143 / 228
第5章 兄弟からのプロポーズ
27ー1 脅迫?
しおりを挟む公園で美桜は新宮順一と対峙していた。
「もしかして美桜ちゃん、僕が本気で会社乗っ取るわけやないって思っるの?」
――会社を潰すなんて、そんなすぐすぐ出来るはずがない。
そんな風に反論したかったけれど……。
美桜はおずおずと伝えた。
「私は……会社がどうやったら倒産するのかとか乗っ取られるのかとかよく分かってません。だから、新宮部長が本気なのか脅しで言っているのかどうかの判断ができかねます。うまい切り返しだってできません」
「はい……?」
順一が首を傾げていた。
「株式会社なら株を過半数乗っ取られたらダメだったはず……ぐらいは分かるんですけど……」
御影コーポレーションはコーポレーションというぐらいだから株式会社だったはずだ。
「新宮グループがすごく大きな財閥だって分かってはいるんですけど……たった一夜で株の買い占めなんかが出来るのかなって、御影コーポレーションはたくさん子会社もあるし……その会社全部の株を半分以上ずつ買うのって大変そうだなって」
こんなことなら、もう少し会社経営の知識なんかをつけておくべきだったと後悔してしまった。
順一はと言えば……呆気に取られていた。
「買い占めるの大変そうって、美桜ちゃん、何なん、恭司兄さんやなくて僕の心配してくれてるん? ハハッ、こんな時なのに緊張感ないな」
美桜は少しだけ安堵した。
(……さっきまでの新宮部長はちょっと怖かったけれど、今の部長は昔の部長みたいで優しい雰囲気な気がする)
今なら昔のように会話をして円満に話を解決できるのではないか――?
そんな期待が少しだけ湧いてくる。
(それと、さっきの新宮部長の笑い方は恭司さんに似ていた気がする)
兄弟で潰し合いだとか――どうにかして避けさせたい。
美桜の心を知ってか知らずか、ひとしきり笑った後、順一が説明してくれた。
「まあ、御影コーポレーションは御影マニュファクチュアを親会社とした大企業に育ったんや。いくつかの子会社を抱えてるわけなんやけど、ここらの子会社がちょっと何かをやらかしたとして、僕がちょいちょいってつついてやったらどないなると思う?」
美桜はしばらく考える。
「子会社は責任追及される?」
「そうや、それで親会社についてはどうや? 親会社には子会社への監督責任があるんやで」
「だったら……」
美桜は結論に至る。
「……親会社も子会社の責任を取らないといけない?」
「その通りや」
順一が満面の笑みを浮かべた。
「ですが、責任をとるぐらいだから不祥事とかがないと……難しいですよね?」
25
あなたにおすすめの小説
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ブラック企業で倒れた私を、ネトゲ仲間の社長が強制保護して溺愛しています
紅 与一
恋愛
過労で倒れた私を救ったのは、
ネトゲ仲間――そしてIT企業の若き社長。
「もう君は、僕の管理下だよ」
退院と同時に退職手続きは完了。
住む場所も、生活も、すべて彼に囲われた。
外出制限、健康管理、過保護な独占欲。
甘くて危険な“保護生活”の中で、
私は少しずつ彼に心を奪われていく――。
元社畜OL×執着気味の溺愛社長
囲い込み同棲ラブストーリー。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない
二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。
ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。
当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。
だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。
――君の××××、触らせてもらえないだろうか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる