【R18】冷徹なエリート社長はセフレな私を一途に愛して孕ませたい

おうぎまちこ(あきたこまち)

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第1章 海外での出会い

2―5

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「これ……!」

 先ほど眺めていた黒猫のオーナメントだった。

「欲しかったんだろう? プレゼントだ」

「そんな、知らない人から物を貰うなんて出来ません」

 美桜が勢いよく告げると、美青年が「おや?」という表情を浮かべていた。

「しばらく一緒に過ごしただろう? 知らない奴呼ばわりは傷つくな」

「あ……ごめんなさい。だけど、出会ったばかりですし。こんな高い物……!」

「良いって。俺が贈りたくて買ったんだからな。控えめなのも結構だが、誰かが何かを贈ってきたら喜んでくれた方が、送り主も嬉しいはずだ。まあ、あんたが要らないんなら、それはそれで良いんだがな」

 美青年の言い分もそうな気がした。

(猫のこと、そんなに好きじゃなさそうだったのに……この人がいうように冗談だったのかな?)

 美桜は受け取ることに決める。

「でしたら、ありがとうございます」

「いいや、どういたしまして」

 美青年がふっと微笑むと――破壊力がものすごかった。
 美桜は我に返った。

(いけない、ずっとこの男の人のペースに乗せられてる)

 美桜はまたホテルに向かって歩を進める。
 黒猫のオーナメントはバックパックに取り付けることにした。

(それにしたって……)

 裏路地に街灯はあるものの、薄暗くて仕方がない。酔っぱらって寝転がった人たちもいる。

(この男の人、変な人だけど、一人でこの裏通りを歩くよりも心強かったかもしれない)

 そうして、しばらく会話がないまま歩いていると、目的地のホテルに辿りついた。
 旧市街に立っており、レンガ造りのレトロな外観でおしゃれな建物だ。

(良かった、これで今日の夜は安心ね。長旅で疲れたし、よく寝て明日の朝、観光名所を回ることにしよう)

 そんなことを思いながら、綺麗なホテルの自動扉の前へと足を踏み入れようとしたのだが……。

「お、ちょっとドジな雰囲気のあんたにしては、女性が泊まっても悪くないホテルを選んでるじゃないか」

 背後にいる美青年が美桜に向かって軽口を叩いてきた。
 思わず、くるりと振り返ってしまう。

「ちょっとドジって、いったいどういう意味ですか!?」

「そのままの意味だよ」

 少しだけムッとして頬を膨らませていると、美青年の大きな手が美桜の頭に乗っかってくる。あげく、猫か何かを愛でるかのように頭をくしゃくしゃにしてきた。

「きゃっ、何するんですか!?」

 すると。美青年がカラカラと笑った。どうやら揶揄からかわれたらしい。

「夜は治安が悪いんだ。お子様は早く寝ろよ」

「お子様ではありません」

 ついついムキになって反発していたら、美青年がますますカラカラと笑った。

「そういうところだよ。最近では珍しい類の面白い女だな」

「むむむ」

 とはいえ、自分の態度も少々子どもっぽかったかもしれない。

(海外にいるせいもあってか、なんだか普段よりも、気持ちが顔に出ちゃう)

 なんだかいつもの自分とは違う自分になった気がして、青年とのやり取りは不思議と嫌な感じはしなかった。
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