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プロローグ
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おまじない
世間では主に女性が多く利用するであろう、オカルトの類。呪文を唱えれば夢が叶う。あの子の髪の毛を自分の机に三日間しまっておくと、両思いになる…などなどあるが、そんな夢物語はしかし実現しない。
そう、実現しないのだ…
「フーッフーッ」
だから俺…おまじないなんかやめろ。
「いや、しかし…」
別にやっても成功しないんだし、やってもやらなくても良いのならやった方がいいんじゃないか?
「いくぞ…」
少し緊張して、胸のあたりがキュッとなる。
「フゥッフゥッ…いくぞ…×××××」
「ハァッ!!」
…
目の前には虚ろな闇が広がっていた。
つまりは何も起きなかった訳だ。
俺は馬鹿か…
「はぁ…何やってんだろ…俺…さっさと寝よ」
アホらしい。
新学期で成功するまじないなんて、効くわけがないじゃないか。
布団に入り就寝する。
「グゥゥウゥ」
─────
────
──
─キィィィィン
「痛って!」
な…なんだ?
耳のあたりが…
「あれ?全然痛くない…??」
な…なんだ?
俺はこの時、これをただの錯覚だと思っていた。
愚かにも。
この先の未来を知らずに
◇
「ねぇ、魂の存在を、あなたは信じるかしら?」
「…は、はぁ?た、魂?」
「そう。魂…って、何をオカルトちっくな話をしているのか、と言うところなのだけれどね…魂って、あるのよ」
「…?」
「人が死ぬ瞬間にね、確か、二十一グラムくらい、体重が軽くなるんだって…それが魂と呼ばれるもの…らしいんだけど、全然違うみたいなの」
「…全然違う?」
「そうね…まぁ、全然違うっていうのは私の持論なのだけれどね…魂というものは、元来意識と呼ばれるものである…と、考えるのが妥当じゃないかしら」
「意識…でも、魂って人の体だけに宿っているわけではないんですよね?他の生物にも宿っているんですよね」
「そうね…あなたの言うとおり生物に宿っているかもね?でもね、生物の定義って、面白いのよ?生物ってね、然り人間、然り動物、然り自然なのよ…いい?そもそも私達を構成する物質は、もとをただせばただの原子や分子構造でしかないのだから…そこに転がっている石だって、生物と定義することは出来るわよ」
「は、はぁ」
「分からないかしら?そうね、例えばの話なんだけれど、一部の生物に、魂というものがある、だけであり、魂っていうのは、人間の臓器みたいに、必要があるからこそ、あるものじゃないかと思うのね」
「…えっと…?つまり、生物の体の一部が魂なんだけど、魂という器官をもつ生物は限られている、って事ですか?」
「そう。その通りね…その中に人間が含まれているの…でもね、それは輪廻などは関係ない、ただの物質なのよ…分かるかしら?つまり、死とは魂の消滅をさすのよ…輪廻なんて存在しないの…死んだら意識が消えて、それ以降の未来は存在しないの…ただの肉の塊になってしまうのよ」
「は、はぁ…つまり?」
「あなたは魂の存在を信じるかしら?」
「…え?どうしてまた?」
「あなたは魂の存在を信じるかしら?」
「…ま、まぁ、そこまで力説するのなら」
「うふふふふ、じゃあ取引しましょうよ?」
「…え?」
「確か…こんな神話がなかったかしら?悪魔は人の魂と引き換えに、何かを叶えてやるって…ねぇ、どうして悪魔は魂を欲しがると思うかしら?」
「…え?…えっと」
「悪魔の主食が魂というわけでもないのよ…つまりね、魂というのは意識そのもの…魂が多ければ意識の延長は続く…死には至らない…悪魔とはね、死に怯えた、魂を、貪る人間の神格化なのよ…うふふふふ、もうおわかり?」
「えっ、あ…」
「さてと、あなたは何を差し出してくれるかしら?…因みに…逃げることは出来ないわよ…うふふふふ」
「が、あっ」
「逃げるとね、体がバラバラに引き裂けちゃうのよぉー、アハハハハッ!」
「…っっ!?この、悪魔め!」
「…んー、そうね…だって私は…悪魔ですもの…あっハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!」
世間では主に女性が多く利用するであろう、オカルトの類。呪文を唱えれば夢が叶う。あの子の髪の毛を自分の机に三日間しまっておくと、両思いになる…などなどあるが、そんな夢物語はしかし実現しない。
そう、実現しないのだ…
「フーッフーッ」
だから俺…おまじないなんかやめろ。
「いや、しかし…」
別にやっても成功しないんだし、やってもやらなくても良いのならやった方がいいんじゃないか?
「いくぞ…」
少し緊張して、胸のあたりがキュッとなる。
「フゥッフゥッ…いくぞ…×××××」
「ハァッ!!」
…
目の前には虚ろな闇が広がっていた。
つまりは何も起きなかった訳だ。
俺は馬鹿か…
「はぁ…何やってんだろ…俺…さっさと寝よ」
アホらしい。
新学期で成功するまじないなんて、効くわけがないじゃないか。
布団に入り就寝する。
「グゥゥウゥ」
─────
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─キィィィィン
「痛って!」
な…なんだ?
耳のあたりが…
「あれ?全然痛くない…??」
な…なんだ?
俺はこの時、これをただの錯覚だと思っていた。
愚かにも。
この先の未来を知らずに
◇
「ねぇ、魂の存在を、あなたは信じるかしら?」
「…は、はぁ?た、魂?」
「そう。魂…って、何をオカルトちっくな話をしているのか、と言うところなのだけれどね…魂って、あるのよ」
「…?」
「人が死ぬ瞬間にね、確か、二十一グラムくらい、体重が軽くなるんだって…それが魂と呼ばれるもの…らしいんだけど、全然違うみたいなの」
「…全然違う?」
「そうね…まぁ、全然違うっていうのは私の持論なのだけれどね…魂というものは、元来意識と呼ばれるものである…と、考えるのが妥当じゃないかしら」
「意識…でも、魂って人の体だけに宿っているわけではないんですよね?他の生物にも宿っているんですよね」
「そうね…あなたの言うとおり生物に宿っているかもね?でもね、生物の定義って、面白いのよ?生物ってね、然り人間、然り動物、然り自然なのよ…いい?そもそも私達を構成する物質は、もとをただせばただの原子や分子構造でしかないのだから…そこに転がっている石だって、生物と定義することは出来るわよ」
「は、はぁ」
「分からないかしら?そうね、例えばの話なんだけれど、一部の生物に、魂というものがある、だけであり、魂っていうのは、人間の臓器みたいに、必要があるからこそ、あるものじゃないかと思うのね」
「…えっと…?つまり、生物の体の一部が魂なんだけど、魂という器官をもつ生物は限られている、って事ですか?」
「そう。その通りね…その中に人間が含まれているの…でもね、それは輪廻などは関係ない、ただの物質なのよ…分かるかしら?つまり、死とは魂の消滅をさすのよ…輪廻なんて存在しないの…死んだら意識が消えて、それ以降の未来は存在しないの…ただの肉の塊になってしまうのよ」
「は、はぁ…つまり?」
「あなたは魂の存在を信じるかしら?」
「…え?どうしてまた?」
「あなたは魂の存在を信じるかしら?」
「…ま、まぁ、そこまで力説するのなら」
「うふふふふ、じゃあ取引しましょうよ?」
「…え?」
「確か…こんな神話がなかったかしら?悪魔は人の魂と引き換えに、何かを叶えてやるって…ねぇ、どうして悪魔は魂を欲しがると思うかしら?」
「…え?…えっと」
「悪魔の主食が魂というわけでもないのよ…つまりね、魂というのは意識そのもの…魂が多ければ意識の延長は続く…死には至らない…悪魔とはね、死に怯えた、魂を、貪る人間の神格化なのよ…うふふふふ、もうおわかり?」
「えっ、あ…」
「さてと、あなたは何を差し出してくれるかしら?…因みに…逃げることは出来ないわよ…うふふふふ」
「が、あっ」
「逃げるとね、体がバラバラに引き裂けちゃうのよぉー、アハハハハッ!」
「…っっ!?この、悪魔め!」
「…んー、そうね…だって私は…悪魔ですもの…あっハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!」
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