したら、属性を変えるなり打撃などを試すなりして突破口を見つける工夫をするものだ。
「ねぇ待って! ぁんっ! そっちは違……んんっ!」
何やらエリィが必死に叫んでいるが、そいつからは逃げられないぞ。多分両手足を捕まえて地面に組み伏せられてるのだろう。
それよりもブルーだが……ソイルアームによって全身をぐるぐる巻きにされ、抵抗する気を完全に奪われたらしい。
最終的に土腕は40本近くになり、だいぶ抵抗したのが伺える。ブルーには修行ルーティーンに、相手の特性の観察や突発的な対応が出来るようになる修行を組み込んでもいいかもしれないな。
ブルーも大人しくなりエリィも声を上げなくなったので、改めて最初の場所に戻してやる。
エリィは顔を真っ赤にしながら痙攣中、ブルーも投げやりな顔をしながら空を見ている。どうやら大人しく魔力玉の消費に付き合う気になったっぽいな、いい事だ。
俺はエリィ達を広場の真ん中に置くと、中心から少し離れた場所に土壁を出してエリィ達を囲う。さっきブルーが破壊できなかったぐらいの強度にはしてあるので、これから俺の魔法と彼女達の魔法がぶつかり合っても問題はないだろう。
俺は待機させていた魔力玉を、エリィ達を囲うようにして配置して準備は完了だ。
「ハイヒール、マナインカリ」
とりあえずさっきのじゃれあいで消費した魔力と体力を回復してやり、拘束も解くと意識を取り戻した2人。高めの壁に囲われて逃げ場がない事を認識すると、浮かんでいる魔力玉を見て絶望的な表情を浮かべた。
反対に俺は壁の上に腰掛けて、手を優しく振りながらにこやかな表情を浮かべる。
「さーて、楽しい楽しいお時間ですネ!」
「無理ですよ師匠!!」
「待って待って待って! 無理だよぉ」
2人が抱き合いながら無理だと訴えてくる。まだやった事もないのに無理だと決めつけるのはいかがなものだろうか?
それにこの魔力玉を魔法化させても、大した威力になるとは思えないし、そもそもこれぐらい捌けるようになって貰わないと困る。今日までやってきた修行内容でも十分に対応することが可能だ。
「大丈夫大丈夫。ちゃんと常に回復もしてやるし、そもそも痛みも少ないよ?」
「ひぃぃ」
「悪魔! いや魔王か師匠は!」
女神にも言われた気がするワードが聞こえたが、まぁ気にしないでおこう。
俺は待機させていた魔力玉を小分けにしながらエリィ達の周りに動かしていく。文句を言っていたエリィもブルーも覚悟を決めたのか、ちゃんと魔力布衣を展開して迎撃体制になった。
最初はただ魔力を纏っていただけの魔力布衣も、今となってはしっかりと練りこまれて密度が上がっている。やはり俺の修行方法は間違っていないな。
「やりますよ! やってやりますよ! ちくしょう!」
「ぼ、僕も負けない! やってやるぅぅぅ!」
「んじゃ、開始だ!」
俺は両手を広げ、色々な属性と共に魔法を発動した。
反対側からエリィの情けない声が聞こえる。まぁあっちは確認するまでもなく捕獲が完了してるからな。
ブルーも増えすぎた腕に身体を掴まれ始め、終わりが見え始めた。水属性魔法をぶつけて分裂やら増幅やら確認したら、属性を変えるなり打撃などを試すなりして突破口を見つける工夫をするものだ。
「ねぇ待って! ぁんっ! そっちは違……んんっ!」
何やらエリィが必死に叫んでいるが、そいつからは逃げられないぞ。多分両手足を捕まえて地面に組み伏せられてるのだろう。
それよりもブルーだが……ソイルアームによって全身をぐるぐる巻きにされ、抵抗する気を完全に奪われたらしい。
最終的に土腕は40本近くになり、だいぶ抵抗したのが伺える。ブルーには修行ルーティーンに、相手の特性の観察や突発的な対応が出来るようになる修行を組み込んでもいいかもしれないな。
ブルーも大人しくなりエリィも声を上げなくなったので、改めて最初の場所に戻してやる。
エリィは顔を真っ赤にしながら痙攣中、ブルーも投げやりな顔をしながら空を見ている。どうやら大人しく魔力玉の消費に付き合う気になったっぽいな、いい事だ。
俺はエリィ達を広場の真ん中に置くと、中心から少し離れた場所に土壁を出してエリィ達を囲う。さっきブルーが破壊できなかったぐらいの強度にはしてあるので、これから俺の魔法と彼女達の魔法がぶつかり合っても問題はないだろう。
俺は待機させていた魔力玉を、エリィ達を囲うようにして配置して準備は完了だ。
「ハイヒール、マナインカリ」
とりあえずさっきのじゃれあいで消費した魔力と体力を回復してやり、拘束も解くと意識を取り戻した2人。高めの壁に囲われて逃げ場がない事を認識すると、浮かんでいる魔力玉を見て絶望的な表情を浮かべた。
反対に俺は壁の上に腰掛けて、手を優しく振りながらにこやかな表情を浮かべる。
「さーて、楽しい楽しいお時間ですネ!」
「無理ですよ師匠!!」
「待って待って待って! 無理だよぉ」
2人が抱き合いながら無理だと訴えてくる。まだやった事もないのに無理だと決めつけるのはいかがなものだろうか?
それにこの魔力玉を魔法化させても、大した威力になるとは思えないし、そもそもこれぐらい捌けるようになって貰わないと困る。今日までやってきた修行内容でも十分に対応することが可能だ。
「大丈夫大丈夫。ちゃんと常に回復もしてやるし、そもそも痛みも少ないよ?」
「ひぃぃ」
「悪魔! いや魔王か師匠は!」
女神にも言われた気がするワードが聞こえたが、まぁ気にしないでおこう。
俺は待機させていた魔力玉を小分けにしながらエリィ達の周りに動かしていく。文句を言っていたエリィもブルーも覚悟を決めたのか、ちゃんと魔力布衣を展開して迎撃体制になった。
最初はただ魔力を纏っていただけの魔力布衣も、今となってはしっかりと練りこまれて密度が上がっている。やはり俺の修行方法は間違っていないな。
「やりますよ! やってやりますよ! ちくしょう!」
「ぼ、僕も負けない! やってやるぅぅぅ!」
「んじゃ、開始だ!」
俺は両手を広げ、色々な属性と共に魔法を発動した。
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