4 / 13
4 お前だからだ※
しおりを挟む「わあ、出来た!」
ランベイルとの補講の甲斐あって、なんとか魔力の制御が出来るようになってきていた。
「だいぶ制御できるようになってきたな、ミーア」
彼に褒められ、心臓がドキンと跳ねる。
深い口づけを交わして以来、キスはしていない。だが、あれ以来、放課後補講が終わるとランベイルが寮の近くまで送ってくれていた。まるで男女交際でもしているかである。
(魔力の制御が出来るようになったから、もうお兄ちゃんとはキスできない)
少しだけ残念に思っている自分がいた。
(な、何を考えているの、私ったら……! まるでお兄ちゃんとキスしたいみたいじゃない……!)
思い出すと、またドキドキしてしまう。
ふと、またランベイルの手が私の頬に添えられた。
「――また魔力が暴走しかけている」
「え、あ――!」
自分で制御しようとしたのだが、わたわたしていると出来なかった。
「どうしよう!」
「自分で制御できないのか?」
そう言うと、また彼がそっと口づけてくる。
(わわ、三回目……!)
ぎゅっと目を瞑る。
「んっ……あ……ふ……」
先日よりも長い時間、角度を何度も変えられながら口づけられた。
「ふあっ……あ……」
二人の間に銀糸が引く。
「これで良い」
そう言うと、ランベイルは離れていった。
「あの、ランベイルお兄ちゃん!」
「なんだ?」
「お兄ちゃんは、魔力が暴走している人には誰にでもこんなことをするの?」
すると、しばらく逡巡した後、答えが返ってくる。
「いや」
心臓がまた跳ねてしまった。
「だったら……どうして?」
そう尋ねると、また首を傾げてランベイルは考える。
「強いて言えば――」
私はごくりと唾を飲んだ。
「お前だからだ――」
(え――?)
「時間だ。今日は用事がある。暗くなる前に帰るように」
そう言うと、ランベイルは補講室を後にした。
39
あなたにおすすめの小説
冷酷王子と逃げたいのに逃げられなかった婚約者
月下 雪華
恋愛
我が国の第2王子ヴァサン・ジェミレアスは「氷の冷酷王子」と呼ばれている。彼はその渾名の通り誰に対しても無反応で、冷たかった。それは、彼の婚約者であるカトリーヌ・ブローニュにでさえ同じであった。そんな彼の前に現れた常識のない女に心を乱したカトリーヌは婚約者の席から逃げる事を思いつく。だが、それを阻止したのはカトリーヌに何も思っていなさそうなヴァサンで……
誰に対しても冷たい反応を取る王子とそんな彼がずっと好きになれない令嬢の話
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
契約妻に「愛さない」と言い放った冷酷騎士、一分後に彼女の健気さが性癖に刺さって理性が崩壊した件
水月
恋愛
冷酷騎士様の「愛さない」は一分も持たなかった件の旦那様視点短編となります。
「君を愛するつもりはない」
結婚初夜、帝国最強の冷酷騎士ヴォルフラム・ツヴァルト公爵はそう言い放った。
出来損ないと蔑まれ、姉の代わりの生贄として政略結婚に差し出されたリーリア・ミラベルにとって、それはむしろ救いだった。
愛を期待されないのなら、失望させることもない。
契約妻として静かに役目を果たそうとしたリーリアは、緩んだ軍服のボタンを自らの銀髪と微弱な強化魔法で直す。
ただ「役に立ちたい」という一心だった。
――その瞬間。
冷酷騎士の情緒が崩壊した。
「君は、自分の価値を分かっていない」
開始一分で愛さない宣言は撤回。
無自覚に自己評価が低い妻に、激重独占欲を発症した最強騎士が爆誕する。
「妃に相応しくない」と言われた私が、第2皇子に溺愛されています 【完結】
日下奈緒
恋愛
「地味な令嬢は妃に相応しくない」──そう言い放ち、セレナとの婚約を一方的に破棄した子爵令息ユリウス。彼が次に選んだのは、派手な伯爵令嬢エヴァだった。貴族たちの笑いものとなる中、手を差し伸べてくれたのは、幼馴染の第2皇子・カイル。「俺と婚約すれば、見返してやれるだろう?」ただの復讐のはずだった。けれど──これは、彼の一途な溺愛の始まり。
【完結】夢見たものは…
伽羅
恋愛
公爵令嬢であるリリアーナは王太子アロイスが好きだったが、彼は恋愛関係にあった伯爵令嬢ルイーズを選んだ。
アロイスを諦めきれないまま、家の為に何処かに嫁がされるのを覚悟していたが、何故か父親はそれをしなかった。
そんな父親を訝しく思っていたが、アロイスの結婚から三年後、父親がある行動に出た。
「みそっかす銀狐(シルバーフォックス)、家族を探す旅に出る」で出てきたガヴェニャック王国の国王の側妃リリアーナの話を掘り下げてみました。
ハッピーエンドではありません。
【R18】愛され総受け女王は、20歳の誕生日に夫である美麗な年下国王に甘く淫らにお祝いされる
奏音 美都
恋愛
シャルール公国のプリンセス、アンジェリーナの公務の際に出会い、恋に落ちたソノワール公爵であったルノー。
両親を船の沈没事故で失い、突如女王として戴冠することになった間も、彼女を支え続けた。
それから幾つもの困難を乗り越え、ルノーはアンジェリーナと婚姻を結び、単なる女王の夫、王配ではなく、自らも執政に取り組む国王として戴冠した。
夫婦となって初めて迎えるアンジェリーナの誕生日。ルノーは彼女を喜ばせようと、画策する。
お買い上げありがとうございます旦那様
キマイラ
恋愛
借金のかたに嫁いだ私。だというのに旦那様は「すまないアデライン、君を愛することはない。いや、正確には恐らく私は君を愛することができない。許してくれ」などと言ってきた。
乙女ゲームのヒロインの姉に転生した女の結婚のお話。
「王太子殿下に魅了をかけてしまいました。大至急助けてください」にチラッと出てきたアデラインが主人公です。単体で読めます。
【完結】愛する夫の務めとは
Ringo
恋愛
アンダーソン侯爵家のひとり娘レイチェルと結婚し婿入りした第二王子セドリック。
政略結婚ながら確かな愛情を育んだふたりは仲睦まじく過ごし、跡継ぎも生まれて順風満帆。
しかし突然王家から呼び出しを受けたセドリックは“伝統”の遂行を命じられ、断れば妻子の命はないと脅され受け入れることに。
その後……
城に滞在するセドリックは妻ではない女性を何度も抱いて子種を注いでいた。
※完結予約済み
※全6話+おまけ2話
※ご都合主義の創作ファンタジー
※ヒーローがヒロイン以外と致す描写がございます
※ヒーローは変態です
※セカンドヒーロー、途中まで空気です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる