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しおりを挟む車中で純潔を奪われた日――熱くて大きいものが下半身を支配してきていたことを覚えている。
あれからというもの、屋敷の窓から通り過ぎる車を見る度に、身体が疼くようになってしまっていた。
(清一郎に言われた通り、どうやっても忘れられない思い出になってしまった……)
そうして、吉原に売られることから免れることが出来た椿だったが――清一郎に囲われながら、淫らな毎日が続いていた。時折、座敷牢に入れられることもあったが、概ね自室で生活を送ることが出来ている。
現在――椿は座敷の畳の上で過ごし、つまみ細工で花を作っていた。
白い肌をした彼女の頬は心なしか赤く染まっている。
今日の彼女の装いは、牡丹色の紬(※昔は普段着とされていた織物のこと)の袷(※あわせ)を朱色の帯を巻いたものだ。
そうして、着物の中では――。
少しだけはしたないかもしれないが、耐えられずに彼女が膝を崩すと、裾からは華奢な足首が覗いていた。
(早く帰ってきてほしい……)
ちょうどその時――。
スラリと障子が開いて、部屋の中に入ってきたのは清一郎だった。
「椿……どうだ? ちゃんと俺の帰りを待ってくれていただろうか?」
「もちろん……です……」
「それなら、良かった――」
何食わぬ顔をしながら、スーツのジャケットを脱いだ清一郎が、畳の上に座る椿の隣ドカリと座り込んだ。
「さて、俺の可愛い椿姫、ちゃんと待ってくれていたのだと証拠を見せてもらえるか……?」
「……あ……」
羞恥に駆られた椿が頬を真っ赤にしたまま俯く。
「どうやら昔のように俺が面倒をみないといけないようだな――どれ――」
彼の大きな手が裾を割り入り襦袢の中を晒してきた。
「いやっ……やめっ…………」
「……やめろと言われて、やめる奴はいないさ……」
「あ……」
両腕は縛られてしまい抵抗が出来ない中、帯を解かれ着物をはだけられ、彼女の下半身が露わになり、貞操帯をつけていたことが分かった。
「ちゃんと言うことを聞けたようで良かった――お礼にお前がもっと気持ち良くなれるように手伝ってやろう……」
「あ……清一郎……」
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