蛇と鏡の誰そ彼刻

水笛流羽(みずぶえ・るう)

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小さき神は獣と戯る

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 夢のない眠りの中を歩き回っていた魂が帰ってきて、もぞもぞと体に潜り込む。感じていなかった音や匂いや温度が少しずつ戻ってくる。それで、自分の目が覚め始めていることを感じた。
 まだ瞼は重い。目が開かない。目を閉じて横になったまま、少し腕を動かす。けれど、いつも傍にいる温かい感触には一向に手が触れない。
 草と土のひんやりした感触だけが、手と指に絡みつく。その冷たさで少し意識がはっきりし始めて、くっついていた瞼も開けられるくらいには緩んだ。
 だから、眠い目を擦りながら起き上がる。まだ頭が働いていないのを感じながら、必ず近くにいる筈のそいつを目で探した。金色と黒の毛皮を着た、温かくて柔らかい、いつも一緒にいて絶対に離れたりしないそいつを。果たして、そいつはすぐ近くに居た。
 近くで蝶を追いかけて遊んでいたそいつは、起きたのに気付くと喜んで駆け寄ってきた。嬉しい時の唸り声を上げて鼻先を擦り付けてくるので、その太い首に腕を回して鼻を寄せ合う。
 そいつは嬉しい時の声でぐるぐると喉を鳴らし、ほっぺたを舐めてきた。ざらざらしたその舌の感触が擽ったくて、ふふふと笑ってしまう。
 もう少し目が覚めてきたので、そいつに回していた腕を解いて立ち上がることにした。うん、と伸びをする。眠っていた間動かしていなかった体は、そうすると気持ちが良い。
 体と装束にくっついていた草を払い落として、そいつを振り返る。同じように自分の毛繕いをしながら待っていたそいつは、金色の目でこちらを上から下まで眺める。そして機嫌の良い声で唸って、体を擦り付けてきた。
 綺麗なその毛皮は柔らかくて温かくてなめらかで、触れ合うのはとても気持ちが良い。耳の後ろや首の周りを撫でてやりながら、これから何をしようかなと考えた。
 川に行って泳ぐのも良い。木登りをするのも良い。樹が殆どない広々した野まで行って、走り回っても良い。さっきまでこいつがしていたように蝶を追いかけるのも、鳥を探しながら遠くまでぶらぶら歩いて行くのも良いだろう。驚くとぱたっと倒れて動かなくなるあの小さい獣を途中で見つけたら、またこっそり後ろから近付いて揶揄ってやろう。
 どうしようかなと考えながら、そいつから手を離した。何か面白いことができるとよく知っているそいつも、顔を上げて期待のこもった目で見上げてくる。そのおでこをもうひと撫でして、そいつと並んで歩き出した。
 川がある方向へ暫く歩いて行ったところに、樹があまり生えていなくて開けている空き地がある。まずはそこへ行くことにした。
 赤い翼の鳥が羽繕いをしている下を通り過ぎる。木の幹に体を巻きつけて眠っている手足のない生き物を起こさないようにしながら、傍を通り抜ける。隣を歩くそいつは揶揄ってやりたそうな目でその生き物を眺めたが、噛まれると痛いからやめておくことにしたらしい。
 樹の上で考え事をしていた小さな獣は、こちらに気づくと駆け下りてきて挨拶をした。その獣は自分に似ている金色と黒の毛皮なのに自分よりずっと大きくて強いそいつのことが怖いけれど気になるらしく、少し遠くにいても必ず駆け寄ってくる。そいつも勿体ぶって、偉そうに挨拶を返してやった。
 立ち止まっていると、他の小さな獣達も寄ってきて頻りに挨拶をする。木登りのできない獣の群れもわらわらとやってきて、口々に鳴いて挨拶し始めた。ぴんと立った耳とほっそりした体の獣も走ってきて、恭しく礼をする。
 巣の中に隠れていたらしい獣も、子供を急き立てながら急いでやってきた。体は小さいけれどとっくに目も開いているその子供は怖がりもせずに、親の足元を離れてとことこ近寄ってくる。その子供が物珍しそうに自分とは全然違う形の足を眺めて、装束の裾を嗅いで、それを小さな口で噛んで引っ張ろうとする。慌ててやめさせようとする親を制して、ひょいと子供を抱き上げた。
 子供は丸い眼をぱちくりして遠くなった地面と近づいた顔を交互に見たけれど、抱き上げられるのは気に入ったみたいだった。嬉しがって声を上げ、ぺろぺろと手を舐めてくる。少し擽ったい。
 抱き上げられている子供を見て、他の獣達も羨ましくなったらしい。恐る恐る近付いてきて、じゃれついたり舐めたり甘えるように鳴いたりし始めた。期待のこもったたくさんの目が見上げてくるので、子供を抱くのは片腕に変え、空いたほうの手で小さい獣達を順番に撫でてやる。
 だけどそんな風にして他の獣達の相手をしていたから、隣で待っているそいつが機嫌を悪くし始めた。ぐるると低く唸っているそいつは小さい獣達を押しのけてしまいたいのだろうけれど、それはかっこ悪いと思っているらしい。姿勢良く座ったままで不機嫌に見つめてくるので、仕方ないなと笑った。
「またね」
 子供を下ろして、皆に宣言する。獣達は残念そうに口々に鳴いたが、下がって道を開けてくれる。獣達をその場に残してまた歩き出すと、後ろでさっきの子供がくるくる鳴いた。

 空き地に足を踏み入れたところで、一度立ち止まる。何をしようかなと隣のそいつを見下ろしてから、良いことを思いついてまた歩き出した。
 一緒に付いて来ようとするそいつの鼻先を軽く押さえて、自分だけで歩みを進める。そいつは不思議がってぐるぐる唸ったけれど、大人しくその場で立ち止まった。
 空き地の真ん中まで歩いて行って、振り返る。そして、長い尻尾で地面を撫でながら待っているそいつに腕を広げて見せた。
 それで理解したそいつは、丸い金色の目を輝かせた。喜んだそいつが勢いよく駆け寄って飛びついてくるので、後ろ向きに倒れてしまう。
 そいつは自分の力が強いのを知っているからちゃんと力加減はしてくれるけれど、それでも受け止めきれなくてよく押し倒されてしまう。時々は受け止めきれることもあるけれど、まただめだった。
 残念に思う間もなく、喜んでのしかかっているそいつが顔を舐め回してくる。擽ったくて笑ってしまいながら何とかしてその体の下から抜け出そうとしても、そいつも面白がって強い前足も体全体も使って押さえてくるから、上手くいかない。そうやって暫くの間、力と技を比べあった。
 やがて、諦めたとか疲れたとかではないけれどひと満足したので、じたばたするのをやめた。そいつも察して、最後に顔をもうひと舐めしてのそのそと降りていく。そしてぴったり体がくっつくように隣に座り込み、少し毛並みの乱れている前足を舐め始めた。
 少し上がっている息を整えながら、毛繕いをしているそいつを眺める。そいつは泳ぎや木登りと同じくらいに毛繕いも大好きだから、ふとした時によく毛並みを整え直している。
 そよそよとした風が、火照った頬を撫でている。どこかで鳥が鳴いている。あれはあの緑色の鳥の声だなと思いながら、顔を空の方に向けた。
 樹がないからよく見える丸いものは、薄ぼんやりと浮かんでいる。時々それを覆い隠したり叩きつけるような冷たい水を降らせたりするもやもやしたものも、今は浮かんでいない。空の丸よりも、温かくて柔らかいこいつの金色の目の方が綺麗だなと思いながら、また隣に目を戻した。
 毛繕いを終えたそいつは満足して一声唸り、それからこちらを向いた。その顔に何だか嫌な予感がして手をついて起き上がったが、それが良くなかったのかもしれない。草のついたままの腕に目を留めたそいつは、顔を寄せてきてこちらの腕を舐め始めた。
「わ、」
 慌てて手を引っ込めようとするが、そいつは腕を抱え込むようにして舐めてくる。そうされるのは獣の子供になったような気持ちがして、まだよたよた歩きの幼い獣になったかのようで、あまり好きじゃない。なのにそいつは自分の大好きな毛繕いはこちらも大好きな筈だと信じているので、いくら言ってもすぐに腕や脚を舐めてくる。
 やめてよ、自分でやるよ、擽ったいよ。何回も何回も言ってようやく腕を取り返した時には、その腕にはもう草はついていなかった。逆の腕からは自分で草を払い落とし、立ち上がって装束や脚も綺麗にする。髪に絡まっていた最後の草を地面に落とすと、座ったまま待っていたそいつが機嫌の良い声を上げた。

 今度は木登りがしたくなったので、空き地を後にした。どの樹にしようかなと見上げながら歩いていく。
 同じように樹を見比べながら歩いていたそいつがぐるぐる唸ったので、顔を向ける。そいつは金色の目を輝かせてこちらを見上げてから、少し向こうに立っている樹へと走っていった。
 追いかけていって、その樹とその隣のもう一本を見上げる。どちらも程々に登りやすそうな枝ぶりをしていて、しっかりしていて、背が高い。良いなと思って軽く幹を叩くと、そいつも嬉しい時の声で唸って幹で爪を研いだ。
 叩いた方の樹に手を掛けて登り始めると、そいつも爪研ぎをした方の樹に登り始めた。そいつもどんどん登って行って追い越されそうになるので、こちらも負けじともっと上の枝に手を伸ばす。
 ぐんぐん登っていくと、それに驚いたらしい鳥が慌てて他の樹に飛び移る。橙色をしたあまり大きくない鳥は大声でぎいいっと鳴いて、怒ったようにどこかへ飛んで行った。
 だいたい同じ高さにある座りやすい枝にそれぞれ辿り着いたので、そこで登るのをやめることにした。座り直して、周りを見回す。そいつも隣の樹でのんびりと体を伸ばして、大きくあくびをした。
 地面は随分と遠くにあって、心地良い風がそよそよと頬を撫でる。よく川遊びをしに行く方に目を向けると、水面がきらきらしているのがちらりと見えた。
 走り回れる野は、遠すぎてここからは見えない。他の神達が住んでいると聞いている、野の向こうにある場所も。他の神達も、ここから見える場所には今は居ないようだった。
 それでいい。他の神達に会うのは好きじゃない。ちっとも楽しくない。ずかずかとやって来て、獣や鳥を驚かせて、よく分からないことばかり言って、そしてまた居なくなる神達なんて。来ない方が、ずっと良い。
 隣の樹で体を伸ばしているそいつに目を戻す。こちらを見ていたそいつは、嬉しい時の声でぐるぐる鳴いた。

 樹から降りて、次は何をしようかなと思いながら歩いていく。さっききらきらしていた川に行って泳いでも良いし、その前に沼で泥を踏んだり捏ねたりしても良い。違う方向へ行って、野原で走っても良い。
 どうしようかと考えていた時だった。足音も立てずにとことこと横を歩いていたそいつが、ふと足を止めた。不思議に思って振り返った時、自分も気付く。
 まだ互いの姿が見えない、けれどもうすぐ見えるだろう距離に、他の神の気配がある。まだこちらに気付いていないらしいその神は、少しずつこちらに向かってくる。
 考える前に体が動いていた。音を立てないようにしながら、茂みの中に潜り込む。並んで歩いていたそいつもやはり音もなく傍に来て、隣に座り込んだ。 
「居ないのか?」
 やって来る神が声を上げたが、返事もしない。その声は、聞き覚えのあるものだった。
 ナマエなんて知らない、その神。樹がまばらな辺りや野原で何回か顔を合わせたけれど、その時にナマエらしきものも何か言っていたけれど、覚えていない。その神だけではなく、他のどの神達のナマエも。
 他の神達は何だか舐め回すような目付きでじろじろと見てくるから、にやにやと嫌な笑い方をしながらべたべたと腕や肩を触ってくるから。だから、あまり好きじゃない。
 隣で大人しく蹲っている、そいつの体に腕を回す。そいつは声を出さずに、ぴったり寄り添ってくれた。温かいその毛皮に顔を埋めながら、また思いを新たにする。
 他の神達になんて会いたくない。樹々の間でこいつと走り回っている方が、ずっとずっと楽しい。
 ずかずかとやって来たあの神が何か用があるんだとしても、自分の知ったことじゃない。自分が出て行って話をしてやる必要なんてない。あんな目付きで見られたり、馴れ馴れしく触ってきたりされたくない。
 そう考えた時、ふと思い出した。つい最近初めて見かけた、あの空き地でシンパイしてくれた、あの神のことを。
 シンパイしてくれたあの神は、こいつがオセロトルというナマエを持っている獣なんだと教えてくれたあの神だけは、あの嫌な目付きをしなかった。無遠慮に触ってきたりしなかった。
 あの神のナマエは何だったかな、と頭を働かせてみる。けれど思い出せる前に、そこに居ることを殆ど忘れかけていた無遠慮な神がまた声を上げた。
「居るんだろう?」
 もう葉の間を透かして見えるほどの距離に来ているその神は何がしたいのか、いつまでもいつまでも居なくならない。しつこく歩き回って、なかなか立ち去らない。仕方なく、出て行くことにした。
「僕に何か用?」
 茂みを出て、装束についていた葉を払い落としながら声を掛ける。通り過ぎそうになっていたその神は驚いたように振り返り、馴れ馴れしく笑った。
「何だ、そんなところに隠れていたのか」
 にんまりと笑ったその神が、近付いてくる。その笑い方はやっぱり好きになれない。後ずさりしたくなったが、足を踏ん張った。
「何の用?」
 不機嫌なのを隠さずに尋ねてやるが、その神は気づかない様子で笑う。目の前まで来たその神は、やっぱり無遠慮にこちらに手を伸ばしてきた。思わず体を引くけれど間に合わなくて、その手が髪に触ってくる。絡まっていたらしい葉を外したその神は、またにんまり笑った。
「かくれんぼか? 怖がりな奴だな」
「用があるなら言えってば」
 笑われて少しむっとしたが、さっさと用を済ませて居なくなって欲しいのでそれだけ言った。せっかちな奴だと笑ったその神は、今度は肩を撫でてくる。その手を払い落とす前に、軽く引き寄せられた。
「何だよ、」
「たまには森から出て来いよ。お前に会いたがっている神が居るんだ」
 抗議するのも聞かず、その神はそう言って笑う。その笑い方がやっぱり嫌な感じで、行きくないと強く思った。足元で、そいつも機嫌悪く唸る。
 もう少しで『僕は会いたくない』と言ってやるところだった。殆ど喉まで出かかったその言葉を飲み込んだのは、一度だけ話をした違う神の顔が頭を過ったからだった。シンパイしてくれたあの神のことを、低い声でぐるぐる唸っているそいつのナマエを教えてくれた神のことを、また思い出したからだった。
 あの神だったら、会ってもいい。また知らないことを教えてくれるかもしれない。こいつに憧れているあの小さい獣のナマエや、他の獣達や鳥達のナマエや、他にもたくさんの知らないことを。
 あの神が自分に会いたがって探しているというなら、仕方がないから出て行っても良い。この嫌な神と歩いていくことも我慢できる。だから、肩を撫で回している手をはたき落とすのも我慢して、答えた。
「分かった、行く」
「おや、素直だな」
 少し意外そうに、けれど満足したように、その神は笑った。やっと手を離してくれるので、これ以上触られないように装束で体を包む。それを見てまた笑った神は、また馴れ馴れしく背中に手を置いて、横に立って歩き始めた。
 背中を押されながら歩き出すと、もちろん金色と黒のそいつも横をついてくる。それに気づいた神は、嫌そうな顔をした。
「そいつも連れてくるのか?」
「何か悪い?」
「悪くはないが」
 そう答えながらも、その神は嫌がっているのを隠しもしない。言葉に迷うような顔をしてから、わざとらしい嫌な笑い方をした。
「そのオセロトルが居ないと、何もできないのか?」
 声の調子と笑い方で、わざと怒らせようとしているのが分かった。分かっていても、やっぱりむっとする。どうしようかと考えながら、そいつに目を向けた。
 そいつは不安そうな目をして、シンパイして、ぐるぐると声を上げた。それで気持ちが固まった。好きになれない神へ顔を戻して、きっぱり言う。
「こいつと一緒じゃないと、どこにも行かない」
 はっきり言ってやったから、その神も諦めたらしい。わざとらしい大きな息を吐いて、またさっきの嫌な笑い方をして、言う。
「まあ、良いさ」
 その神が話題を変えて他の神達のことを話し始めたので、興味はないけれど耳を傾ける。金色と黒のそいつはまだ不安そうに時々声を上げながら、ぴったりと横をついてきた。
 どこか遠くで、あまり声を聞かない鳥がぎゃあっと鳴く声がした。

【後書き】
○プチ解説
・作中の鳥獣
驚くと死んだふりをする動物:オポッサム

赤い鳥:コンゴウインコ
緑色の鳥:ケツァール鳥
橙色の鳥:コガネメキシコインコ

木から降りてきた「オセロトル(=ジャガー)」に似た模様の動物:オセロット(小型のヤマネコ)
群れで来た木登りのできない動物:ヤブイヌ(ブッシュドッグ)
耳が立ってすらっとした動物:ハイイロギツネ(キノボリギツネ)
(参考サイト:https://pz-garden.stardust31.com/index.html)

・肉食獣との関係
 ケツァルコアトル神が鳥と仲良しなのでこの少年神は肉食獣と仲良しだといいな、と思ってそんな話にしました。とても可愛いと思います。
 言い訳ですが、ジャガーは本来この少年神のお供というよりは分身である存在なので、彼自身も肉食獣と仲良くできると思います。

・少年神の言語能力
 前話でも書きましたが、少年神に限らず神々は生まれた時からある程度完成されているという想定です。なので生まれた時から独り立ちしていて、思考も行動も会話もできます。
 それも一応は参考にした神話のある設定です。後半にちょっぴり登場していただくウィツィロポチトリ神(南のハチドリorハチドリの左:太陽神であり、アステカの部族神)は、「完全武装して生まれてきて、母神を殺しにきていた兄弟姉妹をその場で皆殺しにした」という壮絶な御生れです。ついでですが、彼が最初に殺した姉神で月の女神のコヨルシャウキ様は「実は兄弟姉妹が母を殺そうとしているのを警告しに来た善意のかただった」との説もあります。逆に「本当に先陣切って母神を殺しに来ていた」説もあります。
 なお「オセロトル」など個々の種族名は他の神々がつけて呼んでいる名前なので、あまり他の神々と話していない少年神はそれら名称については知らないという想定で書いています。抽象的な概念もあまり知らない想定なので、感情などを表す表現は少し稚拙です。

・食物連鎖
 「神々の国では何も食べなくても生きられるので、食事という行為自体をまだ誰もしていない」「従ってどの生き物も、神々の国では捕食関係にない」という想定で書いています。なので本来なら捕食者であると同時にオセロトルことジャガーの獲物でもある小さい肉食獣達も、ジャガーをそれほど怖がっていません。
 ただし「他の生き物を傷つけたり殺したりすることもできる」「縄張りを荒らすなどして怒らせてしまうと、神々でも獣に襲われる」という想定です。神々も含めて、不死ではありません。
 この設定については、コウ著『チョコレートの歴史』にも引用されている、チョコレート(カカワトル)とコアトリクエ女神の神話を参考にしています。ざっくり書くと「『そんなものを食べているからお前達人間は老いるのだよ』と教えてもらったけれど、人間はもう食べるのをやめられない」という内容です。
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