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ハネムーン前日譚
9 ギルフォードside※
しおりを挟むチョコ以上に蕩けた表情を見せる彼女に口づける。
そのまま昂ぶった熱杭を、彼女の軟肉の中へと沈み込ませた。
彼女の中はひどく柔らかくて心地が良い。
自分のことを離すまいと、ぎゅうぎゅうと肉襞全体で熱塊を締め付けてくる。
たまらなく愛おしさが込み上げてきた。
「ルイーズ、久しぶりだな……ああ、お前の中はどれだけだって飽きたりねぇ……」
本心が吐いて出た。
その後、久しぶりに彼女の中で何度も果てた。
明け方になると、ルイーズは眠ってしまった。
まだ彼女の中に欲望を吐き出したくてしょうがなかったが、彼女の眠りを妨げるわけにはいかない。そっと彼女を眺めながら、自分自身の手で落ち着けた。
しばらくしたら、薬がようやっとギルフォードの体内から抜けきった。
ルイーズがごそごそしはじめたので、彼は慌てて腕枕をする。
「おはよう、ルイーズ……」
「おはよう、ギル……」
目覚めた彼女には、何事もなかったかのように平然そうに振舞うことにする。
しばらくすると、彼女が話題を振ってきた。
「そういえば……なんでギルはすぐに薬が抜けたの?」
「さあ、どうだろうな? 普段から身体を鍛えているからじゃないか?」
そんなわけないが、そういうことにした。
媚薬を飲んだぐらいで理性を崩壊させているようでは、愛する彼女の心は絶対に手に入らない。
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(やっと手に入れたルイーズ……愛している。もう二度とお前を悲しませない。そのためなら……どんな嘘だってつきたくないが、演技ぐらいなら出来る)
だがしかし、新婚旅行中に、やっぱり媚薬で身体が辛かったことがルイーズにはばれてしまった。
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