短歌

水笛流羽(みずぶえ・るう)

文字の大きさ
2 / 2

2025年8〜10月の短歌

しおりを挟む
孤独とか虚しさだとか諦めのかなしい星座で心を飾る
水晶の清さの夜の水底に冴えわたる星を待ち侘びる冬
いつの日か抱えきれなくなる想い支えにしながら立っている今日
泣きそうな色した雲の我慢強さ持てない私の雨がまた降る
望んでも望まなくても朝は来る明日は今日に今日は去年に
正しさに窒息しそうな日もあってそれでも他の星には棲めない
この場所で「何か」が始まる気がしてたその高鳴りも「何か」だったね
一緒には歩いていけないあなたの影追いゆく時だけ命が弾む
倦怠を溶かしブラックで飲み干した優しさなんて欲しくない夜
いつか見た夢から続くこの道の果ての果てまで歩いてみたい
私にはあなたのために変わる義務もあなたを変える義務・権利もない
流氷が固く閉ざした深海の静寂に満ちた街を泳ぐ夜
あなたとの境にきっぱり線を引く 嫌いにはまだなりたくなくて
「苦しみや悲しみをずっと知らないでいてね」だなんて残酷に祈る
赦すことを選べないのはきっと今もこの魂は囚われている
崩れ去るときをいつでも待っているこの手で壊す勇気がなくて
駆けてきた道が途切れて立ち尽くす 彼方の光は信じていいの?
傷付けて傷付けられた同じ傷を舐め合うことでしか寄り添えず
今はもうどこへも辿り着けないと知ったのにまだ鼓動している
点と点つないで星座を夢想する同じ曖昧であなたを測る
岸に立つ海を渡るか海岸に沿って歩むか立ち続けるか
目的の場所見定めて歩いてく迷子になるのも楽しみながら
口実がなければLINEもできなくてお誕生日を指折って待つ
失ったものを惜しんで数えては知らず溢れて戻らないもの
何もかも投げ出したくなる日もあって今日もそうだからアイス買ってこ
目指す先は同じじゃないけど岐路に至るまでは並走していたい人
笑ったり泣いたり泣いたり笑ったり流れゆく日々にいつもいる人
水晶の杯揺らして推し量る「まだ半分」と言える自分か
思い出すたび開く傷、新たな血 この痛みでしか息ができない
抱えてることで苦しいこの想い手放した果てに私はいない
生きるには邪魔な願いを捨ててまで生きたい世界に生まれてきてない
生きていくために殺して埋めた夢と一緒に無くした私もいたね
あの夜は抉り捨てたい苦しさで軋んだ臓器と今朝も生きてる
生き続けるため切断した感傷に殉じた私を副葬した朝
ひとときは何より大事に抱きしめた想いを捨てて選んだ鼓動
山奥の清水もいつか海に至る真水でいたいと願っていても
完璧になれない自分だからせめてあなたの今日を彩ってみたい
坂の上、海風、日差し、水平線 案外キレイな世界に生まれた
飲み下しきれずに胸に残る棘 抜き捨てたいとはまだ思えない
胸の底の澄んだ淀みに隠す未練 琥珀と凝るまでさようなら
アイスティー湛えるグラスを伝う光 私の代わりに泣いてくれてた
遠ざかる昨日と心中したかったのに目は覚めた、お腹も空いた
人生に反逆したい 自分から降りれず宙(そら)に終焉(おわり)を探す
定期預金満期をうっかり迎えたら利息額までやけ食いしよう
甘いのが好きでも苦手でもない君へ差し出す微糖ココアの親愛
君といる時間はいつもマシュマロを浮かべたココアの味がしている
カフェモカのココアの砂糖加減わたし得意だよ、だからふたりで飲もう
けだものの自由と小虫のあやふやを抱きしめて立つ「独り」という語
自分から越える勇気がなく境界線なぞり歩く踏みはずすまで
安心を求めざわつく心臓はココアでなだめて眠りへ逃げる
致死的にもなる質量の非現実に溺れることでまた息をする
曖昧に名前を与えて区別してはみ出た部分は見失ってく
闇色に塗り潰された心臓を晴らす気になれず満月に背く
「それだけの事がそんなに嬉しいの?」呆れて笑う君がいればね
「人は人、自分は自分」それだけの事を君にだけ適用できない
悲しくもないただの事実、それだけの事でしかない 雨降ってきたね
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
 漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。  漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。  陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。  漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。  漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。  養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。  陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。  漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。  仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。  沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。  日本の漁師の多くがこの形態なのだ。  沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。  遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。  内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。  漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。  出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。  休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。  個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。  漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。  専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。  資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。  漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。  食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。  地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。  この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。  もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。  翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。  この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

処理中です...