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だるま
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「…あのノートに書いてあった平山勤という人物をご存知ですか?」
テーブルを挟んで健太の対面に座った長谷部は、眼鏡を中指で上げながら尋ねた。
「……」
健太は長谷部の質問に無言で返した。
遥が殺された事実を受け入れられていないのだろう。放心状態の健太の耳には、長谷部の言葉が届かなかったのだ。
「…さん!篠原さん!」
長谷部は何度も健太の名を呼んだ。
漸く健太の耳に長谷部の言葉が届いた。
「…はい」
力無い返事が健太の口から出た。
「お辛いでしょうが、頑張ってください…一刻も早く犯人を逮捕しましょう」
長谷部は真剣な眼差しで健太を見詰めた。
まだ遥の遺体は発見されていない。殺されていない可能性もある。それを知りながらも長谷部は、健太を奮起させる為かそれを告げていない。
自分のせいで遥は殺された。自分は何もできなかった。いや、しなかったのだ。健太は弱まる心で自分を責めた。
「犯人を逮捕する為に、正直に答えてください」
長谷部の言葉が突き刺さった。犯人を逮捕したい。罪を償わせたい。今できる事は、それだけだ。
健太は自分を奮い立たせて、返事をした。
「…はい」
「平山勤という人物はご存知ですか?」
健太は平山の名を何度も頭で唱えた。しかし、聞いた事のない名だ。
「…知りません…聞いた事もないです」
「そうですか…今調べていますので、後程写真を見ていただけますか?」
「…はい」
暫くすると、健太に平山の写真が手渡された。
紙に印刷されている為、鮮明ではないが、顔ははっきりと分かる。しかし、見た事がない顔だ。
「…見た事はないです」
健太は力無く答えた。
「…遥ちゃんの」
健太は続く言葉を飲み込んだ。遺体という言葉を使いたくなかったのだ。
「今、山を探索しています」
長谷部の言葉を聞き、健太は項垂れた。
それから一時間程して、健太は帰された。犯人に繋がる事は、健太の口から何も出なかった。
健太が署を出る頃、淀野山の山中で遺体が見付かった。
遺体の前で刑事の田宮と宮川は手を合わせ黙祷を捧げている。
「…田宮さん」
黙祷を終えた宮川が呟いた。
「…あぁ、無残だな」
遺体は手足を切り取られ、頭部がぐちゃぐちゃに砕かれている。現段階では、それが遥かなのかは分からない。
「…これは医者か、医療に携わる者の犯行だな」
遺体の手足の付け根は、綺麗に縫われている。その縫い跡を見て、田宮は沢尻の顔を思い浮かべた。
テーブルを挟んで健太の対面に座った長谷部は、眼鏡を中指で上げながら尋ねた。
「……」
健太は長谷部の質問に無言で返した。
遥が殺された事実を受け入れられていないのだろう。放心状態の健太の耳には、長谷部の言葉が届かなかったのだ。
「…さん!篠原さん!」
長谷部は何度も健太の名を呼んだ。
漸く健太の耳に長谷部の言葉が届いた。
「…はい」
力無い返事が健太の口から出た。
「お辛いでしょうが、頑張ってください…一刻も早く犯人を逮捕しましょう」
長谷部は真剣な眼差しで健太を見詰めた。
まだ遥の遺体は発見されていない。殺されていない可能性もある。それを知りながらも長谷部は、健太を奮起させる為かそれを告げていない。
自分のせいで遥は殺された。自分は何もできなかった。いや、しなかったのだ。健太は弱まる心で自分を責めた。
「犯人を逮捕する為に、正直に答えてください」
長谷部の言葉が突き刺さった。犯人を逮捕したい。罪を償わせたい。今できる事は、それだけだ。
健太は自分を奮い立たせて、返事をした。
「…はい」
「平山勤という人物はご存知ですか?」
健太は平山の名を何度も頭で唱えた。しかし、聞いた事のない名だ。
「…知りません…聞いた事もないです」
「そうですか…今調べていますので、後程写真を見ていただけますか?」
「…はい」
暫くすると、健太に平山の写真が手渡された。
紙に印刷されている為、鮮明ではないが、顔ははっきりと分かる。しかし、見た事がない顔だ。
「…見た事はないです」
健太は力無く答えた。
「…遥ちゃんの」
健太は続く言葉を飲み込んだ。遺体という言葉を使いたくなかったのだ。
「今、山を探索しています」
長谷部の言葉を聞き、健太は項垂れた。
それから一時間程して、健太は帰された。犯人に繋がる事は、健太の口から何も出なかった。
健太が署を出る頃、淀野山の山中で遺体が見付かった。
遺体の前で刑事の田宮と宮川は手を合わせ黙祷を捧げている。
「…田宮さん」
黙祷を終えた宮川が呟いた。
「…あぁ、無残だな」
遺体は手足を切り取られ、頭部がぐちゃぐちゃに砕かれている。現段階では、それが遥かなのかは分からない。
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