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第11話 穢れなき愛
29※
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そうして、辿り着いて白いベッドの上に下ろされ、腰を落ち着けた格好になった。
纏っていたシュミーズドレスの裾が少しだけ乱れ、華奢な脚が露わになると同時に、彼の長い指が、そっとパンプスを脱がせてくる。
(あ……)
足の指先が露わになっただけなのに、気恥ずかしくて仕方がない。
しかも、彼の顔がそちらにそっと近付くと――。
――チュッ。
柔らかな唇が敏感な指先に触れると、ピクリと身体が震えた。
今までにされたことのない行為に、胸の内もさざめく。
「……ッ……」
「セラフィー……」
「あ……」
今までの娘として扱われていた頃とは違う――熱を孕んだ瞳に射貫かれると、忙しなく心臓が動く。
そうして――彼の大きな掌が私の掌の上に重なると、ギシリと音を立てながらベリアルお父様がベッドの上に乗ってくる。
「セラフィー……」
「お父様……」
上半身を起こしたままの私の下半身の上に、彼がゆっくりと跨がってくると、柔らかな重みを感じた。
「綺麗だ、セラフィー……」
「お父様……」
端正な顔をした美青年が私にゆっくりと近付いてくる。
柔らかな唇が触れると、チュッと音を立てて、すぐに離れた。
「どうした、物欲しそうな顔をして……」
「物欲し……ッ、そんな顔はしてなんか……」
「羽根がなくても嘘が下手だな、お前は……」
そう言うと――再び彼が私の唇を奪った。
否――貪るといった方が近いかもしれない……。
何度か唇に噛みつかれたかと思うと、地厚い舌が唇を割り入ってくる。
「んッ……あッ……」
くちゅくちゅと淫らな水音を鳴らしながら、舌が口の中を犯してきた。
怠惰な彼らしく、しばらくは緩慢な動作が続いたが、次第に激しさを帯びてくる。
「あッ……お父様……」
「喋ったら、舌を噛むぞ……ほら、口をもっと開けろ」
促されるまま、唇を開くと、再度舌が侵入をしてきた。
彼の舌先が踊ると、それに呼応するかのように、自分自身の舌も踊りはじめる。
二人の唾液が厭らしく混じり合っていき、熱い吐息が溶けていく。
獣のような激しい舌遣いに翻弄され、そのまま後ろに倒れ伏しそうだったが、彼の手に片手を絡め取られた上に、項を掴まれ引き寄せられているせいで、そうはならなかった。
「あ……はぅ……」
彼の唇が離れると、ツーッと銀糸が伸びる。
それを彼が舌先でペロリと舐めとる様が、やけに艶めいて見えた。
「キスでこんなに茹でってるんじゃあ、ここから先はもっと大変なことになるな……」
「もっと……大変……?」
「ああ……そうだ。もっとお前の欲しがりな顔が見れるから、俺としては嬉しいがな……」
「……ううッ……そんな予言しないでください……」
「お前が可愛くて、つい、な……」
そうして、目の前のお父様が、ゆっくりと纏う白シャツを脱ぎはじめる。
色気のある鎖骨が目に入ると、心臓がドキドキと落ち着かなくなった。
逞しい胸板と引き締まった腹筋、鍛え抜いた二の腕とが露わになる。
相手の放つ色香にクラクラして頭がおかしくなりそうだ。
「……ッ……」
「どうした……?」
「ええっと……」
纏っていたシュミーズドレスの裾が少しだけ乱れ、華奢な脚が露わになると同時に、彼の長い指が、そっとパンプスを脱がせてくる。
(あ……)
足の指先が露わになっただけなのに、気恥ずかしくて仕方がない。
しかも、彼の顔がそちらにそっと近付くと――。
――チュッ。
柔らかな唇が敏感な指先に触れると、ピクリと身体が震えた。
今までにされたことのない行為に、胸の内もさざめく。
「……ッ……」
「セラフィー……」
「あ……」
今までの娘として扱われていた頃とは違う――熱を孕んだ瞳に射貫かれると、忙しなく心臓が動く。
そうして――彼の大きな掌が私の掌の上に重なると、ギシリと音を立てながらベリアルお父様がベッドの上に乗ってくる。
「セラフィー……」
「お父様……」
上半身を起こしたままの私の下半身の上に、彼がゆっくりと跨がってくると、柔らかな重みを感じた。
「綺麗だ、セラフィー……」
「お父様……」
端正な顔をした美青年が私にゆっくりと近付いてくる。
柔らかな唇が触れると、チュッと音を立てて、すぐに離れた。
「どうした、物欲しそうな顔をして……」
「物欲し……ッ、そんな顔はしてなんか……」
「羽根がなくても嘘が下手だな、お前は……」
そう言うと――再び彼が私の唇を奪った。
否――貪るといった方が近いかもしれない……。
何度か唇に噛みつかれたかと思うと、地厚い舌が唇を割り入ってくる。
「んッ……あッ……」
くちゅくちゅと淫らな水音を鳴らしながら、舌が口の中を犯してきた。
怠惰な彼らしく、しばらくは緩慢な動作が続いたが、次第に激しさを帯びてくる。
「あッ……お父様……」
「喋ったら、舌を噛むぞ……ほら、口をもっと開けろ」
促されるまま、唇を開くと、再度舌が侵入をしてきた。
彼の舌先が踊ると、それに呼応するかのように、自分自身の舌も踊りはじめる。
二人の唾液が厭らしく混じり合っていき、熱い吐息が溶けていく。
獣のような激しい舌遣いに翻弄され、そのまま後ろに倒れ伏しそうだったが、彼の手に片手を絡め取られた上に、項を掴まれ引き寄せられているせいで、そうはならなかった。
「あ……はぅ……」
彼の唇が離れると、ツーッと銀糸が伸びる。
それを彼が舌先でペロリと舐めとる様が、やけに艶めいて見えた。
「キスでこんなに茹でってるんじゃあ、ここから先はもっと大変なことになるな……」
「もっと……大変……?」
「ああ……そうだ。もっとお前の欲しがりな顔が見れるから、俺としては嬉しいがな……」
「……ううッ……そんな予言しないでください……」
「お前が可愛くて、つい、な……」
そうして、目の前のお父様が、ゆっくりと纏う白シャツを脱ぎはじめる。
色気のある鎖骨が目に入ると、心臓がドキドキと落ち着かなくなった。
逞しい胸板と引き締まった腹筋、鍛え抜いた二の腕とが露わになる。
相手の放つ色香にクラクラして頭がおかしくなりそうだ。
「……ッ……」
「どうした……?」
「ええっと……」
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