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第9話 人々に慕われる新たな支配者
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朝が来た。
森の東端から射し込む光が、ようやく村の屋根を温め始める。
焚き火の名残を見ながら、俺は新しく整地された畑のほうへ目を向けた。
昨日のうちに村人たちと一緒に、地ならしと水路の調整を終えている。
この短期間で、荒廃していた土地がまるで息を吹き返したようだった。
地面を覆う小さな緑はまるで生まれたての希望だ。
あの時、瘴気に沈んでいた村が、ほんの数日で笑いを取り戻すなんて――正直、自分でも驚いている。
「領主様、おはようございます!」
元気な声に振り向くと、手に木のバケツを持った少女が駆けてきた。
まだ十五にも満たないだろう、小柄で陽の光を弾く髪。
名前はリーナ。村の農家の娘で、生きるために必死に働いている。
「おはよう、リーナ。朝早くから働いて偉いな。」
「はい! アレン様がおっしゃった通り、水路の点検をしています。
昨日の夜に小さな崩れがあったので、石で補強しておきました!」
「もう一人前だな。」
そう言うと、リーナの顔がみるみる赤くなった。
彼女は照れ隠しのように笑い、バケツを振ってみせる。
「お水もきれいです。飲んでも冷たくておいしいんですよ!」
「よし、村の水は安全だな。リーナ、今日もご苦労さん。」
「はいっ! あ、あとで母がパンを焼くので、良かったらお持ちします!」
そう言って、彼女は去って行った。
あの軽やかな足取りを見ていると、心の奥に温かいものが芽生える。
人の笑顔を守るために力を使う――それが、この辺境での俺の生き方だ。
昨日の夜、アルディネアが言っていた。
「汝はもはや支配者であり導き手」と。
その言葉が少しずつ現実味を帯び、俺の中で形を持ちはじめている。
領主とは王ではない。
人々のために汗を流し、先頭を歩く者だ。
そう理解できた時、ようやく俺は過去の“貴族”という軛から解放されたのかもしれない。
空に目を向けると、竜の翼がかすかに見える。
アルディネアは、人々の前に姿を現さない。
けれどあいつは常に空を巡り、村の上空からすべてを見ている。
それだけで心強かった。
***
昼頃には、村の大人たちが集まり、小さな会議が開かれた。
畑を増やす案、森の木材を伐り出して新しい家を建てる計画――どれも前向きな話ばかりだ。
昨日まで死にかけていた村が、今や未来を語っている。
それを見ているだけで、俺の胸がじんわりと熱くなる。
「アレン様、この南の丘を開墾すれば、もうひとつ小麦畑ができますな。」
「ただ、道が狭くて家畜の通り道が……」
「なら水車小屋と倉庫を東へ移して――」
自分たちで考え、協力し、行動しようとしている。
リーダーは必要だが、命令されて動く集団ではなく、自分で考える人々こそ強い。
それが、王都で学んだ“力の本質”と真逆の形だ。
「皆の提案はいい。じゃあ、明日から動こう。俺も手を貸すさ。」
「アレン様まで!? 領主様にそんな重労働をさせるわけには――」
「俺は力仕事得意だぞ。……見せてやる。」
そう言って、地面に足を踏み出す。
軽く魔力を流すと、鎧のような光の紋様が脚を包んだ。
そのまま足元を踏み抜くと、地面の岩がごっそり持ち上がる。
「これくらいなら朝飯前だ。」
村人たちの口が開いたまま塞がらない。
次の瞬間、拍手と歓声が弾けた。
「すごいっ! 本当に竜の加護だ!」
「アレン様がいれば、俺たちはどんな土地でも拓ける!」
「ありがたい……」
笑顔と感謝の声に包まれ、俺は少しだけ照れた。
だがその顔に“神聖”の色を見たとき、はっとした。
……いけない。
俺は神ではない。
この力を“祀らせて”はいけないのだ。
「みんな、この力は俺だけのものじゃない。
お前たちが昨日、畑を耕した力も、同じように大地に届いてる。
一人の力で世界は変わらないが、全員の力が重なれば、大陸だって動く。」
「……アレン様。」
「だから次に奇跡が起きたときは、“俺たちがやった”って言え。
それがこの領地の掟だ。」
静かな沈黙のあと、村人たちの顔に笑みが広がり、
ひとりが拳を掲げた。
「“俺たちの領地”だ!」
その声に重なるように、村中が歓声を上げた。
その反響が強く大地に響き、まるで森が拍手しているようだった。
***
夕方になると、丘の上から新しい風が吹いた。
緑の匂いを含んだ優しい風――懐かしい。
昔、母が言っていた。
「人は誰かに慕われるより、誰かを信じられる方が幸せなのよ」と。
あの言葉の意味を、ようやく理解できた気がする。
今の俺は、誰かに頼られるだけの存在ではない。
人を信じ、共に未来を築ける場所に立っている。
領主としてではなく、“ひとりの人間”として。
その夜、焚き火を囲んで村の子供たちが俺の周りに集まった。
「アレン様、明日は森の果実を取りにいっていいですか?」
「ああ。ただし、大人と一緒にだ。森はまだ危険な場所もある。」
「はーい!」
笑顔が絶えない。
どこを見ても、もうあの絶望の影はない。
それだけで心が満たされた。
『随分と慕われているな。』
アルディネアの声が風に溶けるように届いた。
「慕われるっていうより……一緒に進んでる感じだな。
俺が導くというより、みんなが俺を育ててる。」
『ふむ。奇妙な人間よ。権力を握りながら、支配を好まぬとは。』
「俺は、支配じゃなくて“守る”ほうが性に合ってるんだ。」
『そうか。……では、この地に、竜の眼を宿そう。』
次の瞬間、夜空に淡い金の光が瞬いた。
星のように見えたが、それは竜の瞳が宿る守りの印だった。
見上げた子供が、それを指差して叫ぶ。
「星が落ちてきた!」
「違う。“守り星”だ。」と俺は答えた。
竜の意志によって創られた光の守護。
これで、村を狙う魔獣や盗賊は容易に近づけなくなる。
『これで汝の領地は守られた。人が育つ場は、まず安寧からだ。』
「助かる。おまえは相変わらず手回しがいいな。」
『ふふ、長く人を見てきたからな。』
炎の明かりが和らぎ、夜が深まる。
村人たちは歌い、子供たちは夢を語りながら眠りについた。
俺は静かに火を見つめ、呟く。
「これが、本当の“国づくり”かもしれないな。
王位でも軍勢でもなく、心をつなぐこと――それが支配なんだ。」
風が穏やかに頷いた気がした。
森の木々がザワリと鳴り、星が一つ、また一つ流れ落ちる。
それはきっと、明日への道標だ。
辺境の小さな村から始まった奇跡は、まだ序章にすぎない。
だが、この夜だけは素直に思えた。
――ああ、やっと俺は“この世界に生きている”と。
森の東端から射し込む光が、ようやく村の屋根を温め始める。
焚き火の名残を見ながら、俺は新しく整地された畑のほうへ目を向けた。
昨日のうちに村人たちと一緒に、地ならしと水路の調整を終えている。
この短期間で、荒廃していた土地がまるで息を吹き返したようだった。
地面を覆う小さな緑はまるで生まれたての希望だ。
あの時、瘴気に沈んでいた村が、ほんの数日で笑いを取り戻すなんて――正直、自分でも驚いている。
「領主様、おはようございます!」
元気な声に振り向くと、手に木のバケツを持った少女が駆けてきた。
まだ十五にも満たないだろう、小柄で陽の光を弾く髪。
名前はリーナ。村の農家の娘で、生きるために必死に働いている。
「おはよう、リーナ。朝早くから働いて偉いな。」
「はい! アレン様がおっしゃった通り、水路の点検をしています。
昨日の夜に小さな崩れがあったので、石で補強しておきました!」
「もう一人前だな。」
そう言うと、リーナの顔がみるみる赤くなった。
彼女は照れ隠しのように笑い、バケツを振ってみせる。
「お水もきれいです。飲んでも冷たくておいしいんですよ!」
「よし、村の水は安全だな。リーナ、今日もご苦労さん。」
「はいっ! あ、あとで母がパンを焼くので、良かったらお持ちします!」
そう言って、彼女は去って行った。
あの軽やかな足取りを見ていると、心の奥に温かいものが芽生える。
人の笑顔を守るために力を使う――それが、この辺境での俺の生き方だ。
昨日の夜、アルディネアが言っていた。
「汝はもはや支配者であり導き手」と。
その言葉が少しずつ現実味を帯び、俺の中で形を持ちはじめている。
領主とは王ではない。
人々のために汗を流し、先頭を歩く者だ。
そう理解できた時、ようやく俺は過去の“貴族”という軛から解放されたのかもしれない。
空に目を向けると、竜の翼がかすかに見える。
アルディネアは、人々の前に姿を現さない。
けれどあいつは常に空を巡り、村の上空からすべてを見ている。
それだけで心強かった。
***
昼頃には、村の大人たちが集まり、小さな会議が開かれた。
畑を増やす案、森の木材を伐り出して新しい家を建てる計画――どれも前向きな話ばかりだ。
昨日まで死にかけていた村が、今や未来を語っている。
それを見ているだけで、俺の胸がじんわりと熱くなる。
「アレン様、この南の丘を開墾すれば、もうひとつ小麦畑ができますな。」
「ただ、道が狭くて家畜の通り道が……」
「なら水車小屋と倉庫を東へ移して――」
自分たちで考え、協力し、行動しようとしている。
リーダーは必要だが、命令されて動く集団ではなく、自分で考える人々こそ強い。
それが、王都で学んだ“力の本質”と真逆の形だ。
「皆の提案はいい。じゃあ、明日から動こう。俺も手を貸すさ。」
「アレン様まで!? 領主様にそんな重労働をさせるわけには――」
「俺は力仕事得意だぞ。……見せてやる。」
そう言って、地面に足を踏み出す。
軽く魔力を流すと、鎧のような光の紋様が脚を包んだ。
そのまま足元を踏み抜くと、地面の岩がごっそり持ち上がる。
「これくらいなら朝飯前だ。」
村人たちの口が開いたまま塞がらない。
次の瞬間、拍手と歓声が弾けた。
「すごいっ! 本当に竜の加護だ!」
「アレン様がいれば、俺たちはどんな土地でも拓ける!」
「ありがたい……」
笑顔と感謝の声に包まれ、俺は少しだけ照れた。
だがその顔に“神聖”の色を見たとき、はっとした。
……いけない。
俺は神ではない。
この力を“祀らせて”はいけないのだ。
「みんな、この力は俺だけのものじゃない。
お前たちが昨日、畑を耕した力も、同じように大地に届いてる。
一人の力で世界は変わらないが、全員の力が重なれば、大陸だって動く。」
「……アレン様。」
「だから次に奇跡が起きたときは、“俺たちがやった”って言え。
それがこの領地の掟だ。」
静かな沈黙のあと、村人たちの顔に笑みが広がり、
ひとりが拳を掲げた。
「“俺たちの領地”だ!」
その声に重なるように、村中が歓声を上げた。
その反響が強く大地に響き、まるで森が拍手しているようだった。
***
夕方になると、丘の上から新しい風が吹いた。
緑の匂いを含んだ優しい風――懐かしい。
昔、母が言っていた。
「人は誰かに慕われるより、誰かを信じられる方が幸せなのよ」と。
あの言葉の意味を、ようやく理解できた気がする。
今の俺は、誰かに頼られるだけの存在ではない。
人を信じ、共に未来を築ける場所に立っている。
領主としてではなく、“ひとりの人間”として。
その夜、焚き火を囲んで村の子供たちが俺の周りに集まった。
「アレン様、明日は森の果実を取りにいっていいですか?」
「ああ。ただし、大人と一緒にだ。森はまだ危険な場所もある。」
「はーい!」
笑顔が絶えない。
どこを見ても、もうあの絶望の影はない。
それだけで心が満たされた。
『随分と慕われているな。』
アルディネアの声が風に溶けるように届いた。
「慕われるっていうより……一緒に進んでる感じだな。
俺が導くというより、みんなが俺を育ててる。」
『ふむ。奇妙な人間よ。権力を握りながら、支配を好まぬとは。』
「俺は、支配じゃなくて“守る”ほうが性に合ってるんだ。」
『そうか。……では、この地に、竜の眼を宿そう。』
次の瞬間、夜空に淡い金の光が瞬いた。
星のように見えたが、それは竜の瞳が宿る守りの印だった。
見上げた子供が、それを指差して叫ぶ。
「星が落ちてきた!」
「違う。“守り星”だ。」と俺は答えた。
竜の意志によって創られた光の守護。
これで、村を狙う魔獣や盗賊は容易に近づけなくなる。
『これで汝の領地は守られた。人が育つ場は、まず安寧からだ。』
「助かる。おまえは相変わらず手回しがいいな。」
『ふふ、長く人を見てきたからな。』
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村人たちは歌い、子供たちは夢を語りながら眠りについた。
俺は静かに火を見つめ、呟く。
「これが、本当の“国づくり”かもしれないな。
王位でも軍勢でもなく、心をつなぐこと――それが支配なんだ。」
風が穏やかに頷いた気がした。
森の木々がザワリと鳴り、星が一つ、また一つ流れ落ちる。
それはきっと、明日への道標だ。
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だが、この夜だけは素直に思えた。
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