嫌われていると思っていた婚約者は、私のことを溺愛していた

ゆいまる

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本編

事実


次の日、授業が終わったあとアレルがいなかったため食堂ではなく中庭で一人で昼食をとっていた。

ここは人気の中庭からは少し外れており、二人がけのベンチが1つあるだけだ。
だが目の前には薔薇ら百合など色とりどりの花が咲き誇り、知る人ぞ知る穴場であった。

ベンチは人気の中庭からは死角になっており、見えていない。逆にベンチからは中庭を見ることができた。

誤解って何かしら…。
私には知らない何かをキストは隠してる?

1人考えていると中庭から話し声が聞こえた。

「ねぇ、最近リーデと話しているところを見ないけど、どうして?」

「それは今話さなくていいじゃないか。それよりも君とのことを考えよう。」

久々に聞いたけど、聞き間違えることのない声。

「ふふ、そうね。私はまったく構わないんだけど、噂は広がるばかりよ。」

「構わなくないだろ。僕と君の婚約の話に繋がるんだから。それでどうなの?」

キストとアレルだ。
びっくりしてあげそうになる声を必死で抑え、気づかれないように身を隠す。
二人の婚約?

「お父様に聞いたらもうすぐ決まるとおっしゃっていたわ。そしたらあなたも私も堂々と出来るわね。」

「そうだね。やっと堂々とできるんだ。その前にリーデには話しておかないと。」

「そうね。リーデが聞いたら驚くかしら
…。ーーー…ーーー……。」


二人は私に気づかず行ってしまった。
最後の方はあまり聞こえなかったが、二人が話しているのは間違いなく婚約の話だ。
私が知らないところでもうすでに話が進んでいる?

アレルはもう決まっていると言っていた。堂々とできるとも。

あぁ、そうだったのか。
二人は本当に恋仲で、すでに婚約の話は進んでいて、あとは私の了承を得るだけなんだ。

事実を受け止めぼーっとしている私の頬には一筋の涙が溢れた。





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