93 / 298
モンスター
11
しおりを挟む
青木はテレビを食い入るように見始めた。
三十分程経過した。青木が不意に呟いた。
「まだ、二階堂の死体は発見されてないようだな」
青木はにやりと笑った。そしてその顔を雅史に向けた。
「…鹿島は誰が殺してくれたのか知らんが、新庄は俺が殺したんだ」
「…お前が殺したのか」
ずっと探していた弥生を殺した相手が目の前にいる。これまで以上のどす黒い感情が雅史の体を支配した。
「そうだよ。二階堂も殺した。雅史を汚した女は許せんからな…皆殺しにしてやるんだ」
青木は尋常ではない目付きをしている。
雅史は人の楽しみを奪った青木を、今すぐにでも殺したいと願った。しかし、どんなに力を込めても、体に巻き付くロープは解けてはくれない。
「後、十人残ってるな…全て終わったら一緒に死のうな…日本の警察は優秀だっていうから、俺きっと捕まっちゃう…雅史と離れるの嫌だから…一緒に死のうな」
青木は既に死を覚悟しているのかもしれない。いや、頭がおかしくなっているのかもしれない。いや、その両方だろう。真剣な表情で淡々と語った。
感情を剥き出しにしていた雅史の顔から、殺意がなくなった。消えた訳ではない。必死に抑えているのだ。今すべき事は、感情を表に出す事ではない。感情を押し殺し、同調する事だ。そうすれば、殺すチャンスはくる。
雅史は口角を上げ、笑顔を作った。
「…分かった…死んでやるから、ロープを解いてくれ」
青木は眉間に皺を寄せた。
「…駄目だね…逃げるつもりだろう」
「逃げない…信じてくれ」
雅史は目で訴えた。
「駄目だよ…雅史の事は信じてあげたいけど…」
青木が目を逸らした。
雅史は空かさず言葉を繋げた。
「じゃあ、どうすれば信じてくれる?」
青木が雅史に視線を戻した。試すような目付きだ。
「…じゃあ、誰か殺してみてよ…あの女達の誰か連れてくるから」
心臓が高鳴った。全ての細胞が歓喜した。
雅史の喜びを知らない青木は、探るように見詰めている。
雅史は喜びを飲み込んだ。そして、苦しそうな顔をして答えた。
「…分かった亅
愛する者が口にする言葉は誰でも、信じたくなるものだ。しかし、殺人となれば別の話。だが、青木はやはり精神状態が普通ではなかった。その答えを信じたいようだ。
「…じゃあ、今から誰か連れてくるよ…あいつは今頃バイトしてる時間だな」
青木は一人の人物を思い浮かべた。
三十分程経過した。青木が不意に呟いた。
「まだ、二階堂の死体は発見されてないようだな」
青木はにやりと笑った。そしてその顔を雅史に向けた。
「…鹿島は誰が殺してくれたのか知らんが、新庄は俺が殺したんだ」
「…お前が殺したのか」
ずっと探していた弥生を殺した相手が目の前にいる。これまで以上のどす黒い感情が雅史の体を支配した。
「そうだよ。二階堂も殺した。雅史を汚した女は許せんからな…皆殺しにしてやるんだ」
青木は尋常ではない目付きをしている。
雅史は人の楽しみを奪った青木を、今すぐにでも殺したいと願った。しかし、どんなに力を込めても、体に巻き付くロープは解けてはくれない。
「後、十人残ってるな…全て終わったら一緒に死のうな…日本の警察は優秀だっていうから、俺きっと捕まっちゃう…雅史と離れるの嫌だから…一緒に死のうな」
青木は既に死を覚悟しているのかもしれない。いや、頭がおかしくなっているのかもしれない。いや、その両方だろう。真剣な表情で淡々と語った。
感情を剥き出しにしていた雅史の顔から、殺意がなくなった。消えた訳ではない。必死に抑えているのだ。今すべき事は、感情を表に出す事ではない。感情を押し殺し、同調する事だ。そうすれば、殺すチャンスはくる。
雅史は口角を上げ、笑顔を作った。
「…分かった…死んでやるから、ロープを解いてくれ」
青木は眉間に皺を寄せた。
「…駄目だね…逃げるつもりだろう」
「逃げない…信じてくれ」
雅史は目で訴えた。
「駄目だよ…雅史の事は信じてあげたいけど…」
青木が目を逸らした。
雅史は空かさず言葉を繋げた。
「じゃあ、どうすれば信じてくれる?」
青木が雅史に視線を戻した。試すような目付きだ。
「…じゃあ、誰か殺してみてよ…あの女達の誰か連れてくるから」
心臓が高鳴った。全ての細胞が歓喜した。
雅史の喜びを知らない青木は、探るように見詰めている。
雅史は喜びを飲み込んだ。そして、苦しそうな顔をして答えた。
「…分かった亅
愛する者が口にする言葉は誰でも、信じたくなるものだ。しかし、殺人となれば別の話。だが、青木はやはり精神状態が普通ではなかった。その答えを信じたいようだ。
「…じゃあ、今から誰か連れてくるよ…あいつは今頃バイトしてる時間だな」
青木は一人の人物を思い浮かべた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)その後
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合つまた。
その後、大学を卒業した祐輔(ユウスケ)の新たなストーリーが始まった。
全15話を予定
【完結】不貞された私を責めるこの国はおかしい
春風由実
恋愛
婚約者が不貞をしたあげく、婚約破棄だと言ってきた。
そんな私がどうして議会に呼び出され糾弾される側なのでしょうか?
婚約者が不貞をしたのは私のせいで、
婚約破棄を命じられたのも私のせいですって?
うふふ。面白いことを仰いますわね。
※最終話まで毎日一話更新予定です。→3/27完結しました。
※カクヨムにも投稿しています。
秘書と社長の秘密
廣瀬純七
大衆娯楽
社内の調査のため、社長・高橋健一はこっそり秘書・木村由紀と不思議なアプリで入れ替わることに。
突然“社長役”を任された由紀と、自由に動ける立場を手に入れた高橋。
ふたりの秘密の入れ替わり作戦は、どの様な結末になるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる