修行大好き魔王様、異世界でもみっちり修行して世界を回るそうです

ねっとり

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第1章 魔法を極めた王、異世界に行く

25:逃走-3

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 20分が経過し、魔力玉も1/3近くは消費されている。エリィとブルーは頑張って襲ってくる魔法を魔法で対抗し、撃ち落とし、回避しながらまだ立ち続けていた。
 しかし時間が経つにつれ精度や動きは鈍くなってしまう。今も左右からの魔法に対応できずエリィがダメージを受ける、そこに気を取られたブルーも振り向いた後ろから魔法が直撃した。

「エリィ、大丈夫?」
「ええ、なんとかまだやれるわ。ブルーこそ」
「僕もまだまだ大丈夫だよ!」

 2人が体勢を崩したら魔法を止めて立て直すまでの時間は与える。本来の戦闘にそんな時間は存在しないが、今はまだそこまで追い詰める必要はない。
 だがノロノロした動きなら強制的に動かそうと考えていたが、どうやら2人とも負けず嫌いが幸いしてるらしい。
 直撃を喰らってもすぐに立ち上がり、俺の魔力玉の動きを見逃さないよう集中している。

「ブルー、デカいのから仕留めていこう!」
「おーけー! タイミングも計っていくよ!」

 段々と2人の息も合っていく。魔力玉の中には一部魔力をやや多めに入れている玉もあり、先程までの経験からそこに気付いたらしい。
 魔力凝視でちゃんと確認をし続ければ難なく対処も可能だが、確認を怠りさっきと同じだと思い込んでると痛い目に遭う。人間は経験を積んで過去を糧にして成長するものだ。
 見てる限り人間だけでなくブルーもだな。

 さらに30分が経過した頃、先にエリィの足がふらつき始めた。ブルーがそれに気付くと、尻尾でエリィの背中を支える。

「エリィ、大丈夫!?」
「ありがと。まだ……まだ大丈夫よ!!」

 エリィは根性で踏ん張っている。魔力の残りが少なくなっているが、魔力玉はまだ終わりが見えていない。それでも魔力布衣で身体能力を底上げしつつ、降ってきた魔法に対抗し続ける。
 ブルーも魔力は減っている。エリィより多いとはいえ、このままでは2人とも魔力を使い果たすだろう。

「ほう?」

 そんな中で、エリィが少し違った動きを見せ始めた。
 魔力を使って魔素を操り魔法へ変換して放つ……その動作には変わりがないが、その中身に違いが出始めた。残り少ない魔力で、最低限の量を使って魔素を掴む。そして掴んだ魔素を魔力へと変換しさらに多くの魔素を掴み始めたのだ。
 掴んだ魔素を魔法へと変換し、襲ってくる魔法を迎撃する。さらにその迎撃時に使う魔力も魔素で作り上げており、その魔力を残したまままた次の魔素を捕まえにいく。

 繊細なコントロールが求められる無限魔力オーバーループに気付くとはさすがだな。
 一度魔素を取り込みすぎて失敗したが、その恐怖を乗り越えて魔素を操ることができている。これならもう暫くは持つことだろう。

 そしてブルーにも変化が現れた。
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