【R18】冷徹なエリート社長はセフレな私を一途に愛して孕ませたい

おうぎまちこ(あきたこまち)

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第6章 初めての恋

38-4

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 二人を眺めていた美桜に恭司が解説してくれた。

「あんたが退職になった噂の原因を探っていたんだ。独自調査していたら、ずっとあんたのことを庇ってくれてた仲の良い同期ってのが、どうも学生時代の後輩だって気づいてな。しかも順一の元婚約者だっていう話でな」

 すると、佳代が話に入ってきた。
 
「御影氏には美桜に情報提供をおこなったんだ。それと、美桜に連絡をとってやってくれと話してきてな。そんなこと言われずとも美桜には連絡する気だったというのに。自分の方こそが美桜のことを知っていると言わんばかりの態度……腹立たしい」

 少しだけ不機嫌そうにしていた佳代だったが、美桜に問いかけてきた。

「それで……私の大切な美桜を幸せにできる男はどっちだ? 私からしたら――二人とも生涯の伴侶としては不適切だ」
 
 恭司と順一が兄弟揃ってうんざりした表情を浮かべていた。

「私が佳代ちゃんの選択を決めて良いの?」

「もちろんだ。そもそも美桜の伴侶選びにいちいち口を出すやり方がよろしくない。新宮のおじ様には私の方から伝えておこう。いずれを選ぶにせよ、美桜の男の趣味が悪いのは分かっているから」

 美桜は恭司へと視線を移す。

「恭司さんは新宮家を継ぐのは本当は嫌ですよね?」

「ん? もちろん嫌だな。だが……」

 恭司が美桜の顎に指を添える。

「あんたが俺以外の男と一緒になる方が嫌だな」

 ドクン。
 こんな時だけれど、心臓がドキドキして落ち着かない。
 恭司を見つめた後、佳代へと視線を戻す。

「だったら、佳代ちゃん。私は……恭司さんが良い」

 佳代が微笑んだ。

「そうか。だったら、私は御影殿に挙手しよう」

 そうして、順一が貴賓席の皆に向かって笑顔で話す。

「ということで――過半数、恭司兄さんやったということで、美桜ちゃんの旦那さんは恭司兄さんに決定や。つまるところ、新当主の父親は恭司兄さん。皆、ちゃんとこの人に従ってな」

 恭司が順一に話しかける。

「美桜のことが好きだったのにあっさりだったな」

「僕は兄さんと違って引き際は美しくありたいんや」

「そうか……」

 恭司が続ける。

「最初から多数決をとらせるつもりはなかったんだ。そもそも新宮の会社の公開株の半数近くを買い占める準備を進めていたからな」

 美桜は目を真ん丸に見開いた。

(それって、恭司さんがそもそも新宮グループの会社を買収しちゃいそうだったってこと……!?)

「俺から美桜を攫わなければ、ここまでやるつもりはなかったんだがな」

 恭司が飄々と答えた。
 すると、順一が話を継いだ。
 
「兄さんはやっぱり何手か先を読んでるんやね。ついでやけど……僕の持ってる株も恭司兄さんにお任せや。新宮家当主は僕には荷が重すぎる」

 その時、新宮環が抗議をはじめる。

「どないなってるんや! こいつに株を売らん限りはそんなことあるはずがない! 所詮ははったりや! 皆が私を裏切るはずはない!」

 すると、恭司がポツリと呟いた。

「因果応報だ。親父の意向を無視して、社員たちに好き放題振舞ってきたツケだよ。あんたの言いなりになって困った子息たちにちょうど代替わりしてきてるんだ。もうあんたが喚いたところで効果はない」

 新宮環が金切り声を上げる。

「この裏切り者どもが! 後で見とれ!」

 慌てて周囲の人間たちが彼女を抑えはじめた。
 そうして――恭司がマイクで宣言をした。

「新宮家の新たな当主となった御影恭司だ。これからは私の指示に従ってもらう。妻と生まれてくる子どものためにも尽力してもらいたい」

 抱き寄せられた美桜は赤面した。

(まだ子どもも出来ていないのに……私の子どもが新宮家の当主だっていう話だったからなのは分かっているけれど)

 パラパラとどこかから拍手がはじまる。
 次第に波が拡がっていき、いつしか拍出喝采へと変わっていった。
 ――とりあえず一件落着のようだ。

「さて、美桜、帰るぞ」

「はい、恭司さん!」

 そうして、大広間を後にすることになったのだ。


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