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本
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「これが華風会の資料です。あまりありませんが、参考にしてください」
金城は、紙の束を田宮の前に置いた。そして、一枚の紙を直接田宮に手渡した。
「そこに華風会の住所と電話番号、そして、代表の佐伯優雅の電話番号が載っています」
金城は顔に不快感を漂わせている。佐伯の名を口にしたせいかもしれない。
いち早く金城の表情の変化に気付いた田宮が問い掛けた。
「…さっき騙されかけたと言っておられましたが、どういう事ですか?」
金城は椅子に腰掛けると、大きな息を吐き出し、話し始めた。
「…華風会は、自己啓発セミナーを行う会社です」
「自己啓発セミナー?…宗教では、ないのですか?」
宗教団体だと思っていた皆は、顔を見合わせている。
「…裏では、名も無き宗教団体と繋がっています」
金城は手で口元を隠すようにして答えている。田宮は金城の口元を隠す仕草を見て、何かあると推測しながらも、質問を続けた。
「その宗教団体には、名前が付いてないんですね?」
「はい、名前はないです…華風会代表の佐伯は、その宗教団体の幹部です」
「…具体的に、どんな宗教団体か分かりますか?」
「…どんな宗教団体?…それは、分かりませんが…私も危うく洗脳されかけました」
思い出したくないのか、表情を変えた金城の唇は、微かに震えている。
「…何があったんですか?」
皆の目は金城に注がれている。
「…佐伯から、本を作ってくれとの依頼がありました。私は、佐伯と度々打ち合わせをしていたんです…その流れで、私も佐伯が主催する自己啓発セミナーを受講しました」
金城はそこで言葉を止めた。
「…それで、どうしたんですか?」
話を一旦止めた金城を田宮が促した。
「…当時の私は、佐伯の語る自己啓発は素晴らしい物だと錯覚しました。そして、度々セミナーに通うようになったんです…私は佐伯を通じて宗教団体の幹部と顔を合わせるようになりました」
「幹部の名前を覚えていますか?」
「…はい、私が会ったのは江戸川祥子という四十代の女と、長嶺和昭という五十代ぐらいの男でした」
霞のダウジングで占った共犯者の名前が出て、皆は驚いている様子だ。
「名前の漢字は分かりますか!?」
「分かりますよ…忘れられない名前ですからね」
金城は手帳を取り出し、『長嶺和昭、江戸川祥子』と書き、皆に見せた。
田宮が尋ねた。
「…他に会われた教団の人間はいないのですか?」
金城は、紙の束を田宮の前に置いた。そして、一枚の紙を直接田宮に手渡した。
「そこに華風会の住所と電話番号、そして、代表の佐伯優雅の電話番号が載っています」
金城は顔に不快感を漂わせている。佐伯の名を口にしたせいかもしれない。
いち早く金城の表情の変化に気付いた田宮が問い掛けた。
「…さっき騙されかけたと言っておられましたが、どういう事ですか?」
金城は椅子に腰掛けると、大きな息を吐き出し、話し始めた。
「…華風会は、自己啓発セミナーを行う会社です」
「自己啓発セミナー?…宗教では、ないのですか?」
宗教団体だと思っていた皆は、顔を見合わせている。
「…裏では、名も無き宗教団体と繋がっています」
金城は手で口元を隠すようにして答えている。田宮は金城の口元を隠す仕草を見て、何かあると推測しながらも、質問を続けた。
「その宗教団体には、名前が付いてないんですね?」
「はい、名前はないです…華風会代表の佐伯は、その宗教団体の幹部です」
「…具体的に、どんな宗教団体か分かりますか?」
「…どんな宗教団体?…それは、分かりませんが…私も危うく洗脳されかけました」
思い出したくないのか、表情を変えた金城の唇は、微かに震えている。
「…何があったんですか?」
皆の目は金城に注がれている。
「…佐伯から、本を作ってくれとの依頼がありました。私は、佐伯と度々打ち合わせをしていたんです…その流れで、私も佐伯が主催する自己啓発セミナーを受講しました」
金城はそこで言葉を止めた。
「…それで、どうしたんですか?」
話を一旦止めた金城を田宮が促した。
「…当時の私は、佐伯の語る自己啓発は素晴らしい物だと錯覚しました。そして、度々セミナーに通うようになったんです…私は佐伯を通じて宗教団体の幹部と顔を合わせるようになりました」
「幹部の名前を覚えていますか?」
「…はい、私が会ったのは江戸川祥子という四十代の女と、長嶺和昭という五十代ぐらいの男でした」
霞のダウジングで占った共犯者の名前が出て、皆は驚いている様子だ。
「名前の漢字は分かりますか!?」
「分かりますよ…忘れられない名前ですからね」
金城は手帳を取り出し、『長嶺和昭、江戸川祥子』と書き、皆に見せた。
田宮が尋ねた。
「…他に会われた教団の人間はいないのですか?」
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