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第3章 身体だけの関係?
17-4
しおりを挟む恭司のマンションにて。
夕方頃になって恭司が帰ってきた。
「悪いな。昼過ぎには終わる予定だったんだが、遅くなった」
「いいえ、気になさらないでください。そういえば、公園でミオちゃんの元々の飼い主さんからミオちゃんを預かったおじいさんに会いました。ミオちゃんも懐いてました」
コートを受け取る美桜に向かって、恭司が話しかけてくる。
「へえ、ミオの飼い主か。それに、あいつが懐いているじいさんがいたのか」
「そうなんですよ。ミオは社交的な性格だから。元々の飼い主さんはお亡くなりになっていて、引き取って連れて帰ったら、逃げられたみたいです」
ミオは現在自分のお部屋でお昼寝中だ。
「そのじいさんのところに戻ってもらっても良いが」
「おじいさん曰く、どちらでも良いそうです。ミオが幸せでありさえすれば、飼い主が誰でも良いって話していました」
「そうか」
美桜が微笑んでいる姿を眺めていた恭司が口元を綻ばせる。
「そうだ! そのおじいさん、なんとなく恭司さんに似ているなって思ったんですよ」
「俺に?」
恭司が訝しげな表情を浮かべた。
「はい、和装姿でなんだか最初堅気の人じゃないかもって疑っちゃいました」
「へえ、まあ和装のじいさんはたくさんいるだろうしな」
「もしかして恭司さんも公園でお見かけしたことがあるんですか?」
「いいや、そんな目立つ爺さんなら、さすがに覚えてそうなもんだ」
「ふふ、関西のご出身の方みたいで、おしゃべりがすごく上手で楽しかったです」
恭司がピクリと反応した。
美桜がそっと彼の顔を覗く。
「……どうなさったんですか?」
「ああ、いや、なんでもない。そういやあ、黒猫ミオはあんたに似てるよな」
「え? どういうところですか?」
すると。
恭司が美桜の黒髪を撫で始めた。撫でられると気持ちが良くて夢見心地だ。
「わ」
「人懐っこいところとか」
「私はけっこう人見知りです。恭司さんにだけは色々喋りやすいんです」
「俺にだけ?」
「はい。恭司さんにだけです」
美桜がニコニコ笑っていたら、恭司の耳が少しだけ赤くなっていた。
「そういえば、恭司さん、仕事の時は冷たいけれど、ミオには優しいですよね。それに、私にも優しいですし、世話好きだなって」
「そうか?」
「はい。そうです。そういえば、ずっと気になっていることがあるんですけど」
「なんだよ?」
恭司が美桜の頭をくしゃくしゃにする手を止めた。
「どうしてミオちゃんを拾ったんですか? 猫ちゃん、苦手なのに」
「苦手じゃないって」
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