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第9話 好きなものは好きだからしょうがない side瀬戸

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 翌朝、俺は毎日の日課で、朝からランニングをしていた。
 結局、加賀美百合に「ひどい事を言って、ごめん」って謝ることは出来ないまま、次の日になった。
 ちょうど大型連休に入ったばっかりだから、毎日顔を合わせる。
 こういうのはなるべく早い内に謝った方が良いだろう。
 まだ一緒に住みだして三日目だが、これから先しばらくは一緒なのだから。

「はあ、終わったら、帰って謝るか……」

 そんなことを思っていたら――。
 
 ポーンと歩道にバスケットボールが転がってきた。

「あ、ごめんなさい、お兄さん!」

 小学生ぐらいの男子がこちらに手を振っていた。
 せっかくなので、拾ったボールでチェストパスを出した。相手もパシンとボールを受け取った。

「ほら、ボールは大事にしろよ」

 すると――。

「今のパス! お兄ちゃん! バスケやってるの!?」

 突然、そんなことを言われた。

「え? ああ、まあな……」

 そうは答えたが、バスケは個人競技ではなく団体競技だ。
 癖で基礎練を続けてはいるが、現在進行形でやっていると答えて良いのか分からない。

「あのね、だったら――!」


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