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虚ろ
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「…失礼します」
霞の病室に、二人の刑事が訪ねてきた。
「…刑事さん…今日もですか?」
霞は健太の頭から手を離すと、溜め息を吐いた。
「…部屋を用意しました。お話聞かせていただけますか?」
年配の刑事の佐瀬が言った。
「…分かりました…健太さん、行ってくるね」
ベッドから起き上がった霞は、健太に別れを告げ、刑事の後をついていった。
霞は憂鬱だった。また同じ質問をされるのだろう。沢尻の別荘を訪れた理由だ。霞は毎日、その質問をされている。
霞は健太を尾行していたと嘘を吐いている。それは、真実を話しても信じてくれないと思っているからだ。ダウジングで占った。それを信じてくれないと思っている。
佐瀬は長年刑事をやっている。嘘を吐く人間をいっぱい見てきた。霞が嘘を吐いている事も見抜いているようだ。だから、毎日訪ねてくるのだろう。
この日も昨日と同じ質問ばかりされた。
「…健太さんを尾行していたんです」
用意された部屋の中、霞は佐瀬から視線を逸らし答えた。
「何故、尾行を?」
佐瀬は昨日と同じ事を訊いた。
「それは昨日もお話しましたけど、たまたま健太さんが車に乗り込む所を見掛けたからです」
「知り合いを見掛けたら、あなたは尾行するのですか?」
佐瀬は、じとっとした目付きで霞を見詰めている。
「…しません…何か悪い予感がしたんです…だから尾行したんです」
霞は俯きながら、昨日と同じ受け答えを繰り返した。
「…沢尻と組んでたんでしょ?沢尻が自供しましたよ」
「…えっ?私、共犯なんかじゃありません!」
顔を上げた霞は、驚いている。
「しらばっくれるのも、いい加減にしろよ!」
若い刑事の勝又の声が、室内に響き渡った。
「…刑事さん!霞さんは共犯なんかじゃありません!」
廊下で聞き耳を立てていた健太が、部屋に飛び込んできた。
霞の病室に、二人の刑事が訪ねてきた。
「…刑事さん…今日もですか?」
霞は健太の頭から手を離すと、溜め息を吐いた。
「…部屋を用意しました。お話聞かせていただけますか?」
年配の刑事の佐瀬が言った。
「…分かりました…健太さん、行ってくるね」
ベッドから起き上がった霞は、健太に別れを告げ、刑事の後をついていった。
霞は憂鬱だった。また同じ質問をされるのだろう。沢尻の別荘を訪れた理由だ。霞は毎日、その質問をされている。
霞は健太を尾行していたと嘘を吐いている。それは、真実を話しても信じてくれないと思っているからだ。ダウジングで占った。それを信じてくれないと思っている。
佐瀬は長年刑事をやっている。嘘を吐く人間をいっぱい見てきた。霞が嘘を吐いている事も見抜いているようだ。だから、毎日訪ねてくるのだろう。
この日も昨日と同じ質問ばかりされた。
「…健太さんを尾行していたんです」
用意された部屋の中、霞は佐瀬から視線を逸らし答えた。
「何故、尾行を?」
佐瀬は昨日と同じ事を訊いた。
「それは昨日もお話しましたけど、たまたま健太さんが車に乗り込む所を見掛けたからです」
「知り合いを見掛けたら、あなたは尾行するのですか?」
佐瀬は、じとっとした目付きで霞を見詰めている。
「…しません…何か悪い予感がしたんです…だから尾行したんです」
霞は俯きながら、昨日と同じ受け答えを繰り返した。
「…沢尻と組んでたんでしょ?沢尻が自供しましたよ」
「…えっ?私、共犯なんかじゃありません!」
顔を上げた霞は、驚いている。
「しらばっくれるのも、いい加減にしろよ!」
若い刑事の勝又の声が、室内に響き渡った。
「…刑事さん!霞さんは共犯なんかじゃありません!」
廊下で聞き耳を立てていた健太が、部屋に飛び込んできた。
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