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第2章 日本での再会
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しおりを挟むうっかり部屋に先んじて入ってしまったことを忘れて、社長の横顔へと視線を凝らす。
逆光でしっかり顔が見れない。
けれども、相手がこちらをゆっくりと振り返ってきた。
美桜は瞠目する。
「ああ、来たのか」
聞き覚えのある低音の優しい声色。
黒髪がさらりと揺れる。キリリとした眉、鋭い漆黒の瞳、すっと通った鼻筋に凛々しく引き結ばれた唇。雄々しくも美しい顔立ちの美青年。
(……恭司……さん)
以前会った時とは違い、今日はスーツ姿であり、きっちりと着こなしており、真面目な印象が強かった。
旅先のドイツで一夜を共にした恭司の姿に、美桜は雷で打たれたかのような衝撃を受ける。
(どうして恭司さんが社長室に……?)
まさかの遭遇だ。
他人の空似も考えたが、こんなに綺麗な顔立ちの美青年が日本に何人もいるはずがない。
美桜の心臓がバクバクと跳ね上がる。
(そんなまさか、会社の社長だとか、そんなはずは……)
すると、恭司が口を開いた。
「私が社長の御影恭司だ」
美桜は頭をガツンと殴られた気になった。
(確か、社長は冷徹だと評判の人で、日本の仕事は難波副社長に任せて、最近まで海外で過ごしていたって話で……)
恭司に冷徹な印象がなかったせいで、思考が追い付かない。
美桜はそこでハッとする。
(海外で過ごしていたって、ドイツで過ごしていたってこと……!?)
だったら、話に齟齬はない気がする。
(まさかまた会えるなんて……)
心臓がドキドキしてくる。
淡い期待でなんだか胸が熱くなってくる。
なんだか運命の再会みたいで嬉しかった。けれども、そこで再びハッとする。
(新しく入社した会社の社長が恭司さんということよね? だったら、私は上司とあんなことを……!?)
当初は嬉しかったけれども、なんだか不安な気持ちがチラついてくる。
社長と一夜を共にしてしまっているというのは、あまり良くないのではないだろうか?
ある意味で、前の会社で噂になっていたこと――上司と身体の関係になっているから楽している――という内容の噂が現実になってしまったようで衝撃が激しい。
(どうしよう、知らなかったとはいえ、絶対に良くないかも……)
しかしながら、会社に勤める前の話だし、お互いに知り合いではなかったのだから、仕方がない面もあるのではないだろうか?
そんな風に葛藤していたら……。
美桜のことに気付いているのかいないのか、恭司がこちらに視線を向けてきていた。
(「あの後探していたんだ」なんてことは、さすがに自分に都合が良すぎる考えかな?)
とはいえ、どうしても淡い期待を抱いてしまう。
ゴクリ。
美桜は唾を飲み込むと、恭司に声をかけた。
「どうして私のことをお呼びになったんでしょうか?」
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