【R18】ねえ、犬猿の仲のライバル騎士様、×××で決着をつけましょう? だって、あなたが初恋だなんて黒歴史バレたくない!

おうぎまちこ(あきたこまち)

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本編

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 瞬間。
 唐突に足元に赤い魔法陣が浮かんできたかと思いきや――

 気づいた時には、教室の中にいた。
 机と椅子が規則正しく並んでいる。
 オルトロスがおもむろにブレザーを脱ぐと椅子に掛けた。
 ガタリ。
 木で出来た椅子と床が擦れた音がする。
 適当に巻いていたネクタイを解くと、彼の逞しい鎖骨と胸板がチラ見えしてきて、迂闊にもドキドキしてしまった。

「部屋の中には既に俺が結界を張っている。誰から見られることもない」

(いつのまに……)

 転移の魔法を行使した上に、教室に結界を張るなんて……!
 オルトロスの魔力の高さに衝撃が走った。
 同じ首席だけれども……生来の素養の違いを見せつけられたようで腹が立つ。

「ブレザーまで脱いでくれたわけ?」

「ああ、お前も小物をとった分、俺もブレザーとネクタイぐらいはとってやるよ?」

「だったら、この場所で……くしゅんっ」

「仕方ないな。炎の魔法を行使してやる」

 オルトロスが無詠唱で炎の魔術を灯してくれた。
 冬だけれど、空間がまるで春のようにぽかぽか温かくなってくる。

「さあ、あったまってきたところで、さっさと勝負といこうか」

「のぞむところよ」

 そうして、私たちはにらみ合った。
 二人とも拳を握る。

「「じゃんけん!」」

 勢いよく腕を振り下ろした。

「「ぽいっ!」」

 同時に掌を出す。
 私がパーで、オルトロスがグーだ。

「やった! 私の勝ちね!」

「そうみたいだな」

 オルトロスが白シャツを脱ぐ。
 筋骨隆々とした上半身が露わになってドキドキして落ち着かない。

(何、こいつ、こんなに筋骨隆々としていた?)

 気をとられたのか。
 次のじゃんけんは私が負けてしまった。

「ほら、脱げよ、俺が先に脱いでるんだからな」

「ふん、コートだから平気よ」

 パサリと脱ぐと椅子に掛けた。
 私はブレザーだけの姿になる。

「さあ、次だ」

「ええ」

「「じゃんけん、ぽいっ!」」

 私は連続で負けてしまう。
 ブレザーを脱ぐ。
 白シャツを脱ぐか、それともスカートを脱ぐか。

「ほら、脱げよ?」

「うるさいわね、ちょっとどっちを脱ごうか迷ってるのよ」

「へえ、決められないなら、俺が脱がせてやろうか?」

「やめてよね、変態!」

 私は少々迷ったけれど……
 上はまだシュミーズも身に着けている。
 白シャツを脱ぐことにした。
 指がかじかんでいるから……というよりも、オルトロスがじっとこちらを見ているから、恥ずかしくて指が震えてしまう。

「どうした? さっさと帰りたいんだろう?」

「うるさいわね、ちょっと寒いから手元が狂ってるのよ」

「へえ、だったら、やっぱり俺が手伝ってやるよ」

「えっ、ちょっと、待って……!」

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