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罰
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A4サイズの白い封筒。それが健太の手の中にある。先週、健太の元に送られてきた、約束ノートが入った封筒と全く同じ物だ。今回も差出人の名も、健太の住所も書かれていない。
健太は早歩きで自分の部屋に向かい、鍵を開けた。玄関で靴を脱ぎ捨て、部屋に入った健太は、封筒を破り中を確認した。
入っていたのは、先週と同じ真っ黒なノートだった。そして先週とは違い、一枚の紙が入っている。
健太は先に、ノートを開いた。
最初のページ目には、赤い文字でこう書かれていた。
『このノートは約束ノート。このノートを受け取った者は、一週間に一度、約束事をこのノートに書く事を約束します。尚、約束を破れば罰が下ります。』
「…だ、誰だ!?」
一瞬、思考が止まったが、健太はわなわなと震えだした。
いたずらにしたら、度が過ぎている。悪質ないたずらだ。
健太は差出人の手掛かりになるかと、封筒に入っていた、一枚の紙を見詰めた。
『約束を破った罰として、田島遥を拉致監禁した』
紙の中央には、手書きの文字でそれだけが書いてある。
「なっ!」
健太は目を見開き、肩を震わせた。
「だ、誰がこんな物を!」
頭に洋子の顔が浮かんだ。しかし洋子は、既にこの世を去っている。差出人は別の人物だ。
健太は紙をテーブルの上に置き、思案した。
いたずらか、本当か。しかし現に、遥の携帯電話は家にある為、連絡が取れない状態だ。いたずらではなく本当だとすれば、一刻を争う事態だ。
健太は携帯電話で警察に電話した。
「はい、こちら警察です。どうされましたか?」
女性のオペレーターが、電話に出た。
「知り合いが誘拐されたかもしれません」
「分かりました。あなたが現在居る場所を教えて下さい」
健太は自分の住所を告げた。
「分かりました。どうして誘拐されたと思われるんですか?」
「犯行文が送られてきました。誘拐された人は田島遥さんといいます。田島さんは今日、無断欠勤をして、連絡が取れない状態なんです」
「そうですか。それはご心配ですね。田島遥さんは携帯電話をお持ちではないのですか?」
「普段は持ち歩いていると思いますが、家に置いてあるみたいです。電話を掛けたら、田島さんの家の中から着信音が聞こえました」
「田島遥さんの住所を教えてください」
「…分かりません。アパートは知ってますが、住所は分からないです」
「分かりました。田島さんのお勤め先と、住んでいる地域を教えて下さい」
健太は質問に答えた。
「分かりました、こちらで調べます。間もなくパトカーが着くと思います。戸締まりをしっかりして、家から出ないで下さい」
「分かりました」
健太はそう言うと、電話を切った。
部屋の中から音が消えた。冷静に話せていたが、これは現実なのだと、漸く脳が理解した。
体が震えてきた。怒りが沸いてきた。不安になってきた。それよりも、遥の事が心配で堪らなくなった。
ふと和也の顔が頭に浮かんだ。
健太は携帯電話を見詰めた。今、和也に伝えるべきか。まだ伝えないべきか。健太は暫く考えた。そして、和也に電話を掛けた。
健太は早歩きで自分の部屋に向かい、鍵を開けた。玄関で靴を脱ぎ捨て、部屋に入った健太は、封筒を破り中を確認した。
入っていたのは、先週と同じ真っ黒なノートだった。そして先週とは違い、一枚の紙が入っている。
健太は先に、ノートを開いた。
最初のページ目には、赤い文字でこう書かれていた。
『このノートは約束ノート。このノートを受け取った者は、一週間に一度、約束事をこのノートに書く事を約束します。尚、約束を破れば罰が下ります。』
「…だ、誰だ!?」
一瞬、思考が止まったが、健太はわなわなと震えだした。
いたずらにしたら、度が過ぎている。悪質ないたずらだ。
健太は差出人の手掛かりになるかと、封筒に入っていた、一枚の紙を見詰めた。
『約束を破った罰として、田島遥を拉致監禁した』
紙の中央には、手書きの文字でそれだけが書いてある。
「なっ!」
健太は目を見開き、肩を震わせた。
「だ、誰がこんな物を!」
頭に洋子の顔が浮かんだ。しかし洋子は、既にこの世を去っている。差出人は別の人物だ。
健太は紙をテーブルの上に置き、思案した。
いたずらか、本当か。しかし現に、遥の携帯電話は家にある為、連絡が取れない状態だ。いたずらではなく本当だとすれば、一刻を争う事態だ。
健太は携帯電話で警察に電話した。
「はい、こちら警察です。どうされましたか?」
女性のオペレーターが、電話に出た。
「知り合いが誘拐されたかもしれません」
「分かりました。あなたが現在居る場所を教えて下さい」
健太は自分の住所を告げた。
「分かりました。どうして誘拐されたと思われるんですか?」
「犯行文が送られてきました。誘拐された人は田島遥さんといいます。田島さんは今日、無断欠勤をして、連絡が取れない状態なんです」
「そうですか。それはご心配ですね。田島遥さんは携帯電話をお持ちではないのですか?」
「普段は持ち歩いていると思いますが、家に置いてあるみたいです。電話を掛けたら、田島さんの家の中から着信音が聞こえました」
「田島遥さんの住所を教えてください」
「…分かりません。アパートは知ってますが、住所は分からないです」
「分かりました。田島さんのお勤め先と、住んでいる地域を教えて下さい」
健太は質問に答えた。
「分かりました、こちらで調べます。間もなくパトカーが着くと思います。戸締まりをしっかりして、家から出ないで下さい」
「分かりました」
健太はそう言うと、電話を切った。
部屋の中から音が消えた。冷静に話せていたが、これは現実なのだと、漸く脳が理解した。
体が震えてきた。怒りが沸いてきた。不安になってきた。それよりも、遥の事が心配で堪らなくなった。
ふと和也の顔が頭に浮かんだ。
健太は携帯電話を見詰めた。今、和也に伝えるべきか。まだ伝えないべきか。健太は暫く考えた。そして、和也に電話を掛けた。
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