144 / 298
だるま
2
しおりを挟む
大声を上げれば、犯人が自分を殺しに部屋にくるかもしれない。パニックになりそうになりながらも、遥はその事を強く意識した。
遥は音を立てないように立ち上がった。振り向くと、直ぐにそこに目がいった。窓だ。
遥は足音を立てないように慎重に窓に近付いた。
窓は閉まっている。外を見ようとしたが、雨風に晒され汚れている。はっきりとは見えない。
遥は音を立てないように、ゆっくりと窓を開けた。
視界に広がったのは、広大な自然だった。
庭と思われるそこは、草が伸びきっている。手入れされていないのだろう。噴水らしき物もある。その敷地は、テニスコート五面分以上はありそうだ。
奥には背の高い木がいくつも生えている。背の高い木の向こうには、三つ屋根が見えた。屋根の形からして民家だろう。
その屋根がある建物までは距離がある。叫んでも声は届かないだろう。
遠目からでも屋根の広さから見て、どれも立派な佇まいの家だという事が分かる。
人の姿はどこにも見えない。遥はゆっくりと窓から顔を出し、辺りを見回した。視線を下に向けて分かった。遥が居る部屋は、どうやら二階のようだ。三階の高さではない事は確かだ。
「…飛べない高さじゃないわね」
遥はそう考えると、音を立てないように、窓の下にある下屋に降りた。
視線を再び下に向けた。やはり飛べない高さではない。しかし、遥は裸足だ。下がどうなっているかは、遥の位置からでは分からない。覗き込めば分かるだろうが、下屋は下に向かって傾斜している。先に行けば転がり落ちるかもしれない。
遥は意を決し、飛び降りた。
「痛っ!」
上手く着地したが、何も履いていない右足が何かを踏んだ。
その場で転がるように倒れた遥は、声が出ないように歯を喰いしばった。
足の裏を見た。血が止め処なく流ている。鋭い石が転がっている。それを踏んだようだ。
「…早く逃げないと」
手当てしている暇はない。周りを見回す余裕すらない。立ち上がった遥は、苦痛で顔をしわくちゃにしながら、左足だけでけんけんと跳びながら逃げ出した。
遥は音を立てないように立ち上がった。振り向くと、直ぐにそこに目がいった。窓だ。
遥は足音を立てないように慎重に窓に近付いた。
窓は閉まっている。外を見ようとしたが、雨風に晒され汚れている。はっきりとは見えない。
遥は音を立てないように、ゆっくりと窓を開けた。
視界に広がったのは、広大な自然だった。
庭と思われるそこは、草が伸びきっている。手入れされていないのだろう。噴水らしき物もある。その敷地は、テニスコート五面分以上はありそうだ。
奥には背の高い木がいくつも生えている。背の高い木の向こうには、三つ屋根が見えた。屋根の形からして民家だろう。
その屋根がある建物までは距離がある。叫んでも声は届かないだろう。
遠目からでも屋根の広さから見て、どれも立派な佇まいの家だという事が分かる。
人の姿はどこにも見えない。遥はゆっくりと窓から顔を出し、辺りを見回した。視線を下に向けて分かった。遥が居る部屋は、どうやら二階のようだ。三階の高さではない事は確かだ。
「…飛べない高さじゃないわね」
遥はそう考えると、音を立てないように、窓の下にある下屋に降りた。
視線を再び下に向けた。やはり飛べない高さではない。しかし、遥は裸足だ。下がどうなっているかは、遥の位置からでは分からない。覗き込めば分かるだろうが、下屋は下に向かって傾斜している。先に行けば転がり落ちるかもしれない。
遥は意を決し、飛び降りた。
「痛っ!」
上手く着地したが、何も履いていない右足が何かを踏んだ。
その場で転がるように倒れた遥は、声が出ないように歯を喰いしばった。
足の裏を見た。血が止め処なく流ている。鋭い石が転がっている。それを踏んだようだ。
「…早く逃げないと」
手当てしている暇はない。周りを見回す余裕すらない。立ち上がった遥は、苦痛で顔をしわくちゃにしながら、左足だけでけんけんと跳びながら逃げ出した。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)その後
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合つまた。
その後、大学を卒業した祐輔(ユウスケ)の新たなストーリーが始まった。
全15話を予定
【完結】不貞された私を責めるこの国はおかしい
春風由実
恋愛
婚約者が不貞をしたあげく、婚約破棄だと言ってきた。
そんな私がどうして議会に呼び出され糾弾される側なのでしょうか?
婚約者が不貞をしたのは私のせいで、
婚約破棄を命じられたのも私のせいですって?
うふふ。面白いことを仰いますわね。
※最終話まで毎日一話更新予定です。→3/27完結しました。
※カクヨムにも投稿しています。
秘書と社長の秘密
廣瀬純七
大衆娯楽
社内の調査のため、社長・高橋健一はこっそり秘書・木村由紀と不思議なアプリで入れ替わることに。
突然“社長役”を任された由紀と、自由に動ける立場を手に入れた高橋。
ふたりの秘密の入れ替わり作戦は、どの様な結末になるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる