約束ノート

村上未来

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自分

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「…その刑事とお知り合いなんですか?」

 警官の問い掛けに、健太は今までの経緯を話し始めた。
 事情を聞いた警官は、無線で応援を呼ぶと共に、川北署の刑事を来させるよう要請した。
 それから数十分。管轄の警官達が到着し、建物内の捜索が始まった。ほどなくして、大量の血の海で溺れる小羽の遺体が見付かった。
 血の出所は、大きく裂けた首。しかし、小羽の死に顔は安らかなものだった。苦しむ事なく、あの世に行けたのだろう。
 健太が発見されてから一時間程して、川北署の田宮と利根川が姿を表した。

「篠原さん!」

 建太を見付けた利根川が走り出した。

「…日村さんは?」

 健太は不安そうに尋ねた。脳裏には、小羽が言っていた、残った刑事を殺せばいいという言葉が浮かんでいる。

「…死にました」

 利根川が眉間に皺を寄せ、呟いた。

「……」

 小羽の言葉が、嘘であって欲しかった健太は、言葉が出てこなかった。

「…お怪我はありませんか?」

 そう尋ねた利根川は、心配そうな顔をしている。

「…大丈夫です…俺の家族は?」

 健太は真剣な眼差しで、一番気掛かりな事を聞いた。

「…監禁されていたと思しき場所は発見しましたが、既に別の場所に連れ出された後でした」

 利根川が悔しそうに答えた。

「…そうです…か」

 健太は肩を落として呟いた。

「…後は署で詳しく話を聞かせて下さい」

 田宮のその一言で、建太は二人と共に、川北署に向かった。


 川北署に入ると、そこには祈るように手を組み座る、霞の姿があった。

「…建太さん!」

 霞はベンチから立ち上がると、健太に駆け寄った。

「…霞さん」

 健太が静かに呟いた。
 健太は霞を自分から遠ざけたかった。犯人が捕まっていない今、自分の側にいれば危険な目に会うかもしれない。健太はそう思っている。

「…霞さん、これ小羽君から預かった」

 健太は首からクリスタルの振り子を外し、霞に手渡した。
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