24 / 24
闇の戦争⑦
しおりを挟む
学校につくとすでに皆そろっていた。さっきまで出ていた白い息も教室に入ればその途端に出なくなってしまう。
「悪い、買い物してて遅れた」
「あ、ゆうとくん」
「遅い! どんだけ買い物に時間かかってんのよ」
かなり急いで来たつもりだったのだがめぐるさんは激おこだった。ストーブが点いてはいるがこの暖かさはそれによるものかもしれない。
「それがさ、たまたま朝日さんに会ってちょっと話してたんだ」
「朝日……?」
「ああーそう言えばお前は会ったこと無かったか」
「誰よそれ」
「朝日ちゃんは私の友達なんだよ、クラスも同じ」
俺の変わりに赤井さんが説明してくれた。そして付け足すように部活に誘ったが断られたことも話しておく。
「そうなんだ……」
「どうかしたか?」
一瞬雰囲気が変わったような気がしたので聞いてみたが勘違いだったようでいつもの様子で顔をあげた。
「それよりさっさと始めるわよ~、パーティーを」
それから俺たちは鍋を用意し、ほんとに許可を取れたのか疑問だがガスコンロも火が点くか確認して机の真ん中に置いた。そして皆に分からないように袋に入れられた各々の選んだ食材が置かれる。
「あー普通に鍋が良かったな」
「まぁ、確かに。でもこれはこれで楽しそうじゃん」
隆也は何時もより少しテンションが上がっている様子だ。赤井さんを見てみてもピョコピョコ、アホ毛が動いてるのを見るに楽しんでいるようだった。
「じゃあ皆ー席について~」
めぐるの掛け声で鍋を囲むように席につくとすぐに電気が消されて真っ暗になる。
「おぉ暗いな」
すでに外は太陽が沈みカーテンも閉められているため月明かりすら入ってこない。
「みんな~いるよね~」
赤井さんのそんな心細そうな声が聞こえてくる。
「大丈夫だよ赤井さん」
隆也が優しく返事をする。それと同じくしてめぐるも席についたのかガタッと椅子を引く音がした。と思ったのだが
「誰か席を立ったの?」
そう言ったのはめぐるだった。
「え、今座ったのめぐるじゃないのか?」
「違うわよ、とっくに私は座ってたもの」
なんてこった、闇鍋だって言うのにちがう怖さが出てきやがった。取り敢えず俺は皆に確認を取ることにした。
「皆、座ってるよな?」
「ゆうとくん?」
「佑?」
「座ってるわ」
一応全員いることが確認された。でもじゃあさっきのはなんだったんだろうか。
「いいからさっさと始めるわよ。皆自分が買ってきたもの入れてみて」
ガスのちょっとした明かりを目印に食材を入れていく。俺はまともに白菜やキノコなどを入れていく。そして全員入れ終ったところで蓋をして5分ほど待つ。
「そろそろかしらね」
そう言って蓋を空けるといい匂いが教室中に広がった。これは案外期待できるかもしれない。
「誰から食べるんだ」
暗闇の中に向け問いかけると向かい側に座っているはずのめぐるから返事が帰ってくる。
「佑斗からよ」
「え……なんで俺なんだよ」
「面白いからよ」
くそ、暗くて見えないのにニヤニヤしたムカつく顔が浮かび上がってくる! おそるおそる鍋に箸を入れるがいきなりグニョンとした感触の物に触れた。
「食べられるもの……だよな」
感触からして恐らく隆也が買っていたケーキが考えられるがまぁ分からない。取り敢えず少しだけ自分の皿に取り分ける。
「はぁ……食わなきゃだめか」
「だめよ」
「頑張ってゆうとくん!」
赤井さんからも応援の声がとぶ。が、その時また今度は俺の後ろの方でギシッと床が軋むような音が聞こえた。
「おい……今誰か歩いてるのか? そ、そう言えば隆也の声が聞こえないが」
「僕は座ってるよ」
「いんのかよ……、あーもう!」
俺は二つの恐怖に耐えながら具材を口に運んだ。それはやはりケーキだったようで甘く少しとけ、スープは少し辛みをおび、溶け残ったであろう飴玉のシャリシャリ感。
「ぅ………………」
「ちょっ佑斗!?」
異変に気づいた皆が呼び掛けてくれる。しかし俺の意識は倒れていく椅子とは反対に天に昇っていくかの様にすぅーっと飛んでいく……はずだった。
「いだっ!」
そんな間の抜けた声が聞こえなければ。
「悪い、買い物してて遅れた」
「あ、ゆうとくん」
「遅い! どんだけ買い物に時間かかってんのよ」
かなり急いで来たつもりだったのだがめぐるさんは激おこだった。ストーブが点いてはいるがこの暖かさはそれによるものかもしれない。
「それがさ、たまたま朝日さんに会ってちょっと話してたんだ」
「朝日……?」
「ああーそう言えばお前は会ったこと無かったか」
「誰よそれ」
「朝日ちゃんは私の友達なんだよ、クラスも同じ」
俺の変わりに赤井さんが説明してくれた。そして付け足すように部活に誘ったが断られたことも話しておく。
「そうなんだ……」
「どうかしたか?」
一瞬雰囲気が変わったような気がしたので聞いてみたが勘違いだったようでいつもの様子で顔をあげた。
「それよりさっさと始めるわよ~、パーティーを」
それから俺たちは鍋を用意し、ほんとに許可を取れたのか疑問だがガスコンロも火が点くか確認して机の真ん中に置いた。そして皆に分からないように袋に入れられた各々の選んだ食材が置かれる。
「あー普通に鍋が良かったな」
「まぁ、確かに。でもこれはこれで楽しそうじゃん」
隆也は何時もより少しテンションが上がっている様子だ。赤井さんを見てみてもピョコピョコ、アホ毛が動いてるのを見るに楽しんでいるようだった。
「じゃあ皆ー席について~」
めぐるの掛け声で鍋を囲むように席につくとすぐに電気が消されて真っ暗になる。
「おぉ暗いな」
すでに外は太陽が沈みカーテンも閉められているため月明かりすら入ってこない。
「みんな~いるよね~」
赤井さんのそんな心細そうな声が聞こえてくる。
「大丈夫だよ赤井さん」
隆也が優しく返事をする。それと同じくしてめぐるも席についたのかガタッと椅子を引く音がした。と思ったのだが
「誰か席を立ったの?」
そう言ったのはめぐるだった。
「え、今座ったのめぐるじゃないのか?」
「違うわよ、とっくに私は座ってたもの」
なんてこった、闇鍋だって言うのにちがう怖さが出てきやがった。取り敢えず俺は皆に確認を取ることにした。
「皆、座ってるよな?」
「ゆうとくん?」
「佑?」
「座ってるわ」
一応全員いることが確認された。でもじゃあさっきのはなんだったんだろうか。
「いいからさっさと始めるわよ。皆自分が買ってきたもの入れてみて」
ガスのちょっとした明かりを目印に食材を入れていく。俺はまともに白菜やキノコなどを入れていく。そして全員入れ終ったところで蓋をして5分ほど待つ。
「そろそろかしらね」
そう言って蓋を空けるといい匂いが教室中に広がった。これは案外期待できるかもしれない。
「誰から食べるんだ」
暗闇の中に向け問いかけると向かい側に座っているはずのめぐるから返事が帰ってくる。
「佑斗からよ」
「え……なんで俺なんだよ」
「面白いからよ」
くそ、暗くて見えないのにニヤニヤしたムカつく顔が浮かび上がってくる! おそるおそる鍋に箸を入れるがいきなりグニョンとした感触の物に触れた。
「食べられるもの……だよな」
感触からして恐らく隆也が買っていたケーキが考えられるがまぁ分からない。取り敢えず少しだけ自分の皿に取り分ける。
「はぁ……食わなきゃだめか」
「だめよ」
「頑張ってゆうとくん!」
赤井さんからも応援の声がとぶ。が、その時また今度は俺の後ろの方でギシッと床が軋むような音が聞こえた。
「おい……今誰か歩いてるのか? そ、そう言えば隆也の声が聞こえないが」
「僕は座ってるよ」
「いんのかよ……、あーもう!」
俺は二つの恐怖に耐えながら具材を口に運んだ。それはやはりケーキだったようで甘く少しとけ、スープは少し辛みをおび、溶け残ったであろう飴玉のシャリシャリ感。
「ぅ………………」
「ちょっ佑斗!?」
異変に気づいた皆が呼び掛けてくれる。しかし俺の意識は倒れていく椅子とは反対に天に昇っていくかの様にすぅーっと飛んでいく……はずだった。
「いだっ!」
そんな間の抜けた声が聞こえなければ。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママはヤンママ女子高生! ラン&ジュリー!!
オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
キャラ文芸
神崎ラン(♂)の父親の再婚相手は幼馴染みで女子高生の高原ジュリー(♀)だった。
ジュリーは金髪美少女だが、地元では『ワイルドビーナス』の異名を取る有名なヤンキーだった。
学校ではジュリーは、ランを使いっ走りにしていた。
当然のようにアゴで使われたが、ジュリーは十八歳になったら結婚する事を告白した。
同級生のジュリーが結婚するなんて信じられない。
ランは密かにジュリーの事を憧れていたので、失恋した気分だ。
そう言えば、昨夜、ランの父親も再婚すると言っていた。
まさかとは思ったが、ランはジュリーに結婚相手を聞くと、ランの父親だと判明した。
その夜、改めて父親とジュリーのふたりは結婚すると報告された。
こうしてジュリーとの同居が決まった。
しかもジュリーの母親、エリカも現われ、ランの家は騒然となった。
煙草屋さんと小説家
男鹿七海
キャラ文芸
※プラトニックな関係のBL要素を含む日常ものです。
商店街の片隅にある小さな煙草屋を営む霧弥。日々の暮らしは静かで穏やかだが、幼馴染であり売れっ子作家の龍二が店を訪れるたびに、心の奥はざわめく。幼馴染としてでも、客としてでもない――その存在は、言葉にできないほど特別だ。
ある日、龍二の周囲に仕事仲間の女性が現れ、霧弥は初めて嫉妬を自覚する。自分の感情を否定しようとしても、触れた手の温もりや視線の距離が、心を正直にさせる。日常の中で少しずつ近づく二人の距離は、言葉ではなく、ささやかな仕草や沈黙に宿る。
そして夜――霧弥の小さな煙草屋で、龍二は初めて自分の想いを口にし、霧弥は返事として告白する。互いの手の温もりと目の奥の真剣さが、これまで言葉にできなかった気持ちを伝える瞬間。静かな日常の向こうに、確かな愛が芽吹く。
小さな煙草屋に灯る、柔らかく温かな恋の物語。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
異世界帰りの少年は現実世界で冒険者になる
家高菜
ファンタジー
ある日突然、異世界に勇者として召喚された平凡な中学生の小鳥遊優人。
召喚者は優人を含めた5人の勇者に魔王討伐を依頼してきて、優人たちは魔王討伐を引き受ける。
多くの人々の助けを借り4年の月日を経て魔王討伐を成し遂げた優人たちは、なんとか元の世界に帰還を果たした。
しかし優人が帰還した世界には元々は無かったはずのダンジョンと、ダンジョンを探索するのを生業とする冒険者という職業が存在していた。
何故かダンジョンを探索する冒険者を育成する『冒険者育成学園』に入学することになった優人は、新たな仲間と共に冒険に身を投じるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる