県学園!

こんぶ

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トイレ

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すっ

トイレに入る。

「…ん?」

き、綺麗だな。
思ったよりピカピカだ。
というか、白い。真っ白。チカチカするくらい。

「き、綺麗だな…」

「だろう?ふん」

…だ、誰?
いきなり?

唐突かっ。

「俺は1-Dの蒲郡ってんだ!いやぁ、やっぱり掃除は気分爽快だな」

「ここのトイレ掃除をしてるのか」

頑張るなぁ。

「トイレ掃除は、一番人の心を映すんだぜ…トイレの輝きは心の輝きってな」

「ふーん…そう」

「いや、今けっこう良いこと言ったつもりなんだけどな?」

「蒲郡って、掃除好きなの?」

「あぁ!」

「変わってるな」

「よく言われ…ないわぁ!初対面でそれは失礼すぎだろ!」

「すまんすまん。じゃ、トイレ掃除頑張れよ。俺、尊敬するぜ、そうやって何かにうちこめること。たかだかトイレ掃除、じゃないと思うけどね。されど、トイレ掃除!身近にあるけど目に見えないだろ?そういうありがたさ。ありがとな」

「う、うむ…」

「いや、照れんなよ」

「なかなかほめられないものでな」

「…そうか、じゃあな」

「…用を足さないのか!?」

「…うん」

だって、後味悪いでしょ、この話の後にやったら。

「まぁ、良いか…じゃあな」

「おう」

トイレを去った。
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