【R18】冷徹なエリート社長はセフレな私を一途に愛して孕ませたい

おうぎまちこ(あきたこまち)

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第6章 初めての恋

39-3

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 恭司が淡々と返す。

「本当に俺はお前の何が怖かったんだろうな」

 そうして、続ける。

「俺にも確かに新宮家に潰れてほしいと思っていたことあった。だがな……どんなに嫌いなやつらがいる場所でも、そいつらにだって仲間や家族はいるし、嫌いなやつらのことを好きだと思っている奴もいる。それを壊して全てを否定する気にはなれなかった……いや、なれなくなったんだ。だから、俺はお前を断罪する気はない。これから先の余生、好きに生きてくれ」

 恭司が美桜の身体をそっと抱き寄せてきた。

「お前と出会えたおかげで、嫌なこととも向き合って受け入れていこうって、そう思えた。ありがとう、美桜」

「恭司さん……」

 美桜はそっと恭司の胸に寄り添った。
 ――こんな緊迫した場面だというのに、彼が自分のことを思う気持ちが嬉しくて堪らない。
 その時。
 
「恭司、あんたは……」

 新宮環の唇が戦慄いた。

「あの人と似た顔で……あんたは……あの人と同じ……好きに生きろやて……?」

 美桜は彼女の異変に気付いた。

(あの人って恭司さんのお父さんのこと?)

 それとも……。
 新宮環が身体をぶるぶる震わせている。

「勝手に私に白猫の世話を押し付けて! 何も言わんと黙って! 自分の方が心が弱いくせに! 知ってたら、私は……私は家のことなんか押しのけて……結婚なんかせえへんかったのに……自分勝手や……あげく不愛想で懐かん子どもまで押し付けてきおって……『環は自由に生きて』ってドイツから手紙寄こして勝手に死んでもうて……ほんまに自分勝手なあの女にそっくりや」

 ――女。
 ということは、彼女が話しているのは、おそらく恭司の母のことなのだろう。

(新宮部長のお母さんと恭司さんのお母さんは友だちだったのかな?)

 ちょうど、その時。

「みゃあっ!」

 黒猫ミオが飛び出してきた。

「ミオちゃん、どうしたの?」

 ミオの視線の先を見ると――。

「あ!」

 新宮環の飼い猫のふくよかな白猫が建物の二階から顔を出していた。おそらく飼い主を追い掛けてきたのだろう。
 どうやら老猫のようでよたよたしている。
 そのまま身体を乗り出すと――落下しはじめる。

「あぶない!」

 美桜は反射で体を動かした。
 周囲の人間たちが息を呑んだ。
 手を伸ばすが間に合わない。
 そう思った瞬間。

「おっと」

 美桜よりも先に猫の真下に辿りついた恭司が白猫をキャッチしていた。

「良かった!」

 美桜は恭司から白猫を渡されると抱きしめる。
 
「あなたもミオちゃんみたいにふわふわね」

 白猫が嬉しそうに一声鳴くと、新宮環へと視線を移す。
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