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モンスター
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「雅史!何ごちゃごちゃ喋ってるんだ!さっさと殺せ!」
青木が後ろから、顔を真っ赤にして叫んだ。
「…分かってるよ」
雅史は答えると、床に転がっている自分を縛っていたロープを手に取った。
「…ま、雅史」
亜由美は怯えきっている。
「…俺を信じろ」
雅史は囁いた。
信じるしかない亜由美は、何度も何度も頷いた。
雅史が亜由美の首にロープを絡めた。
「…大丈夫、俺を信じろ」
耳元で囁いた。
顔を耳から離した雅史は、亜由美を見詰めた。見詰め返す亜由美の目には、光が宿っている。希望を見付けた。そんな光だ。
雅史はロープをゆっくりと締め上げた。まだ苦しくはない筈だ。現に苦しそうにしていない。
雅史がまた亜由美の耳元に口を近付け囁いた。
「苦しそうな演技をして」
こくりと頷いた感触が雅史の手に伝わってきた。
呻き声のようなものが聞こえてきた。亜由美が苦しそうな演技をしている。
「…上手いよ…演技」
雅史がまた囁いた。
亜由美は苦しそうにしながら、離れていく雅史の顔を見詰め小さく頷いた。恐怖に怯えてはいるが、その眼差しは信頼している者に向けられるものだ。
雅史は優しげな眼差しで亜由美を見詰め、笑顔を浮かべた。
高鳴った。抑えきれなくなった。雅史の笑顔が徐々に歪み始めた。
演技だった苦しさが現実になった。亜由美は首を締め上げていくロープに手を掛けた。しかし、ロープと首の間には指を入れる隙間などない。
声など出ない。声帯が押し潰されていく。その苦しさを亜由美は目で訴えた。しかし、雅史の歪む笑顔を見て、その希望は途絶えた。信頼が絶望に変わった。
心臓の鼓動が一段と早くなった。もっと絶望しろ。その顔をもっと見せろ。雅史は亜由美の顔を見詰めながら、ロープをゆっくりとゆっくりと楽しむように、徐々に締め上げた。
亜由美の顔は苦しさと絶望に染まっている。
もう堪えられなかった。雅史は楽しげな笑い声をあげた。
亜由美の両手がロープを握る雅史の両腕を掴んだ。その必死な姿に雅史は欲情した。
亜由美が体をばたつかせている。雅史はもっと欲しがった。
まだ死なせたくない。雅史は力を緩めたり加えたりしながら亜由美の首を絞めている。まるでおもちゃのような扱いだ。
亜由美の股から、黄色い液体が滴り落ち始めた。
どのくらい時間が経っただろう。亜由美はこの世の全ての苦しみを背負ったような顔をしている。雅史の腕を掴んでいたその手は床に落ち、微動だにしていない。
雅史の両腕にはくっきりとした爪痕が生まれ、血が滲み出ている。
「…ははは!素晴らしい!」
青木は恍惚の表情を浮かべ雅史に近付いた。
余韻に浸っていた雅史の意識が、その声で覚醒した。視線が青木の手元に動いた。青木はナイフを握っている。
「…殺したぞ」
雅史は余韻を邪魔した苛立ちを抑えた。
青木が後ろから、顔を真っ赤にして叫んだ。
「…分かってるよ」
雅史は答えると、床に転がっている自分を縛っていたロープを手に取った。
「…ま、雅史」
亜由美は怯えきっている。
「…俺を信じろ」
雅史は囁いた。
信じるしかない亜由美は、何度も何度も頷いた。
雅史が亜由美の首にロープを絡めた。
「…大丈夫、俺を信じろ」
耳元で囁いた。
顔を耳から離した雅史は、亜由美を見詰めた。見詰め返す亜由美の目には、光が宿っている。希望を見付けた。そんな光だ。
雅史はロープをゆっくりと締め上げた。まだ苦しくはない筈だ。現に苦しそうにしていない。
雅史がまた亜由美の耳元に口を近付け囁いた。
「苦しそうな演技をして」
こくりと頷いた感触が雅史の手に伝わってきた。
呻き声のようなものが聞こえてきた。亜由美が苦しそうな演技をしている。
「…上手いよ…演技」
雅史がまた囁いた。
亜由美は苦しそうにしながら、離れていく雅史の顔を見詰め小さく頷いた。恐怖に怯えてはいるが、その眼差しは信頼している者に向けられるものだ。
雅史は優しげな眼差しで亜由美を見詰め、笑顔を浮かべた。
高鳴った。抑えきれなくなった。雅史の笑顔が徐々に歪み始めた。
演技だった苦しさが現実になった。亜由美は首を締め上げていくロープに手を掛けた。しかし、ロープと首の間には指を入れる隙間などない。
声など出ない。声帯が押し潰されていく。その苦しさを亜由美は目で訴えた。しかし、雅史の歪む笑顔を見て、その希望は途絶えた。信頼が絶望に変わった。
心臓の鼓動が一段と早くなった。もっと絶望しろ。その顔をもっと見せろ。雅史は亜由美の顔を見詰めながら、ロープをゆっくりとゆっくりと楽しむように、徐々に締め上げた。
亜由美の顔は苦しさと絶望に染まっている。
もう堪えられなかった。雅史は楽しげな笑い声をあげた。
亜由美の両手がロープを握る雅史の両腕を掴んだ。その必死な姿に雅史は欲情した。
亜由美が体をばたつかせている。雅史はもっと欲しがった。
まだ死なせたくない。雅史は力を緩めたり加えたりしながら亜由美の首を絞めている。まるでおもちゃのような扱いだ。
亜由美の股から、黄色い液体が滴り落ち始めた。
どのくらい時間が経っただろう。亜由美はこの世の全ての苦しみを背負ったような顔をしている。雅史の腕を掴んでいたその手は床に落ち、微動だにしていない。
雅史の両腕にはくっきりとした爪痕が生まれ、血が滲み出ている。
「…ははは!素晴らしい!」
青木は恍惚の表情を浮かべ雅史に近付いた。
余韻に浸っていた雅史の意識が、その声で覚醒した。視線が青木の手元に動いた。青木はナイフを握っている。
「…殺したぞ」
雅史は余韻を邪魔した苛立ちを抑えた。
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