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第3章 身体だけの関係?
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しおりを挟むエレベーターの中。
美桜は自分の唇に指で触れた。
「毎日、一緒にご飯」
林檎を一緒に食べた時の話。
美桜が毎日誰かとご飯を食べられたら幸せだと話したから、恭司は気を遣ってくれたのだろう。
(恭司さんは優しい)
恋愛経験がないからこそ、舞い上がらないように気をつけたかったが、どうしても限界がある。
あれだけ接触されたら、好きにならないようにするのが難しいぐらいだ。
(女性に困らない男性だから、女性の相手に慣れていて、私にも優しいだけに過ぎない。だから、勘違いしないようにしなきゃ)
結婚願望はなさそうだった。本人にその意思がないということ、美桜にとっての――幸せな家庭を築ける男性ではない可能性がある。
(恭司さんにはもっときらびやかな女性が似合う気がする)
先ほど彼の隣を歩いたからこそ、そう強く感じてしまった。
本来ならば手の届かない相手だ。
自分は彼に相応しい相手ではない。
そうは思うけれども、休みのあいだ中、彼に抱きしめられて過ごしたことを思い出してしまい、体が勝手に熱くなってしまう。
それに、「万が一、もしかしたら?」という気持ちも、自分の中に顔を覗かせていた。
ふと。
スマホのバイブレーションが振動してくる。
「あ、何だろう?」
一瞬だけ期待したが、そういわれれば、恭司の連絡先は聞いていない。
少々ガッカリした気持ちになりながら、画面の通知に目を向ける。
「新宮部長から、メール……?」
美桜はそっと通知マークをタップしたのだった。
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