【R18】犬猿の仲の幼馴染は嘘の婚約者

おうぎまちこ(あきたこまち)

文字の大きさ
46 / 71
ハネムーン前日譚

9 ギルフォードside※

しおりを挟む

 チョコ以上に蕩けた表情を見せる彼女に口づける。
 そのまま昂ぶった熱杭を、彼女の軟肉の中へと沈み込ませた。
 彼女の中はひどく柔らかくて心地が良い。
 自分のことを離すまいと、ぎゅうぎゅうと肉襞全体で熱塊を締め付けてくる。
 たまらなく愛おしさが込み上げてきた。

「ルイーズ、久しぶりだな……ああ、お前の中はどれだけだって飽きたりねぇ……」

 本心が吐いて出た。
 その後、久しぶりに彼女の中で何度も果てた。
 明け方になると、ルイーズは眠ってしまった。
 まだ彼女の中に欲望を吐き出したくてしょうがなかったが、彼女の眠りを妨げるわけにはいかない。そっと彼女を眺めながら、自分自身の手で落ち着けた。
 しばらくしたら、薬がようやっとギルフォードの体内から抜けきった。
 ルイーズがごそごそしはじめたので、彼は慌てて腕枕をする。

「おはよう、ルイーズ……」

「おはよう、ギル……」

 目覚めた彼女には、何事もなかったかのように平然そうに振舞うことにする。
 しばらくすると、彼女が話題を振ってきた。

「そういえば……なんでギルはすぐに薬が抜けたの?」

「さあ、どうだろうな? 普段から身体を鍛えているからじゃないか?」

 そんなわけないが、そういうことにした。
 媚薬を飲んだぐらいで理性を崩壊させているようでは、愛する彼女の心は絶対に手に入らない。
 何年耐えたと思っている――?
 今更数日位待つぐらい、媚薬位、彼にとっては大した困難ではない。

 再会して以来、離れていた間の分の過剰な愛を彼から注がれていることに、当の彼女本人は今日も気づいていない。

(やっと手に入れたルイーズ……愛している。もう二度とお前を悲しませない。そのためなら……どんな嘘だってつきたくないが、演技ぐらいなら出来る)

 だがしかし、新婚旅行中に、やっぱり媚薬で身体が辛かったことがルイーズにはばれてしまった。
 怒られるかと思いきや、「もう我慢はしないで、私に嘘はつかないで」と言われたギルフォードが、再度彼女に陥落するのは、また別の話である。


 嘘の婚約関係は終わったものの、本当の夫婦になるためのギルフォードの闘いは、これからもずっと続いていくのだった。


しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です

ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」 「では、契約結婚といたしましょう」 そうして今の夫と結婚したシドローネ。 夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。 彼には愛するひとがいる。 それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?

余命わずかな私は、好きな人に愛を伝えて素っ気なくあしらわれる日々を楽しんでいる

ラム猫
恋愛
 王城の図書室で働くルーナは、見た目には全く分からない特殊な病により、余命わずかであった。悲観はせず、彼女はかねてより憧れていた冷徹な第一騎士団長アシェンに毎日愛を告白し、彼の困惑した反応を見ることを最後の人生の楽しみとする。アシェンは一貫してそっけない態度を取り続けるが、ルーナのひたむきな告白は、彼の無関心だった心に少しずつ波紋を広げていった。 ※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも同じ作品を投稿しています ※全十七話で完結の予定でしたが、勝手ながら二話ほど追加させていただきます。公開は同時に行うので、完結予定日は変わりません。本編は十五話まで、その後は番外編になります。

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

処理中です...