145 / 298
だるま
3
しおりを挟む
振り返る事なく、遥は必死で跳ね続けた。
時折右足を着くと、悶絶したくなるような痛みが襲った。遥は右足をあまり使わないように、歯を喰い縛り逃げ続けた。
窓から見えた背の高い木の所まで来た。その先は林のように高い木が続いている。遥は立ち止まる事なく、突き進んだ。
暫くすると、木の群れの向こうに、舗装された狭い道が見えた。
無我夢中で跳ね続ける遥は、その道しか見えなくなった。道に出れば助かると思っているのだろう。
遥の頭が沈んだ。跳ね続けていた左足が石を踏み、遥は躓いて転んでしまった。
「痛っ!」
倒れた遥は左の足首を押さえた。強い痛みが広がっている。挫いているのは確かだ。折れている可能性もある。
痛がっている暇はない。遥は立ち上がろうとした。しかし、悶絶したくなるような痛みが一瞬で広がった。
右足も左足も使い物にならない。遥は地面に膝を付き、赤ん坊のはいはいのような姿勢で前に進んだ。
石がごろごろと転がっている。膝に激痛が走った。幾度も石を踏んでいる。手の平よりも先に膝が悲鳴を上げたようだ。
激痛。たかが激痛だ。悶絶レベルの痛みではない。遥は止まる事なく懸命に逃げ続けた。
何か聞こえた。自動車が走っているような音だ。
遥は動きを止め、身を沈めた。車に犯人が乗っている可能性もあるからだ。
「…あっ!」
遥は思わず驚きの声を上げた。パトカーが赤色灯を回しながら、目の前の道をゆっくりと走っていたのだ。
「助けて!」
遥は叫びながら、赤ん坊のようなはいはいの姿勢で走り出した。
「助けて!助けて!」
パトカーだけを見詰めたまま、はいはいしていた遥は、舗装された道に辿り着いた。
パトカーは百メートル程先で、ハザードランプを点けて停まっている。
「助けて!助けて!助けて!」
遥は何度も叫びながら、パトカーにはいはいで近付いて行く。
パトカーまで後五十メートル。パトカーは突如サイレンを鳴らし発車してしまった。
「待って!助けて!」
遠ざかるパトカーに叫びながら、遥は手を伸ばした。
後頭部に激痛が走った。そして、遥は気を失った。
時折右足を着くと、悶絶したくなるような痛みが襲った。遥は右足をあまり使わないように、歯を喰い縛り逃げ続けた。
窓から見えた背の高い木の所まで来た。その先は林のように高い木が続いている。遥は立ち止まる事なく、突き進んだ。
暫くすると、木の群れの向こうに、舗装された狭い道が見えた。
無我夢中で跳ね続ける遥は、その道しか見えなくなった。道に出れば助かると思っているのだろう。
遥の頭が沈んだ。跳ね続けていた左足が石を踏み、遥は躓いて転んでしまった。
「痛っ!」
倒れた遥は左の足首を押さえた。強い痛みが広がっている。挫いているのは確かだ。折れている可能性もある。
痛がっている暇はない。遥は立ち上がろうとした。しかし、悶絶したくなるような痛みが一瞬で広がった。
右足も左足も使い物にならない。遥は地面に膝を付き、赤ん坊のはいはいのような姿勢で前に進んだ。
石がごろごろと転がっている。膝に激痛が走った。幾度も石を踏んでいる。手の平よりも先に膝が悲鳴を上げたようだ。
激痛。たかが激痛だ。悶絶レベルの痛みではない。遥は止まる事なく懸命に逃げ続けた。
何か聞こえた。自動車が走っているような音だ。
遥は動きを止め、身を沈めた。車に犯人が乗っている可能性もあるからだ。
「…あっ!」
遥は思わず驚きの声を上げた。パトカーが赤色灯を回しながら、目の前の道をゆっくりと走っていたのだ。
「助けて!」
遥は叫びながら、赤ん坊のようなはいはいの姿勢で走り出した。
「助けて!助けて!」
パトカーだけを見詰めたまま、はいはいしていた遥は、舗装された道に辿り着いた。
パトカーは百メートル程先で、ハザードランプを点けて停まっている。
「助けて!助けて!助けて!」
遥は何度も叫びながら、パトカーにはいはいで近付いて行く。
パトカーまで後五十メートル。パトカーは突如サイレンを鳴らし発車してしまった。
「待って!助けて!」
遠ざかるパトカーに叫びながら、遥は手を伸ばした。
後頭部に激痛が走った。そして、遥は気を失った。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)その後
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合つまた。
その後、大学を卒業した祐輔(ユウスケ)の新たなストーリーが始まった。
全15話を予定
【完結】不貞された私を責めるこの国はおかしい
春風由実
恋愛
婚約者が不貞をしたあげく、婚約破棄だと言ってきた。
そんな私がどうして議会に呼び出され糾弾される側なのでしょうか?
婚約者が不貞をしたのは私のせいで、
婚約破棄を命じられたのも私のせいですって?
うふふ。面白いことを仰いますわね。
※最終話まで毎日一話更新予定です。→3/27完結しました。
※カクヨムにも投稿しています。
秘書と社長の秘密
廣瀬純七
大衆娯楽
社内の調査のため、社長・高橋健一はこっそり秘書・木村由紀と不思議なアプリで入れ替わることに。
突然“社長役”を任された由紀と、自由に動ける立場を手に入れた高橋。
ふたりの秘密の入れ替わり作戦は、どの様な結末になるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる